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共働き家族のための調理家電活用アイデア
調理家電 コラム

共働き家族のための調理家電活用アイデア

忙しい現代人になくてはならない「家電」。今回は、調理家電を上手に活用して料理の時間を減らし、家族を巻きこんでいくコツを、ご自身の夫・息子も常日頃から積極的に家事に参加しているという家電コーディネーターの戸井田園子さんに教えていただきました。

焼く・煮るを「ほったらかし」にすれば、空いた時間を有効活用できる

焼く・煮るを「ほったらかし」にすれば、空いた時間を有効活用できる

家の中で過ごす時間が物理的に少ない共働き家庭であれば、家事は「手離れ」を目指すべきと語る戸井田さん。人間がやらなければいけなかったことを、ある程度まとめてやってくれる家電に「アウトソーシング」できれば、その時間を他のことに使えます。

■新しい家電を買う前に見直したいオーブンレンジ

ほとんどのご家庭にある家電ですが、あたため機能やパンを焼くくらいにしか使っていないお宅も多いのでは? 最新のものを持っていなくても、オーブンレンジに「焼く」をまかせることで、一品手が離れるのは大きいそうです。

戸井田さん「我が家では、焼く作業が入る主菜は、ほとんど毎日オーブンレンジにお任せ。お肉もお魚も、最近のものは本当に上手に焼けるんです」

■家電トレンドのひとつ「電気調理鍋」

「焼く」が手を離れたら、新しいアイテムとして「煮る」を手離れできる家電の導入を検討してみては。ここ数年の家電トレンドのひとつとして、食材と調味料を入れるだけでいろいろな料理が作れる「電気調理鍋」の普及が挙げられます。

戸井田さん「2019年にはパナソニックがあらためて参入したり、海外メーカーの新商品も話題になったりと、電気調理鍋の選択肢がさらに増えました。圧力調理、無水調理や時間をかけてゆっくり作る低温調理など料理の幅も広がっていて、今後は一家に一台は普及するアイテムになるのではないでしょうか」

スイッチを入れたら「ほったらかし」できる電気調理鍋は、そばで火加減を見ていなくても済むことが大きなメリット。朝の出勤前に食材をセットしておき、帰宅時間に合わせてできあがる予約調理が可能なものもあります。

戸井田さん「材料をセットすればあとはお任せだから、調理時間をまるごと他のことに使えるようになります。空いたコンロでもう一品作ってもいいですし、キッチンを離れてお子さんの宿題を見てあげたり、一緒に遊んだりと、大切な家族とのコミュニケーションの時間を増やすこともできますよね」

ダイニングテーブルで作ろう! 決め手は「テーブルに熱源」

ダイニングテーブルで作ろう! 決め手は「テーブルに熱源」

普段は料理に苦手意識を持っているパパを、調理家電を使ってうまく巻き込むコツはあるのでしょうか?戸井田さんによると、ポイントは「テーブルに熱源を持ってくること」だと言います。

戸井田さん「キッチンではなく、ダイニングテーブルに熱源があれば、かなりの手間が軽減されますし、家族も参加しやすくなります。モノって、"使う場所"にあるのが一番使いやすいんです。だから我が家では、キッチンではなくダイニングに、大小のホットプレートや電気調理鍋、電気ケトル、コーヒーメーカーなど調理家電を集めた棚を置いています」

■もっと活用してほしいホットプレート

箱に入れて棚の上などにしまっていると出番が減りがちですが、最初からダイニングに置いている戸井田家では、「今日ホットプレートを使うよー」と言えば、ダイニング側でご主人や息子さんが出して準備を進めてくれるそう。

戸井田さん「ホットプレートの有効活用で、パパの料理参加率がグンと上がるんです。たとえば野菜炒めなどちょっとしたおかずならホットプレートで問題なし。普段は料理しないパパたちでも『あなたこれやっといて』とお願いすればやってくれますよ」

キッチンとは動線が重ならないから、ママがもう一品作っているうちに、ダイニング側でも料理が粛々と進み、そうするうちにパパの方から「もうちょっと小さく切って」「オレが焼き担当をやるよ」と指示が出るなど、「お手伝い」ではなく「オペレーションの主役」になる瞬間がやってくるのだとか。

他にも、ママがお出かけしている日にはパパ主導で焼きそばやホットケーキを作ったり、小型のホットプレートがあれば出勤前に朝食用のトーストとハムエッグを準備しながら隣でお弁当のおかずを焼いたりと、卓上ですぐに使えれば日常で大活躍。オプションのたこやきプレートを使ったアヒージョや焼きおにぎり、チーズフォンデュなど、ちょっとしたパーティ的な使い方もできますね。

戸井田さん「本当にホットプレートは万能! 準備だけしておけば、あとはすべて卓上で完結します。道具がひとつあれば、それを上手に使うだけでこれだけ役に立つ、というのが使うほどによくわかると思います」

