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公園パパ会議 ~男の料理よりパパ料理。料理が苦手でもできるパパ料理はじめの一歩~
公園パパ会議 コラム

公園パパ会議
~男の料理よりパパ料理。料理が苦手でもできるパパ料理はじめの一歩~

パパたち、家事・育児を楽しみながらできていますか?「主夫」や「育休」といった選択をし、一足早く家庭に軸足を置いたり、子育てにコミットしたりしているパパたちが語るリアル。
今回のテーマは「家庭におけるパパの料理」について。

日本で唯一のパパ料理研究家として全国のパパや親子向けの料理教室を開くなどパパ料理を広めている滝村雅晴さんと、二人の娘の子育て中で日々家族に料理をつくっている「秘密結社主夫の友」の杉山錠士さん(兼業主夫放送作家)は、パパ料理をつくることや、家族で一緒にご飯を食べることの大切さなどを公園の井戸端会議で話し合っているようです。

「男の料理」と「パパ料理」とは何が違う?

「男の料理」と「パパ料理」とは何が違う?

杉山さん(以下敬称略)「滝村さんは“パパ料理研究家”。なんですよね?これは“パパ”の“料理研究家”それとも“パパ料理”の“研究家”どっちですか?」

滝村さん(以下敬称略)「これね、すごくよく聞かれるんですけど、“パパ料理”の“研究家”です」

杉山「僕もパパで料理をすごくするんですけど、僕がつくっているのは“パパ料理”ってことなんですか?」

滝村「まさに“パパ料理”です」

杉山「“男の料理”と何が違うんですか?」

滝村「これもよく聞かれますね~。一番の違いは料理の軸が“誰”か?というところです。“男の料理”というのは、自分のおなかがすいた時に、自分が食べたいものを、自分の好きなようにつくる。つまり軸は“自分”です。パパ料理は、家族のおなかがすいた時に、家族が食べたいものを、家族が喜ぶようにつくる。つまり、軸は“家族”です」

杉山「なるほど、じゃあ、僕は“パパ料理”ですね。つくるのは確実に家族がおなかがすいたタイミングですもんね」

滝村「そう、大切なのは、パパが家族がおなかがすいていることに気づくということ。これは一緒にいたとしてもちゃんと家族のことを見ていないとわかりません」

杉山「確かにそうですね。あと“家族が喜ぶように”っていうのはどういうことなんですか?男性が料理をつくった時に家族が喜ばないケースなんてあるんですか?」

滝村「いくらでもありますよ! 例えば、やたら高級な食材を用意すること」

杉山「あー、それは家計を預かる方としては困ります。こっちはいつも限られた食費の中で上手に節約してやりくりしているのにそれが台無しになっちゃう」

滝村「そうなんです。しかも、その日にちょっとしか使わないものも平気で買う。残ったものを見て、これどうするんだ?っていうことになると、イライラします」

杉山「じゃあ、買い物は妻がしたとして、それで料理をすればいいってことですか?」

滝村「いやいや、そこだけじゃないです。一番良くないのはつくったのに後片付けをしないこと」

杉山「それはイライラしますね」

滝村「ちょっと料理ができるからって、家に知り合いを呼んだりして、キッチンをグッチャグチャに汚しながらたくさんつくって振る舞って。周りの人たちに褒められてご満悦。で、あとはよろしく、って先に寝ちゃったり」

杉山「え?片付けるのはこっち?ってなりますよね。いやーすごくリアルな感じ」

滝村「でしょ?実話ですから」

杉山「え?滝村さんの?」

滝村「そうなんですよ」

杉山「全然パパ料理じゃないじゃないですか」

滝村「うちでこういうことが起こった時に気づいたんです。これじゃダメだって。いくらおいしい料理をつくっても家族が喜ばないなら、家庭料理としてはまったく意味がないと。そこで考え直してたどり着いたのが“パパ料理”の考え方なんです」

