コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

当社グループは、経営組織の活性化と迅速な意思決定を旨とする『スピード経営』に取り組むことにより、経営の有効性と効率性を高め、企業価値の最大化を追求しております。
当社グループは、「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」というグループ理念の考え方のベースとなる、一企業市民として果たすべき「お客様に対して」「社員とその家族に対して」「社会に対して」という「3つの責任」を企業活動の柱としております。
理念に基づいた企業経営をしていくうえで、激変する経営環境に適正に対応すべく、企業の社会性と透明性の向上および説明責任の遂行に努め、コンプライアンスの徹底を図るためにコーポレート・ガバナンス体制を構築しております。
なお当社は、2015年12月より株式会社壱番屋をグループ化しております。同社は上場会社であり、当社は同社の内部統制システムを尊重した運用を行っております。

コーポレートガバナンス報告書

コーポレートガバナンス報告書

コーポレートガバナンス体制

業務執行体制

当社は監査等委員会設置会社として、監査等委員会とその監査等委員である取締役5名(うち、社外取締役4名)により、取締役の職務の執行および取締役会の決議の適法性、妥当性の監視・監督および監査を行います。
取締役会は取締役12名(うち、社外取締役4名)で構成され、当社グループの重要な業務執行を決定するとともに、他の取締役およびグループ会社の業務執行を監視・監督いたします。
取締役会の任意の諮問機関として、委員の過半数を独立した社外取締役で構成し、独立社外取締役を委員長とする指名諮問委員会および報酬諮問委員会を設置し、取締役の選任・解任、報酬決定の手続きにおいて、客観性と透明性を確保しております。
監査等委員会は、業務監査および財務報告に係る統制の担当部門である監査部に指示命令権を持ち、緊密に連携し、監査状況・内部統制システム評価状況の確認および定期的な意見交換、調査や具体的な指示を出すほか、会計監査人や顧問弁護士と連携を図り、取締役の職務執行の監査を組織的に行います。
会計監査につきましては、有限責任監査法人トーマツと会社法監査および金融商品取引法監査について監査契約を締結しております。

取締役会

取締役会の議長 代表取締役社長 浦上博史
監査等委員でない取締役 監査等委員である取締役
定款上の員数 10名以内 8名以内
取締役の人数 7名 5名
取締役の任期 1年 2年
社外取締役の人数
(独立役員の人数)
- 4名(4名)
女性取締役の人数 - 1名
女性取締役の比率 8.3%

報酬諮問委員会

目的 取締役の報酬等に係る制度ならびに報酬等の額の決定に客観性、透明性を確保する
委員長 独立社外取締役
委員数 取締役6名(うち、社外取締役4名)
開催 原則年3回

指名諮問委員会

目的 取締役の選任・解任などの決定プロセスの透明性・客観性を確保する
委員長 独立社外取締役
委員数 取締役6名(うち、社外取締役4名)
開催 原則年2回

体制図

■業務執行・監視および内部統制システムの仕組み

当社の業務執行・監視および内部統制の仕組みの模式図は次のとおりであります。

体制図

各会議の開催回数と出席率(2024年3月期の結果)

新任役員については、就任後の開催回数および出席率を記載しております。

取締役氏名 取締役会
(14回開催)
監査等委員会
(13回開催)
報酬諮問委員会
(6回開催)
指名諮問委員会
(2回開催)
浦上博史 100% (14回/14回) - 100% (6回/6回) 100% (2回/2回)
大澤善行 100% (14回/14回) - 100% (6回/6回) 100% (2回/2回)
川崎浩太郎 100% (14回/14回) - - -
宮奥美行 100% (14回/14回) - - -
山口竜巳 100% (14回/14回) - - -
佐久間淳 100% (10回/10回) - - -
岡本雄一 - - - -
久保田恒夫 100% (10回/10回) 100% (10回/10回) - -
蒲野宏之 100% (14回/14回) 100% (13回/13回) 100% (6回/6回) 100% (2回/2回)
岡島敦子 100% (14回/14回) 100% (13回/13回) 100% (6回/6回) 50% (1回/2回)
関根福一 100% (10回/10回) 100% (10回/10回) 100% (4回/4回) 100% (2回/2回)
川嵜靖之 - - - -

経営陣幹部の選解任と取締役候補者の指名方針・手続き

経営陣幹部の選任と取締役候補者の指名にあたっては、指名諮問委員会による審議を経たうえで、下記の選任基準に相応しい人材を取締役会に提案し、候補者として決議のうえ、株主総会に付議しております。

