朝は登校準備、夕方は宿題や習い事など、幼児期に比べて活動量も自立度も一段上がる小学生の生活。一方で食の好みや食べる量にはまだ波があり、給食とのバランス、朝夕の慌ただしさ、自身の仕事なども相まって、子どもの食に対する保護者の悩みは幼児期と少し視点が変わってきます。 そこで本記事では、母子栄養協会 代表理事の川口由美子先生に、小学生の子どもを持つ保護者の“リアルな食のお悩み”をQ&A形式で詳しく伺いました。

離乳食・幼児食アドバイザー他 各種アドバイザー養成の他、保育所給食関係者向け 研修などをおこなう。
Eテレ「すくすく子育て」「まいにちスクスク」他。おもな著書に「まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング幼児食(西東社)」ほか
A(川口先生):カルシウムは牛乳以外にもさまざまな食品から摂れますが、摂取効率の観点では牛乳が最適です。(※1)アレルギーでない限りは、できる範囲で牛乳を取り入れてほしいところ。もしそのままでは飲みにくいということなら、バナナやいちごと一緒にシェイクするのがおすすめ。
それでも牛乳が苦手ということでしたら、「小魚+大豆製品+野菜」をあわせるのがおすすめです。たとえば、しらすをごはんにパラパラとふりかけて食べる習慣をつけたり、納豆などを摂り入れるのもいいでしょう。飲み物は豆乳などを選ぶのもいいですね。
野菜は青菜類がおすすめです。小松菜やほうれんそうなどがいいですね。なかでも小松菜はゆでこぼさなくても電子レンジ加熱やそのまま炒めただけで食べられるので食べやすいのも魅力です。お子さんにとって無理のない形を探してみてください。
日光浴は、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの体内合成を気にしてのご質問だと思いますが、小学生なら普段の登下校と学校生活で十分。気になるなら、日焼け止めは手や足に塗らないなどもいいかもしれませんね。また、冬でも外遊びをするなど心がけるといいでしょう。
A:週回数にこだわるより、毎日まんべんなく多様な食材を摂る意識が大切です。給食にも魚の日があるので、家庭で「最近魚が少ないな」と思った時に意識して出すようにすれば良いでしょう。手軽さで言えば、サバ缶やツナ缶は肉料理よりも一品が早く整いやすい利点があります。
食べやすさや用意しやすさも重視して、まずは魚に苦手意識を持たないようにしていきたいですね。お子さんが魚を積極的に食べないようでしたら、しらすや小魚ふりかけ、かつお節、出汁粉といった手軽な“ご飯のお供系”も有効です。日々の食卓に自然に“魚の要素”を足していきましょう。

A:特定の食品だけで便秘が必ず改善するわけではありません。サツマイモやゴボウなど食物繊維の多い食品も摂り過ぎは逆効果になることがあります。生活の全体が関わりますので、運動不足、水分不足、生活リズムの乱れなどを確認してください。
発酵食品や繊維の追加は“できる範囲で+α”と考えるのが現実的です。例えば、発酵食品をとっていないなと思ったら、フルーツにヨーグルトをかけたおやつにするなどがいいかもしれませんね。
A:「これを食べれば感染を防げる」食材はありません。 まずは健康でいることと、ウイルスが入らないようにすることが最大の予防です。栄養バランスの良い食事+十分な睡眠+適度な運動――この基本に加えてうがいや手洗いも大切です。