杉山「ほー、ということは滝村さんにも全然できていなかった時期があったんですね」

滝村「できていなかったどころか、そもそも僕の場合は料理を始めたこと自体が長女が生まれてからですから」

杉山「そうなんですか!」

滝村「もうわかりやすいですよね。娘が生まれて、何かしないとって料理をするようになって、最初は妻も喜んでくれたんですけど、結局”男の料理“しかしない。妻からしたら”そうじゃない感“満載ですよね」

杉山「てっきり昔から料理が好きで極めていったのかと思っていました」

滝村「世の中には“料理研究家”という人がとてもたくさんいると思いますけど、きっと僕みたいに、いい年になった状態で初心者からスタートしてなった人は、あまりいないでしょうね」

まずは、レシピに忠実につくってみる

まずは、レシピに忠実につくってみる

杉山「滝村さんは、パパ向けにやっている“パパの料理塾”とか、全国いろいろなところで料理教室をしているじゃないですか? そういうところには全然料理ができない人も来るんですか?」

滝村「むしろその方が多いですね(笑)。多くの料理研究家は、“料理ができる人”に向けて、“もっと料理をできるようになるための方法”を教えていますよね。でも、僕の場合は“料理ができない人”に向けて、“料理ができるようになるための方法”を教えています。これも他の料理研究家とは違うポイントなんです」

杉山「料理ができない人に教えるのって難しくないですか?」

滝村「それができるんですよ。だって、そもそも僕が大人になってから料理を覚えたから。きっと杉山さんみたいに昔から料理をやっている人って何で料理ができないのかわからないから、教えにくいんじゃないですか?」

杉山「確かに!教えるのは苦手かも!」

滝村「それが、世の中ではママがパパに教えるとなった時に同じことが起こるんです。パパからすると何もかもわからない。ママからすると、なんでこれはできないの?となる」

杉山「そうすると、ケンカになる」

滝村「そうです」

杉山「じゃあ、そういう中で、今料理が苦手だけど料理をしてみたいという人は何から始めたらいいんでしょうか?やっぱり勉強ですか?」

滝村「料理のレシピって、料理をしない人からするとわからない言葉がたくさんあります。切り方の表現とか、どのくらいが強火で、どのくらいが中火なのか?少々と適量って何が違うのか?大さじと小さじがわからない人だっています。料理ができる人からすると当たり前で、そんなの感覚的なモノだから気にしなくていいよ!という部分にも引っかかってしまうので、そこは知る必要があります。今はネットもあるし、できる人に聞いたりすることで、必要最低限は知るチャンスはあると思います」

杉山「なんか、もうそこまで知識を得たら普通に料理ができるようになりそうですけど、違うんですか?」

滝村「まあそうなんですけど。ここまで来たら大事なことはレシピ通りにつくることです。料理のレシピは、言ってみれば設計図みたいなものです。だからその通りにつくれば基本的に失敗することはありません。でも、意外とそれを守らない人が多いんです」

杉山「へー。僕もあんまりレシピを守らない方ですけど、概ね合っていればできませんか?」

滝村「それは普段から料理をしているからできることなんです。今までの経験からこうアレンジをしたらこうなる、というイメージがちゃんとわかっているんですよね。逆に言うと大丈夫な範囲でしかアレンジをしていないはずです」

杉山「確かにそうかもしれません」

滝村「料理の初心者はその経験のベースがないのにアレンジしてしまうから失敗するんですよ。特に男性はアレンジを加えがち」

杉山「男って……そういうところありますよね。料理を始めるにあたってこんなものを使ったらいい、というアイテムはありますか?」

滝村「料理道具は人それぞれ好みもありますが、男性はひとつくらい自分が使いたいものを持つと料理に前向きになれるかもしれないですね。エプロンでもいいと思います。あとは今の時代デジタルデバイスを駆使するのもおすすめです。レシピ検索ができるアプリもたくさんありますよね。僕がサポートしていて、レシピも載せている料理サポートアプリ『FamCook』は音声ナビがついていて、つくりながら『次!』と声をかけると次の工程を教えてくれる便利な機能がついているので、ぜひ使ってみてほしいです」