取締役
( 監査等委員である取締役を除く)
・グループ理念・社是社訓に照らし、軸をぶらさない胆力を持っている
・経営を司ることができる知識・経験・能力を持っている
・企業価値の向上を図り、業績目標を達成する推進力を持っている
・当社の取締役として相応しい優れた人間性を持っている
監査等委員である取締役 ・幅広い経験や見識に基づき、監査を遂行できる能力を持っている
・当社の監査等委員として相応しい優れた人間性を持っている

なお、将来、取締役を担う人材には、事業会社取締役を経験する等の実践的なOJTに加え、幹部育成プログラムや社内研修等のOFF-JTとの両面で、後継者育成に取り組んでおります。また、解任については、選任基準に相応しくないと取締役会が判断した場合、取締役会で決議し、株主総会に付議いたします。

スキル・マトリックス

取締役会のスキルについては、ハウス食品グループとしての企業経営に必要な機能を備えるべきスキルとして特定しております。
また、年齢や性別を問わず、多様な専門性と経験を有した者により、機動的な意思決定と相互の監督を確保できる規模で構成することとしております。

氏名 地位 取締役会に求められる監督と執行における専門性と経験
企業経営 人事・ダイバーシティ 財務・会計 法務・コンプライアンス・リスク 広報IR・CSR R&D・知的財産 グローバル IT・DX 品質保証 生産・調達 営業・マーケティング・広告 他社経営経験
1 浦上 博史 浦上 博史 代表取締役社長
2 大澤 善行 大澤 善行 代表取締役専務
3 川崎 浩太郎 川崎 浩太郎 常務取締役
4 宮奥 美行 宮奥 美行 取締役
5 山口 竜巳 山口 竜巳 取締役
6 佐久間 淳 佐久間 淳 取締役
7 岡本 雄一 岡本 雄一 取締役
8 久保田 恒夫 久保田 恒夫 取締役
(監査等委員・常勤)
9 蒲野 宏之 蒲野 宏之 取締役
(監査等委員・社外)
10 岡島 敦子 岡島 敦子 取締役
(監査等委員・社外)
11 関根 福一 関根 福一 取締役
(監査等委員・社外)
12 川嵜 靖之 川嵜 靖之 取締役
(監査等委員・社外)
役員一覧

取締役会の実効性評価

 当社は、定例取締役会を、8月を除き毎月開催している他、決算内容承認の取締役会ならびに必要に応じて臨時取締役会を開催し、重要な業務執行に対する迅速な意思決定を行っております。また、社外取締役は、取締役会決議を予定している重要案件について事務局等から事前に説明を受け、取締役会での積極的な意見表明につなげており、取締役(監査等委員である取締役を除く。)は、個々人の業績評価システムのなかで、自己評価および多面評価を行っております。
 また当社では、2023年3月期から取締役会実効性評価を実施し、その結果について分析・評価を行っております。今後も定期的に実効性評価を実施するサイクルを確立させ、結果を踏まえた課題の改善や強みの強化に努めます。

  1. 2023年3月期に実施した取締役会実効性評価の結果分析・評価を踏まえた課題への対応状況
    1)取締役会決議事項の審議の活性化
    経営会議における議論内容を社外取締役と共有することや、要点を絞った説明となるよう
    議事進行の見直し等を行うことで、取締役会での議論が一層活発となるような運営に取り組んでおります。
    2)定例報告議題の運用の見直し
    事業状況の報告議題においては、事業上の課題をより的確に把握することができるように、説明資料の見直しを行いました。
    3)取締役会への付議基準の見直し
    経営会議への権限委譲を行うことを目的に、取締役会への付議基準の一部を改定しました。
  2. 2024年3月期における取締役会の実効性評価方法
    1)回答対象:取締役 全12名(うち社外取締役4名)
    2)回答期間:2023年12月から2024年1月
    3)実施方法:アンケート方式(4段階評価+自由記述評価)
    4)主な評価項目:

    ①取締役会“決議事項”の審議状況

    ②取締役会“報告事項”の運用状況

    ③取締役会の機能・運営の状況

    ④監査等委員会、指名諮問委員会、報酬諮問委員会との連携状況

  3. 2024年3月期に実施した取締役会実効性評価の結果概要
     取締役会の機能や運営は引き続き適切であり、監査等委員会および指名諮問委員会・報酬諮問委員会との連携を含め、当社の取締役会の実効性は確保されていることを確認いたしました。また、前年の結果を受けて改善取組を実施した内容について高い評価を得られた他、前年と共通の設問のうち9項目については、前年の評点から改善が見られました。
     一方で、取締役会の運営面において引き続き改善の余地があることを確認したため、継続して改善取組の検討を行っております。以上のように、当社では抽出された課題に即した取締役会の運営強化と改善取組のサイクルを回すことで、取締役会実効性の更なる向上、およびコーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めており、取締役会の実効性が確保されているものと考えております。

