タマネギを包丁で切ると涙が出ることは誰もが経験することです。この涙を発生させる成分は催涙成分と呼ばれ、生タマネギを食べた時の強い辛みを引き起こす成分でもあります。
我々は、タマネギの催涙成分の生成に関わる2つの酵素(アリイナーゼ、催涙因子合成酵素)に着目した選抜育種を進めた結果、アリイナーゼの働きが極めて弱く、催涙成分の生成が抑えられた全く新しいタマネギの作出に成功しました。このタマネギを「スマイルボール」と命名し、2015年より販売を開始しています。
タマネギを包丁で切ると涙が出ることは誰もが経験することです。この涙を発生させる成分は催涙成分と呼ばれ、生タマネギを食べた時の強い辛みを引き起こす成分でもあります。
我々は、タマネギの催涙成分の生成に関わる2つの酵素(アリイナーゼ、催涙因子合成酵素)に着目した選抜育種を進めた結果、アリイナーゼの働きが極めて弱く、催涙成分の生成が抑えられた全く新しいタマネギの作出に成功しました。このタマネギを「スマイルボール」と命名し、2015年より販売を開始しています。
より多くの方へ安定的に、品質の良いタマネギをお届けするために、栽培法の研究と品種改良を実施しています。
栽培法の研究は、収量や品質に関連する最適な条件を見出すため、さまざまな場所や条件で栽培をして要因の把握を行っています。具体的には、土質や水質などの農地環境、肥料や農薬の使用量やタイミング、そして種をまく時期、苗つくりの方法、収穫タイミング等の栽培自体との関連を調べています。
品種改良は、成長が早い、収穫量が多い、悪環境や病気に強いといった農業形質に着目した改良と共に、よりおいしい、より健康機能性に優れた特性をもつ品種などの開発を実施しています。
農作物の生産の出発点は、種子生産です。タマネギの種ができる仕組みや過程に関しては未解明な点が多く、安定した種子生産が難しいと言われています。そこで我々は、タマネギの種子生産を科学的な視点から解明し、安定的で効率的な生産方法の確立に取り組んでいます。
これまでの研究により、タマネギの花が開花直前に高温にさらされると、おしべでは花粉が未成熟となる異常が、めしべでは内部で花粉管が伸長しない障害が発生することを発見しました。そして、これら障害により種子生産量が低下することを明らかとしました。
今後も研究開発を重ね、より多くの皆様へより価値あるタマネギをお届けしていきます。