同じように、他の熱源もテーブルに持ってくることで、家族を巻きこんだ料理の機会を増やしていくことができそうです。

■ほったからかし家電も、ダイニングにおいて置いて脱ワンオペ

戸井田さん「最初に紹介した『ほったらかし』家電も、キッチンの中にあると全部ママがやる『ワンオペ』になりがち。でも、たとえばカレーライスなら、内鍋のセッティングやお米を研ぐところだけキッチンでやって、あとはダイニングで電気調理鍋と炊飯器のスイッチを入れれば、盛り付けから保温、おかわりまでその場で完結します」

実際にやってみて「調理家電ってこんなに便利なんだ」と思えたら、さらに卓上で使えるIHクッキングヒーター、スープメーカー、ノンフライヤーなど、新しい家電の導入を検討してみてもよいかもしれません。

戸井田さん「新しい家電を買う前に、まずは自宅にあるものの活用を。使った時、並べてみた時に『使いにくいね』『ちょっとださいね』と思ったら、そこではじめて買い替えを検討すればよいでしょう。大事なのは自分たちが使いやすいと思うものをちょっとずつ集めて、使いやすい場所に置いておくことです。

最近は各メーカーがデザインに力を入れたアイテムを発表しています。ダイニングに出しっぱなしでも受け入れられるような綺麗な卓上家電が増えていますし、今後もさらに増えていくことでしょう。それにより家庭での調理スタイルはもっと変わっていくと思います」

テーブルに熱源を置き、家族で火を囲む「いろり」のような調理家電の活用。料理する場所を変えて家族を巻きこむことで、ワンオペ調理からの解放が可能になるのです。

戸井田さん「忘れてはいけないのは、家電や食器の収納場所を変えたら、ちゃんとパパや子どもたちに共有すること。場所がわからなくなると手伝いたくても手伝えませんからね。それから、何かやってもらったら『ありがとう』とちゃんと伝えることですね」

さらなるトレンドは「個電」?「日常をより豊かに」という感性の広がり

さらなるトレンドは「個電」?「日常をより豊かに」という感性の広がり

最後に、イマドキ調理家電のトレンドをもう少し聞いてみました。

戸井田さん「ほったらかし家電の広がりやデザインへのこだわり、ネットとつながるAIなどもこれから進化していくでしょう。それ以外では『個電化』が進んでいることが挙げられます」

家電業界全体として、冷蔵庫や洗濯機などまとめた方が効率がよい家事に関するアイテムは大容量化する一方、ジャンルによっては、ひとり暮らし・ふたり暮らしに向けたパーソナルユースの電化製品も増加。それらを家電ではなく「個電」と呼ぶそうです。

戸井田さん「ホットプレートやグリル鍋で小さいサイズのものが増えたり、老舗メーカーからも二人サイズのアイテムがどんどん出たりと、『個電化』は調理家電にも広がっています」

その象徴的な例として戸井田さんが挙げるのが、2019年に発売された三菱電機の「ブレッドオーブン」。1枚ずつしか焼けないトースターですが、まるで焼き立てのような食パンや絶品のフレンチトーストが食べられると話題を呼び、初回生産分が売り切れるほどの人気となりました。

戸井田さん「たかがパンかもしれないけど、パンが美味しかったら一日楽しくすごせますよね。熱々を1枚ずつ食べても、二人なら1枚を半分こしてもいい。ただ少人数向けになっているだけではなく、日常のクオリティを上げる、日々をちょっとずつよくする、という感性の広がり。それは、どこのメーカーさんも注目しているところです」

料理をつくり、食べることを通して幸せな時間をすごしたいと求める気持ちは、共働きに限らず、どんな家族でも同じこと。

戸井田さん「料理をするのはご飯を作ることがゴールではなく、おいしいご飯を食べて家族で楽しい時間を過ごすことが目的ですよね。そのために料理で消耗してしまい家族との時間を犠牲にするのは本末転倒です。

家電まかせの調理だからといって『手抜き・ずぼら』といった罪悪感を抱く必要は決してありません。調理家電といっても加熱の工程を家電に任せているだけで、味付けや材料の切り方はご家庭ごとのオリジナル。お鍋でシチューを作る時でも、入れる具材はそれぞれだけど、炒めたり煮込んだりするのは同じですよね。もちろんプロの料理なら、火加減や焼き方や火の通し具合にオリジナリティがありますが、ご家庭の場合は加熱を機械のプログラムにゆだねる方が、実は失敗なくおいしくできます。

がんばりすぎないために、家電へのアウトソーシングを上手に使って、家族も巻き込んでいけばよいと思います」

戸井田 園子さん

家電コーディネーター、All About「家電」ガイド。インテリア&家電コーディネーターとして、テレビや雑誌など様々なメディアで活躍。

(注)戸井田さんは2020年5月17日に急逝されました。謹んでお悔やみ申し上げます。
尚、本記事は2020年3月に執筆いただいた内容です。

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