役員報酬

基本設計

取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等に係る制度および取締役の報酬等の額については、「企業価値向上と持続的成長に向けた動機づけとなり、グループ理念実現に向け、中期計画達成の意欲を喚起すること」「企業規模や社会的責任に照らし、役位ごとの役割や責任に相応しいものであること」「報酬決定の手続きに客観性と透明性が担保されていること」を基本的な考え方としており、報酬諮問委員会での審議を踏まえて、取締役会で決定しています。
監査等委員である取締役の報酬等に係る制度および報酬等の額については、監査等委員会からの諮問に基づき報酬諮問委員会が審議し、監査等委員会へ答申した後、監査等委員である取締役の協議により決定しています。

取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬の構成

報酬の種類 評価指標・支給方法等 報酬に
占める割合
業績連動
固定報酬 役位別に定めた水準に役割に応じて報酬を加算し、月例報酬として支給 60%
短期
インセンティブ
単年度
業績連動
報酬
会社業績評価 取締役会にて決定した指標を基準とし、単期単位の当社グループまたは担当事業会社の当該指標の達成度を評価し賞与として支給 25% 対象
個人業績評価 取締役ごとに設定した目標達成度を評価指標とし、賞与として支給
中長期
インセンティブ
事前交付型
譲渡制限付株式報酬
企業価値の持続的向上を動機づけるとともに、株主のみなさまとの一層の価値共有を進めることを目的に支給 10%
業績連動型
譲渡制限付株式報酬
上記に加え、中期計画達成に向けた意欲を喚起することを目的に支給(中期計画の非財務指標を評価指標とする) 5% 対象

監査等委員である取締役の報酬は固定報酬のみとしています。

<取締役(監査等委員である取締役を除く。)の業績連動の概要>

  • 短期インセンティブ
    • 取締役会メンバーとしての経営全体のマネジメントについては主に会社業績(財務指標)で、各管掌範囲での経営執行の成果については主に個人業績で評価し、2つの評価指標に基づき70~130%の範囲で変動
    • (業績に著しい変動が生じた場合は、内容を報酬諮問委員会で審議したうえで、0~150%の範囲で変動)
    • 計算式:役位別基準額×(1+会社業績評価係数※1+個人業績評価係数※1) ※1:業績に応じて▲15%~+15%で変動
    • [会社業績評価指標]
      • 中期計画最終事業年度に係る賞与:EBITDA及びROICそれぞれの達成状況
      • 上記以外の事業年度に係る賞与:EBITDAの達成状況
  • 中長期インセンティブ
    • 中期計画で掲げた指標(非財務指標)により10~190%の範囲で変動
    • 計算式:役位別基準額×(1+「社会」係数※2+「社員とその家族」係数※2) ※2:業績に応じて▲45%~+45%で変動

親子上場への考え方

当社は、上場子会社として株式会社壱番屋を有しております。
同社のビジネスは、当社グループの各事業とのバリューチェーン上の結びつきが強く相互に補完関係にあり、グループ企業として最大限のシナジーの発揮を進めています。それとともに、当社取締役を同社非常勤取締役として派遣すること、当社経営会議・取締役会での同社業績報告を定例化すること、同社株主総会付議議案の賛否を当社経営会議決議事項とすることなど、親会社として一定の監督機能を働かせております。一方で、当社グループの主要事業とビジネスモデルが大きく異なることから、日々の業務執行は同社経営陣による独立した意思決定を尊重しております。さらに、同社は監査等委員会設置会社であり、当社グループとの重要性の高い取引は監査等委員会の意見を経たうえで意思決定しており、当社以外の株主さまの利益が不当に損なわれない仕組みを整えております。
ビジネスモデルが異なる両社が、互いの独自性を尊重しながら連携を強化し協働テーマを推進することで、店舗経営に従事するフランチャイズオーナーの皆さまを含めた三者がともにメリットを享受することとなり、そのことは、当社以外の同社株主さまの利益にもつながるものと考えております。
以上の観点により、当社は、同社のガバナンス体制の実効性確保を図りつつ、上場を維持する方針としております。

内部統制システムに関する基本的な考え方

当社グループは、業務遂行における内部統制システムをコーポレートガバナンス体制の充実と、企業理念・経営目標の実現・達成のための仕組みととらえ、体制の構築と的確で効果的な運用を通して、企業価値の向上と持続的な発展に繋げるべく取組を進めております。

ガバナンス関連データは以下よりご覧いただけます。

ESGデータブック