2030年には日本の人口の1/3が65歳以上の高齢者となると言われ、誰もが使いやすい商品の開発がますます期待されています。そこで容器包装開発部では、高齢者にとっても使いやすくすれば、より多くのお客様に喜んでいただけると考え、高齢者を対象としたパッケージの開封性研究を行っています。この研究では、研究開発者が、高齢者から直接生の声をお聞きし、また使用される行動を観察することで、我々が想定しなかった気付きをパッケージの設計に盛り込み、有効活用しています。
以下に、高齢者研究を通して開発・改良した事例をご紹介します。
従来の製品を高齢者に使っていただくと、アルミシール蓋を開けるのに苦労されている方がいらっしゃいました。そこで、つまみ部をつまみやすくし、かつ大きくしたことで、より軽い力で開封できるようにしました。現在、「特選本香り」「ポピュラー」シリーズなどのチューブ入りねりスパイス製品に採用しています。
高齢者研究で、一部の製品が高齢者にとって開けにくいことが分かりました。そこで、容器のシール形状を工夫することにより、従来よりも半分の力で開封できるようにしました。現在、「バーモントカレー」「こくまろカレー」「北海道シチュー」等のすべての大箱ルウ製品に採用し、従来よりもさらに開けやすくなっています。
製品発売後、「電子レンジ調理方法が判りにくい」というお客様からのご指摘がありました。高齢者研究からも、開け口の位置を変更することで使いやすくなることがわかり、開け口を調理方法表示に近接した位置(裏面)に変更しました。現在、「咖喱屋カレー」「カレーマルシェ」「ククレカレー」等に採用しています。