いつまでも一緒にご飯を食べられるとは限らない

いつまでも一緒にご飯を食べられるとは限らない

杉山「料理をした方がいいと思っても、仕事が忙しかったりするとなかなか手が出せない、というパパも多いと思います。モチベーションをアップするためにはどうしたらいいと思いますか?」

滝村「本当に忙しくてどうしようもない時は仕方ないと思います。それはママも同じ。料理を経験すると、きっとママがいつもどれほど大変なことをしているかわかると思います。ただ、時間をつくってでも料理をすることや、料理ができなくてもせめて一緒にご飯を食べることは大事にした方がいいと感じています」

杉山「それが、滝村さんが推進している“トモショクProject”ですね」

滝村「家族で一つの食卓を囲んで、一緒にご飯を食べることって、普通に暮らしていると当たり前になってしまうと思います。でも、それは一生続くわけではありません。子どもが成長していくと、それぞれの予定があったりして一緒に食べる機会は減るし、いつかは独り立ちしていきます」

杉山「子どもが小さいうちはなかなかイメージできないとは思いますが、うちも長女が高校生なのでやはり一緒にご飯を食べる機会は減りました」

滝村「それがもっと急に訪れることもあります。2012年1月。僕に料理を始めるきっかけをくれた長女は8歳で天国へ旅立ちました。ずっと一緒にご飯を食べられると思っていたのに、まさかこんなに早く終わりが来るなんて思ってもいませんでした。自分が、妻が、同じように体調を崩すことだって十分に考えられます。それに気づいて欲しいのです。家族で一緒にご飯を食べられる時間には限りがあるのです。当たり前のことだけど、それが意識されていないと思います」

杉山「そういう不慮の事態のことって考えていない、というか考えたくないから避けているようなところがあるかもしれませんよね」

♪~夕焼小焼~

杉山「あ、5時ですね。今日は本当に勉強になりました」

滝村「今日の夕食は何をつくるんですか?」

杉山「そうですねー。今日は近所のスーパーでひき肉が安い日なんですよ」

滝村「じゃ、ハンバーグでどうです?」

杉山「あ、いいですね!助かります!」

滝村「何もしてないですよ」

杉山「いや、献立って毎日考えるの大変じゃないですか。誰かがポロッとコレいいですよね、とか言ってくれると浮かぶ時ってありません?」

滝村「わかります!」

杉山「よし、じゃあ急いで帰りましょう!」

夕暮れとともに流れるチャイムが “定時”を知らせ、この日の会議は終了。
二人の話を聞いていたあなたも、料理をすることや一緒にご飯を食べることの大切さに気づくことができたでしょうか。

滝村雅晴(たきむらまさはる)

パパ料理研究家、株式会社ビストロパパ代表取締役。料理を通して、男性の家事参画、働き方改革を推進する、日本で唯一のパパ料理研究家。家族の食育・共食と健康づくり、ワークライフバランスなど提案。
・NHK「あさイチ」「きょうの料理」「まいにちスクスク」出演
・著書「パパごはん」(マガジンハウス)、「パパ料理のススメ」(赤ちゃんとママ社)
・ブログ「ビストロパパ~パパ料理のススメ~」(http://blog.livedoor.jp/tuckeym/)は、13年間以上毎日連続更新中
・パパの料理塾 主宰。大正大学 客員教授。農林水産省 食育推進会議 専門委員。
・日本パパ料理協会 会長飯士。NPO法人ファザーリング・ジャパン トモショクProjectリーダー。


杉山錠士

子育て情報サイト「パパコミ」編集長、兼業主夫放送作家・株式会社ジョージ代表取締役。
妻がフルタイムで働いている共稼ぎ家庭であることもあって、2008年頃から家事育児に軸足を置くことを決意。“兼業主夫放送作家”へ。現在も高校1年生と小学2年生の娘たちのパパで炊事や掃除など家事全般を担当。

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