ハウス食品グループ本社株式会社 平成29年3月期 第1四半期決算短信
1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
当第1四半期連結累計期間における経営環境は、全体では緩やかな回復基調が続きましたものの、国際経済の不確実性の高まりや円高への懸念など不透明感を抱える推移となりました。食品業界におきましては、消費マインドの足踏みは継続しており、予断を許さない状況が続いております。
このような環境下におきまして、当社グループは、前連結会計年度より開始した第五次中期計画の2年目を迎え、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をテーマに、国内事業の収益力強化と新規需要の創出、海外事業の成長加速に向けた施策を進めております。その中で、平成28年6月には㈱ギャバンの株式を追加取得し、同社を連結子会社といたしました。
売上面につきましては、香辛・調味加工食品事業が前年同期を上回った他、㈱壱番屋の新規連結効果による影響が大きく、当第1四半期連結累計期間の売上高は662億84百万円、前年同期比24.5%の増収となりました。
利益面につきましては、国内事業を中心に収益力を向上させたことにより、営業利益は23億60百万円、前年同期比64.0%の増益となりました。経常利益は20億32百万円、前年同期比11.4%の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、㈱ギャバン株式の追加取得に伴う負ののれん発生益や段階取得に係る差益などの特別利益が大幅に増加したことなどから27億70百万円、前年同期比165.8%の増益となりました。
セグメント別の業績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。
<香辛・調味加工食品事業>
当事業セグメントは、「食の外部化」などの事業を取り巻く環境変化に対し、「より健康、より上質、より簡便、より適量」にフォーカスした製品・サービスの提供を通じて、「既存領域の強化」および「新規領域の展開」に取り組んでおります。
ルウ製品ではブランド価値の更なる向上に向けた取組を推進した他、レトルト製品ではお客様ニーズに対応した新製品の市場定着に注力いたしました。加えて、前年同期に価格改定に伴う一時的な需要の停滞があったこともあり、それぞれ順調な推移となりました。
以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は285億23百万円、前年同期比8.8%の増収、営業利益は13億95百万円、前年同期比151.7%の増益となりました。
<健康食品事業>
当事業セグメントは、コストコントロールの徹底による主力製品の収益改善と成長に向けた仕込みに取り組んでおります。
主力製品群のうち、「ウコンの力」はお客様の飲酒シーンが多様化する中、チャネル別、エリア別戦略に基づく接点強化に取り組んでおります。同時に、収益基盤の強化に向けて「1日分のビタミン」の育成に努めました。
以上の結果、健康食品事業の売上高は89億26百万円、前年同期比3.4%の減収、営業利益は5億67百万円、前年同期比25.0%の増益となりました。
<海外食品事業>
当事業セグメントは、重点3エリア(米国・中国・東南アジア)における事業拡大のスピードアップと収益力強化に取り組んでおります。
米国事業は既存製品がアジア系、米系市場でともに取扱いを拡大、高付加価値製品も支持を高めました。同時に生産効率改善やコストダウンも寄与し、前年同期と比較すると円高による影響で減収となりましたが、現地通貨ベースでは増収増益となりました。
中国事業は、引き続き家庭用・業務用の両面から力強い成長を続け、増収増益となりました。
東南アジア事業は、タイにおける機能性飲料事業が好調に推移しております。
以上の結果、海外食品事業の売上高は47億77百万円、前年同期比10.4%の増収、営業利益は6億7百万円、前年同期比35.9%の増益となりました。
<外食事業>
当事業セグメントは、国内外でのカレーレストランの運営を通じて、カレーの世界をさらに広げるべく取り組んでおります。
平成27年12月より連結に組み入れた㈱壱番屋は、既存店の売上強化を最重点課題としてQSC向上や店舗魅力の向上に向けた様々な取組を行い、好調に推移いたしました。
以上の結果、外食事業の売上高は、㈱壱番屋の新規連結効果が大きく寄与し129億82百万円、前年同期比633.4%の増収となりました。利益面ではのれん等の償却負担もあり、1億12百万円の営業損失(前年同期は営業損失11百万円)となりました。
<その他食品関連事業>
当事業セグメントは、各機能の強化とグループ間シナジーの追求によるグループ総合力の向上に努めております。
運送・倉庫事業を営むハウス物流サービス㈱は、前期に引き続いて事業構造の見直しや抜本的コストダウン活動の推進など、収益構造の強化に向けた取組を推進しております。
コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営む㈱デリカシェフは、人員の最適配置、生産性の改善に向けた取組が奏功し、収益力を改善しております。
平成28年4月に㈱堀江大和屋を吸収合併した㈱ヴォークス・トレーディングは、経営資源の集約化、調達・販売力の強化に取り組み、堅調に推移しております。
以上の結果、その他食品関連事業の売上高は147億44百万円、前年同期比0.8%の増収、営業利益は2億1百万円(前年同期は営業損失1億円)となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第1四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は、3,468億51百万円となり、前連結会計年度末に比べて25億76百万円の減少となりました。
流動資産は、㈱ギャバンを連結子会社化した影響等により商品及び製品が増加したことなどから、40億49百万円増加の1,229億96百万円となりました。固定資産は、㈱ギャバンを連結子会社化した影響等により土地や建物及び構築物が増加した一方で、投資有価証券や長期預金が減少したことなどから、66億24百万円減少の2,238億56百万円となりました。
負債は880億27百万円となり、前連結会計年度末に比べて10億70百万円の減少となりました。
