ハウス食品グループ本社株式会社 平成29年3月期 第3四半期決算短信
1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間における経営環境は、国際経済の不確実性の高まりなどを背景に全体では先行き不透明感が強まりました。食品業界におきましては、国内市場の成熟化の進展に加え、消費マインドも一部に弱さがみられるなど、依然として予断を許さない状況が続いております。
このような環境下におきまして、当社グループは、前連結会計年度より開始した第五次中期計画の2年目を迎え、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をテーマに、国内事業の収益力強化と新規需要の創出、海外事業の成長加速に向けた施策を進めております。
売上面につきましては、香辛・調味加工食品事業、その他食品関連事業が好調に推移したことに加え、㈱壱番屋及び㈱ギャバンの新規連結効果が寄与したことで、為替の影響による海外関係会社の円換算額の減少を吸収した結果、第3四半期連結累計期間の売上高は2,144億14百万円、前年同期比21.6%の増収となりました。
利益面につきましては、増収効果に加え、コストコントロールを推進したことなどにより、営業利益は113億円、前年同期比18.4%の増益となりました。経常利益は122億60百万円、前年同期比13.3%の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期に㈱壱番屋の連結子会社化に伴う特別利益を計上いたしました影響から89億円、前年同期比61.6%の減益となりました。
セグメント別の業績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。
<香辛・調味加工食品事業>
当事業セグメントは、「食の外部化」などの事業を取り巻く環境変化に対し、「より健康、より上質、より簡便、より適量」にフォーカスした製品・サービスの提供を通じて、「既存領域の強化」および「新規領域の展開」に取り組んでおります。
ルウカレーは、天候不順や野菜価格高騰の影響を受ける中でも底堅く推移いたしました。レトルトカレーは主力の「カリー屋カレー」に加え、複数パックの「プロクオリティ」が牽引し、売上を伸ばしております。またスパイス製品、業務用製品も好調な推移となりました。
以上のほか、第2四半期連結会計期間より㈱ギャバンを連結業績に組み入れたこともあり、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,003億89百万円、前年同期比9.4%の増収、営業利益は81億33百万円、前年同期比26.5%の増益となりました。
<健康食品事業>
当事業セグメントは、主力製品の収益改善と成長に向けた仕込みに取り組んでおります。
「ウコンの力」は、お客様の飲酒シーンが多様化する中、ミドル・ライトユーザーの需要喚起に注力いたしましたが、シリーズ全体の売上は前年を下回りました。
ビタミン製品は、PET製品が低調な推移となったものの、育成に努める「1日分のビタミン」がお客様のご支持をいただき、全体では前年を上回る結果となりました。
以上の結果、健康食品事業の売上高は272億15百万円、前年同期比1.9%の減収となりました。利益面ではコストコントロールを徹底したことなどにより、営業利益は19億53百万円、前年同期比10.1%の増益となりました。
<海外食品事業>
当事業セグメントは、重点3エリア(米国・中国・東南アジア)における事業拡大のスピードアップと収益力強化に取り組んでおります。
米国事業は、健康志向の高まりを背景に豆腐製品やオーガニック製品が取扱いを拡大しているほか、豆腐関連製品を拡充し、新規顧客の獲得に努めております。
中国事業は、2018年秋頃を予定する第3工場の稼働を見据えた販売体制の再構築に取り組んでおり、着実に事業基盤を強化しております。
東南アジア事業は、タイにおける機能性飲料事業が取扱いを伸ばし、順調に推移しております。
なお、米国事業、中国事業とも円高による影響で円換算では減収となりましたが、現地通貨ベースでは増収となりました。また東南アジア事業は、前期が決算日の変更による9カ月の変則決算であった影響を受けております。
以上の結果、海外食品事業の売上高は131億76百万円、前年同期比7.3%の減収、営業利益は12億43百万円、前年同期比5.8%の増益となりました。
<外食事業>
当事業セグメントは、国内外でのカレーレストランの運営を通じて、カレーの世界をさらに広げるべく取り組んでおります。
㈱壱番屋は、既存店の売上強化を最重点課題としてQSC向上や利便性の向上を図るなど、店舗の魅力を高める様々な取組を行った結果、堅調に推移いたしました。
アジアレストラン事業は、特に中国において競合激化の影響を受ける中、個別店舗の採算性の向上に取り組んでおります。
以上の結果、外食事業の売上高は、㈱壱番屋の新規連結効果が大きく寄与し378億3百万円、前年同期比613.5%の増収となりました。利益面では㈱壱番屋のグループ化に伴うのれん等の償却負担もあり、1億58百万円の営業損失(前年同期は営業利益46百万円)となりました。
なお、平成27年12月に㈱壱番屋をグループに迎えて以降、両社の役割分担や経営資源の最適配分について検討を進めてまいりました結果、これまで当社国際事業本部主導で運営してまいりました中国、台湾におけるレストラン事業を㈱壱番屋主導の体制へ再編することを決定しております。
<その他食品関連事業>
当事業セグメント各社は、各機能の強化とグループ間シナジーの追求によるグループ総合力の向上に努めております。
運送・倉庫事業を営むハウス物流サービス㈱は、収益構造の改善に向けて、事業構造の見直しやコスト競争力の強化に取り組んでおります。
コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営む㈱デリカシェフは、総菜新工場稼働に伴う初期コストが解消したほか、生産能力増強と生産効率向上に努め、収益力を改善しております。
平成28年4月に㈱堀江大和屋を吸収合併した㈱ヴォークス・トレーディングは、経営資源の集約化、調達・販売力の強化に取り組んでおります。
以上の結果、その他食品関連事業の売上高は474億2百万円、前年同期比2.8%の増収、営業利益は7億88百万円、前年同期比430.0%の増益となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は、3,539億46百万円となり、前連結会計年度末に比べて45億20百万円の増加となりました。
流動資産は、㈱ギャバンを連結子会社化した影響等により受取手形及び売掛金や現金及び預金が増加したことなどから、168億91百万円増加の1,358億38百万円となりました。固定資産は、㈱ギャバンを連結子会社化した影響等により土地が増加した一方で、投資有価証券、のれんおよび長期預金が減少したことなどから、123億71百万円減少の2,181億9百万円となりました。
負債は908億45百万円となり、前連結会計年度末に比べて17億48百万円の増加となりました。
