ハウス食品グループ本社株式会社 2019年3月期 第3四半期決算短信
1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
当社グループは、2018年4月からスタートした第六次中期計画において、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をハウス食品グループのめざす姿と位置づけ、企業市民として果たすべき「3つの責任」(お客様に対して、社員とその家族に対して、社会に対して)の全てにおいて、クオリティ企業への変革に向けた取組を推進しております。
「3つの責任」重点取組テーマ
・お客様に対して 国内成熟市場におけるイノベーションの創出と海外成長市場における事業展開の加速(バリューチェーン革新、R&D変革、海外事業の成長拡大と事業基盤の強化)
・社員とその家族に対して ダイバーシティの実現(働き方変革の実行、多彩な人材の獲得と活躍できる場づくり)
・社会に対して 当社グループが考えるCSR(Creating Smiles & Relationships)活動を通じた循環型モデルの構築と健康長寿社会の実現
当第3四半期連結累計期間の売上高は、健康食品事業は前年を下回ったものの、海外食品事業が進出各エリアで事業規模を拡大したほか、香辛・調味加工食品事業、外食事業、その他食品関連事業も堅調に推移したことにより、2,256億19百万円、前年同期比1.6%の増収となりました。
営業利益は、増収効果に加え、広告宣伝費等のマーケティングコストの効果的運用を徹底したことで、157億64百万円、前年同期比9.6%の増益となりました。経常利益は168億63百万円、前年同期比11.2%の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は102億54百万円、前年同期比16.8%の増益となりました。
セグメント別の業績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。
<香辛・調味加工食品事業>
ハウス食品㈱のカレー製品群については、ルウカレーが前年を下回ったものの、「食の外部化」の影響からレトルトカレーが伸長したほか、業務用も堅調な推移となり、前年実績を確保いたしました。その他製品群では、ルウシチュー、スナックが前年を下回る一方で、新製品が寄与したデザートやラーメンが販売を伸ばしました。
また、㈱ギャバンおよび前連結会計年度に子会社化したマロニー㈱も堅調に推移いたしました。
以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,074億61百万円、前年同期比0.9%の増収、営業利益は106億50百万円、前年同期比8.2%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は9.9%となり、前年同期より0.7pt向上いたしました。
<健康食品事業>
機能性スパイス事業は、お客様の飲酒シーンの多様化や競合環境の激化の影響から「ウコンの力」の苦戦が続いており、低調な推移となりました。
ビタミン事業は、「C1000」シリーズは前年を下回りましたが、ゼリー飲料が牽引する「1日分のビタミン」が伸長し、事業全体で前年を上回りました。
また、当連結会計年度より当社グループ独自技術による「乳酸菌L-137」の本格的な事業展開を開始し、機能訴求および認知向上に努めております。
以上の結果、健康食品事業の売上高は252億69百万円、前年同期比1.8%の減収となりました。営業利益は、乳酸菌事業の本格展開を推進する一方でマーケティングコストのコントロールを徹底したことにより、19億10百万円、前年同期比37.8%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は7.6%となり、前年同期より2.2pt向上いたしました。
<海外食品事業>
米国豆腐事業は、健康志向の高まりを追い風に事業規模を拡大しておりますが、労務費や物流費の上昇影響から、増収減益となりました。
中国カレー事業は、日本式カレーの着実な認知向上を背景に、家庭用・業務用ともに伸長が続き、増収増益となりました。なお、当第3四半期連結会計期間より、中国第3の生産拠点となる浙江工場の稼働を開始しております。
タイにおける機能性飲料事業は、「C-vitt」の販売が引き続き好調であったことから増収増益となりました。以上の結果、海外食品事業の売上高は193億38百万円、前年同期比14.2%の増収、営業利益は27億31百万円、前年同期比21.2%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は14.1%となり、前年同期より0.8pt向上いたしました。
<外食事業>
㈱壱番屋は、売上面は堅調に推移いたしましたが、修繕費等の製造コストの上昇や人件費の負担増から営業減益となりました。㈱壱番屋国内店舗における直営店とフランチャイズ店を合算した売上状況は、全店ベースで前年同期比2.2%増、既存店ベースで同2.1%増となりました。なお、当第3四半期連結会計期間末における店舗数は、国内1,302店舗、海外165店舗となっております。
以上の結果、㈱壱番屋とその他外食子会社を含めた外食事業の売上高は388億31百万円、前年同期比0.5%の増収、営業利益は㈱壱番屋を連結対象子会社とした際に発生したのれんや無形固定資産の償却負担から3億72百万円の損失となり、前年同期からは2億54百万円の減益となりました。結果、売上高営業利益率は△1.0%となり、前年同期より0.7pt減少いたしました。
<その他食品関連事業>
運送・倉庫事業を営むハウス物流サービス㈱は、持続可能な食品物流の構築を目指す、食品企業による共同取組「F-LINE」の全国展開を見据え、引き続き事業最適化に取り組んでおります。
コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営む㈱デリカシェフは、人手不足に伴い労務費が増加傾向にあるなか、開発力強化と生産性改善に一層注力しております。
農産物・食品等の輸出入および販売を営む㈱ヴォークス・トレーディングは、基幹事業の収益力を強化するとともに、高品質原料のソリューション提案に取り組んでおります。
以上の結果、その他食品関連事業の売上高は466億54百万円、前年同期比0.8%の増収、営業利益は18億35百万円、前年同期比9.5%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は3.9%となり、前年同期より0.3pt向上いたしました。
(2)財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
総資産は、3,801億52百万円となり、前連結会計年度末に比べて12億88百万円の増加となりました。
流動資産は、有価証券や現金及び預金が減少した一方で、受取手形及び売掛金や商品及び製品が増加したことなどから、60億36百万円増加の1,472億81百万円となりました。固定資産は、機械装置及び運搬具や建物及び構築物が増加した一方で、投資有価証券やのれんが減少したことなどから、47億48百万円減少の2,328億71百万円となりました。
負債は、938億69百万円となり、前連結会計年度末に比べて12億76百万円の減少となりました。
流動負債は、未払法人税等や未払金が減少した一方で、支払手形及び買掛金が増加したことなどから、1億16百万円増加の567億64百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が減少したことなどから、13億92百万円減少の371億5百万円となりました。
純資産は、保有株式の時価評価によりその他有価証券評価差額金が減少したことや、為替換算調整勘定が減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて25億64百万円増加の2,862億83百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は66.9%(前連結会計年度末は66.5%)、1株当たり純資産は2,476円52銭(前連結会計年度末は2,450円71銭)となりました。
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
当社を取り巻く内外の経営環境は先行きに対する不透明感が強まりつつあるものの、当社の主要事業は概ね計画通りに推移しております。
また当社は、2019年3月期第4四半期連結会計期間において、投資有価証券の売却等による特別利益を計上する見込みであり、これらも踏まえて、2018年11月1日に公表いたしました2019年3月期通期連結業績予想を修正いたします。
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