流動負債は、未払金が減少した一方で、支払手形及び買掛金が増加したことなどから、4億24百万円増加の512億38百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が取崩により減少したことなどから、14億95百万円減少の367億89百万円となりました。
純資産は、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により増加した一方、保有する投資有価証券の時価下降によりその他有価証券評価差額金が減少したことや、為替換算調整勘定が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べて15億5百万円減少の2,588億24百万円となりました。
この結果、当第1四半期連結会計期間末の自己資本比率は65.5%(前連結会計年度末は65.5%)、1株当たり純資産は2,211円12銭(前連結会計年度末は2,231円86銭)となりました。
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
平成29年3月期の連結業績につきましては、平成28年6月24日発表の業績予想からの変更はありません。
2.サマリー情報(注記事項)に関する事項
(1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動
当社は、当第1四半期連結会計期間において、㈱ギャバンの普通株式に対する公開買付けを通じて同社株式を取得いたしました。この結果、㈱ギャバンに対する当社の議決権所有割合は50%超となったため、当第1四半期連結会計期間より、同社および同社の連結子会社であるギャバンスパイスマニュファクチャリング株式有限責任会社を連結の範囲に含めております。
なお、㈱ギャバンの資本金の額が当社の資本金の額の100分の10に相当する額以上であることから、同社は当社の特定子会社に該当いたします。
当連結子会社の四半期会計期間の末日は6月30日であり、当第1四半期連結決算日と一致しているため、当第1四半期連結累計期間においては貸借対照表のみを連結しております。
また、当第1四半期連結会計期間の属する連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える見込みです。当該影響の概要は、連結貸借対照表における総資産および総負債額の増加、連結損益及び包括利益計算書における売上高等の増加であります。
詳細は、P13「3.四半期連結財務諸表(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
また、平成28年4月に、㈱ヴォークス・トレーディングを存続会社、㈱堀江大和屋を消滅会社とする吸収合併を行いました。この結果、㈱堀江大和屋は消滅したため、連結の範囲から除外しております。
(2)四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用
税金費用の計算
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り、税金等調整前四半期純利益に当該見積実効税率を乗じて計算する方法を採用しております。
なお、「法人税、住民税及び事業税」及び「法人税等調整額」を「法人税等」として一括掲記しております。
(3)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
(会計方針の変更)
法人税法の改正に伴い、「平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第32号平成28年6月17日)を当第1四半期連結会計期間に適用し、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物に係る減価償却方法を定率法から定額法に変更しております。
なお、当第1四半期連結累計期間において、四半期連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
(4)追加情報
(連結子会社の社名の変更)
㈱ヴォークス・トレーディングインドネシアは、平成28年5月に㈱ハウス&ヴォークスインドネシアへと社名を変更いたしました。
(表示方法の変更)
(レストラン経営にかかる表示方法の変更)
前連結会計年度より、一部の連結子会社において売上原価に計上していたレストラン経営にかかる店舗諸経費等について、販売費及び一般管理費に計上する方法に変更しております。
この変更は、㈱壱番屋グループを連結の範囲に含め、新たに外食事業セグメントを設けたことにより、グループの業績を統一した方法で管理し、営業活動の成果をより適切に表示するために行ったものであります。この表示方法の変更を反映させるため、前第1四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表の組替を行っております。
この結果、前第1四半期連結累計期間の四半期連結損益及び包括利益計算書の売上原価が1,128百万円減少し、売上総利益および販売費及び一般管理費が同額増加しておりますので、営業利益、経常利益および税金等調整前四半期純利益に与える影響はありません。
(四半期連結損益及び包括利益計算書関係)
前連結会計年度より、「営業外収益」の「その他」に含めていた「受取家賃」について、金額的重要性が増したため独立掲記することとしております。この表示方法の変更を反映させるため、前第1四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表の組替を行っております。
この結果、前第1四半期連結累計期間の四半期連結損益及び包括利益計算書において、「営業外収益」の「その他」に表示していた64百万円は、「受取家賃」0百万円、「その他」64百万円として組み替えております。
(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の適用)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号平成28年3月28日)を当第1四半期連結会計期間から適用しております。
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