流動負債は、支払手形及び買掛金が増加したことなどから、26億76百万円増加の534億90百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が取崩により減少したことなどから、9億28百万円減少の373億56百万円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定が減少した一方、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて27億72百万円増加の2,631億1百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は65.4%(前連結会計年度末は65.5%)、1株当たり純資産は2,254円44銭(前連結会計年度末は2,231円86銭)となりました。
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
平成29年3月期の連結業績につきましては、平成28年10月31日発表の業績予想からの変更はありません。
2.サマリー情報(注記事項)に関する事項
(1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動
当社は、第1四半期連結会計期間において、㈱ギャバンの普通株式に対する公開買付けを通じて同社株式を取得いたしました。この結果、㈱ギャバンに対する当社の議決権所有割合は50%超となったため、第1四半期連結会計期間より、同社および同社の連結子会社であるギャバンスパイスマニュファクチャリング株式有限責任会社を連結の範囲に含めております。
また、第2四半期連結会計期間において、当社は㈱ギャバンの普通株式を追加取得し、完全子会社化いたしました。
なお、㈱ギャバンの資本金の額が当社の資本金の額の100分の10に相当する額以上であることから、同社は当社の特定子会社に該当いたします。
当連結子会社の取得日は平成28年6月30日であるため、当第3四半期連結累計期間においては平成28年7月1日から平成28年12月31日までの業績が含まれております。また、当第3四半期連結会計期間の属する連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える見込みです。当該影響の概要は、連結貸借対照表における総資産および総負債額の増加、連結損益及び包括利益計算書における売上高等の増加および連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フロー等の増減であります。
また、平成28年5月に設立した浙江ハウス食品㈲に対し、平成28年12月に増資を実施いたしました。この増資により同社の資本金の額が当社の資本金の額の100分の10に相当する額以上となったため、同社は当社の特定子会社に該当することとなりました。
さらに、平成28年4月に、㈱ヴォークス・トレーディングを存続会社、㈱堀江大和屋を消滅会社とする吸収合併を行いました。この結果、㈱堀江大和屋は消滅したため、連結の範囲から除外しております。
(2)四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用
税金費用の計算
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り、税金等調整前四半期純利益に当該見積実効税率を乗じて計算する方法を採用しております。
なお、「法人税、住民税及び事業税」および「法人税等調整額」を「法人税等」として一括掲記しております。
(3)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
(会計方針の変更)
法人税法の改正に伴い、「平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第32号平成28年6月17日)を第1四半期連結会計期間に適用し、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物に係る減価償却方法を定率法から定額法に変更しております。
なお、当第3四半期連結累計期間において、四半期連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
(4)追加情報
(連結子会社の社名の変更)
㈱ヴォークス・トレーディングインドネシアは、平成28年5月に㈱ハウス&ヴォークスインドネシアへと社名を変更いたしました。
(連結子会社の事業年度等に関する事項の変更)
当第3四半期連結累計期間において、連結子会社のうち、㈱壱番屋は、決算日を5月末日から2月末日へ、イチバンヤUSA Inc.、壱番屋国際香港㈲および壱番屋香港㈲は、決算日を3月末日から12月末日へ変更しております。
なお、当該変更による当第3四半期連結累計期間に与える影響はありません。
(表示方法の変更)
(レストラン経営にかかる表示方法の変更)
前連結会計年度より、一部の連結子会社において売上原価に計上していたレストラン経営にかかる店舗諸経費等について、販売費及び一般管理費に計上する方法に変更しております。
この変更は、㈱壱番屋グループを連結の範囲に含め、新たに外食事業セグメントを設けたことにより、グループの業績を統一した方法で管理し、営業活動の成果をより適切に表示するために行ったものであります。この表示方法の変更を反映させるため、前第3四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表の組替を行っております。
この結果、前第3四半期連結累計期間の四半期連結損益及び包括利益計算書の売上原価が3,300百万円減少し、売上総利益および販売費及び一般管理費が同額増加しておりますので、営業利益、経常利益および税金等調整前四半期純利益に与える影響はありません。
(四半期連結損益及び包括利益計算書関係)
前連結会計年度より、「営業外収益」の「その他」に含めていた「受取家賃」について、金額的重要性が増したため独立掲記することとしております。この表示方法の変更を反映させるため、前第3四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表の組替を行っております。
この結果、前第3四半期連結累計期間の四半期連結損益及び包括利益計算書において、「営業外収益」の「その他」に表示していた209百万円は、「受取家賃」1百万円、「その他」208百万円として組み替えております。
(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の適用)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号平成28年3月28日)を第1四半期連結会計期間から適用しております。
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