A:まず、何も食べないよりはずっと良いです。菓子パンは栄養バランスに課題はありますが、午前中の活動に必要なエネルギーは摂れています。理想を言えば、昼・夕で栄養素を補う設計に。
朝の“とっかかり”として、牛乳(あるいはフルーツシェイク)を足す、ゆで卵やチーズを添えるなど、無理のない一歩から始めましょう。気負いすぎず、出せるものを考えてみることが大切です。お子さんと一緒に考えると、学習にも食育にもいいですね。
A:「小学生にもなって細かく刻まないと食べられないなんて、大丈夫かしら」と思われる保護者の方もいますが、この時期はまだ食べられる調理法があるなら食べられる形で出すのもいいでしょう。例えば、ミートソースに細かく野菜を入れる一方で、同じ野菜を小さめに切って別添えにし、苦手な食材でもまずは少量から試してみる“ひと口チャレンジ”を促す方法があります。取り分けや後がけで味の濃淡・風味の段階づけをすると、受け入れやすくなりますよ。
A:食事だけで完結する話ではありません。 感染予防の話と同じで、栄養バランス+睡眠+運動が基本です。ただし月経に伴う変化が関係していそうなら、鉄不足など別の要因を視野に入れて医療機関で相談を。
食事側では、鉄を含む食材(赤身肉・魚・レバーなどのヘム鉄)、鉄を多く含む野菜や卵黄等(非ヘム鉄)にビタミンCとたんぱく質源の組み合わせを意識すると鉄分の吸収効率が上がります。また、高学年はヤセすぎも気になります。過度なダイエットをしていないかもあわせて考えてください。鉄だけではなく、エネルギー(カロリー)も必要です。


A:炊飯器を活用した“一体調理”がおすすめです。米と一緒に肉や魚、野菜を入れて炊き込みにすれば、主食・主菜・副菜が一気に整います。
盛り付けは混ぜても良し、具とご飯を分けて出しても良し。急ぎのときは、ほぐしておにぎりにすることもできます。さらに市販の肉まんなど“温めるだけ”で食べられる主食系も、冷凍ストックしておくと送迎の合間に助かりますよ。
A: 足りない栄養素は人それぞれかもしれませんが、昨今注目されているのは「たんぱく質」。一方で、実は意識したいのが「野菜類」です。野菜が苦手なお子さんも多いのではないでしょうか。
また、コンビニで買い物をすると、どうしても肉とごはんや麺類などに偏ってしまうことはありませんか?そんな時に少し「より良く」するには、冷凍野菜がおすすめです。
コンビニで買い物をするときには、レトルトや惣菜にあわせて冷凍野菜を選んでみましょう。例えばうどんにほうれんそうを加える、一品として冷凍かぼちゃをつぶしてサラダにするなどができるとより良いバランスになりますよ。
A:炊き込みご飯やピラフ、チャーハン、焼きそばなど、主食、主菜、副菜が一緒になったものがおすすめです。カットされた野菜や冷凍野菜をうまく使うことで、忙しくても野菜の種類を増やすことができます。
栄養的に様々な食材を使うことを考え、一つのフライパンで調理できるメニューだと忙しい日でも用意しやすいですね。もし足りない栄養素があったとしても、次の食事で足す(例:朝が主食中心→昼は乳製品+果物、夜は魚と海藻多め)という数日単位で最適化できれば十分です。
A:包丁や火を使うのは危険なので、電子レンジで温めるものが良いでしょう。例えば、ご飯とちぎったレタス、ツナ缶、鮭やごま塩などのふりかけを混ぜてレンジで少し加熱するとチャーハン風になります。
餃子の皮を使ったピザやグラタンなどは子どもでも作りやすいです。ただし火傷などの危険があるので、子どもだけでやるのではなく、親のサポートが必要です。ホットプレートも楽しいですが、こちらも同様に見守りが安心です。

小学生になると、子どもに対する保護者の期待や理想は高まりがち。ついつい「もう小学生」と思って保護者も肩肘張ってしまいますが、子どもの食の波や生活リズムはまだまだ発展途上です。
小学生になったことで、子どもの生活リズムや帰宅時間、環境が変わり、子どもも親も戸惑う場面は少なくありません。その中で栄養を考えながら毎日の食事を整えるのは、並大抵のことではありません。
そこで大切なのは、完璧を狙わない切り替え。川口先生のアンサーも、どれも無理なくできることばかりです。
理想とのギャップに焦るより、0より1、昨日より今日を少し整える――その積み重ねが、小学生期のからだと心の土台になります。期待は先走らせず、子どものリズムに合わせて。無理なく続く「我が家の最適解」で、子どもの食べる力を育てていきましょう。
【参考文献】
※1. 一般社団法人Jミルク「アンチミルク」に答える解説集
https://www.j-milk.jp/report/study/h4ogb400000011so-att/h4ogb400000011v1.pdf(2026/1/26 参照)
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