ハウス食品株式会社 平成25年3月期 第3四半期決算短信
1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)連結経営成績に関する定性的情報
当第3四半期連結累計期間における経営環境は、新政権への政策期待などにより円高修正が見られるものの、欧州債務危機や中国をはじめとする新興国の経済減速懸念など全般的な景気動向は足踏み状態が続いております。加えて内需型の食品業界においては、デフレ環境が継続しており、予断を許さない経営環境となっております。
このような状況のもと、当社グループは、当連結会計年度より第四次中期計画を開始し、各事業における成長戦略の実現に向けた取組を進めております。
売上面では、コア事業である香辛・調味加工食品事業、健康食品事業が、家庭内調理におけるお客さまの食生活パターンの変化のほか、メニュー間競合や価格競争の激化、震災特需の反動などの影響を受けたことから厳しい状況となっております。下期に入り、積極的なマーケティング活動を展開し、市場活性化に努めたことなどから、一部の製品に持ち直しの傾向が見られたものの、前年同期実績を下回りました。一方、コア育成事業の海外事業は、進出各国において事業拡大が進み、好調に推移しております。
以上により、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,619億43百万円と前年同期比3.2%の減収となりました。
利益面では、海外事業が順調に利益拡大できましたものの、国内コア事業における減収の影響などを受け、営業利益は102億25百万円、前年同期比22.9%の減益、経常利益は114億73百万円、前年同期比18.0%の減益、四半期純利益は71億16百万円、前年同期比11.8%の減益となりました。
セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。
<香辛・調味加工食品事業>
ルウカレー製品、レトルトカレー製品は、震災特需の反動、メニュー間競争、低価格化の影響などにより、全体では軟調に推移いたしました。また、「ザ・ホテル・カレー」「釜玉すぱ」は、テレビコマーシャルを投入するなど、市場定着に向けた取組を推進しております。スパイス製品は、昨年発売の「のっけてジュレ」が売上一巡し低調に推移したものの、新たな需要を創造した「トーストシーズニング」が引き続き大きなご支持をいただいたことにより、前年実績を確保いたしました。
ルウシチュー製品は、厳しい残暑による立ち上がりの遅れはありましたものの、“一緒だと、あったかいね。”キャンペーンなどの積極的なマーケティング展開や、新製品「コクの贅沢シチュー」発売により、売上は前年並みに回復しております。
以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は959億29百万円、前年同期比4.3%の減収となりました。一方利益面では、主力製品群の苦戦や販売促進費の増加などから、営業利益は68億47百万円、前年同期比25.1%の減益となりました。
<健康食品事業>
健康食品事業は、「ウコンの力」シリーズにおいて、「ウコンの力クール」の販売チャネルを拡大し、飲用シーンの多様化に努めましたが、お客さまのお酒への接し方の変化や競合製品との販売競争の影響を受けたことに加え、「C1000」シリーズが震災後の需要増の反動を受けたことなどにより、全体では苦戦を強いられました。一方、育成ブランドとして注力している「メガシャキ」は、テレビコマーシャルの効果もあり、購買層の広がりが見られたことなどから、売上を伸長することができました。
以上の結果、健康食品事業の売上高は346億58百万円、前年同期比8.0%の減収となりました。一方利益面では、主力ブランドにおける減収が影響し、営業利益は19億67百万円、前年同期比27.1%の減益となりました。
<海外事業>
第四次中期計画においては、海外事業をコア育成事業と位置付け、3つのエリア(米国・中国・東南アジア)ごとに独立した事業推進体制を整備し、事業展開をより加速させるべく取組を進めております。
米国エリアの豆腐事業は、引き続き新規取扱い店舗が増加したことなどにより、増収増益となりました。
中国エリアのカレー事業は、尖閣諸島国有化に端を発した日中関係悪化により、営業活動を抑制した時期があったものの、継続的な販売促進活動による日本式カレーの認知拡大が図れましたほか、引き続きコストダウンに努めましたことや、原材料価格、労務費などの高騰に対応した価格改定を実施したことにより、増収増益となりました。
東南アジアエリアでは、タイにおいて、前年7月に機能性飲料製品を新発売し、販路拡大に取り組んでおります。また、ベトナムにおいては、今春の事業開始に向け、加工食品製造工場の建設が順調に進んでおります。
カレーレストラン事業は、中国・台湾・韓国エリアを中心に店舗拡大が進み、引き続き売上、利益とも拡大いたしました。
以上の結果、海外事業の売上高は98億72百万円、前年同期比14.2%の増収、営業利益は7億5百万円、前年同期比32.3%の増益となりました。
<運送事業他>
グループ会社ハウス物流サービス㈱の運送・倉庫事業は、グループ外企業の物流業務の受託拡大が進み、増収となりましたが、コスト上昇の影響などから減益となりました。一方、コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営むグループ会社㈱デリカシェフは、デザート、総菜類が好調に推移しましたほか、ロス削減活動により材料費率が低下しましたことなどから増収増益を確保いたしました。
以上の結果、運送事業他の売上高は214億84百万円、前年同期比3.4%の増収、営業利益は7億1百万円、前年同期比22.7%の減益となりました。
(2)連結財政状態に関する定性的情報
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は2,410億12百万円となり、前連結会計年度末に比べて9億20百万円の増加となりました。
流動資産は、有価証券が譲渡性預金や債券等の満期により減少した一方、受取手形及び売掛金、現金及び預金が増加したことなどから、36億70百万円増加の1,138億35百万円となりました。固定資産は、海外における工場建設等により建設仮勘定が増加したことや、債券の取得等により投資有価証券が増加した一方、長期預金や前払年金費用が減少したことなどから、27億50百万円減少の1,271億77百万円となりました。
負債は490億2百万円となり、前連結会計年度末に比べて18億48百万円の減少となりました。
流動負債は、未払金や未払法人税等が減少したことなどから、17億76百万円減少の393億31百万円となりました。固定負債は、長期未払金が増加した一方、退職給付引当金が減少したことなどから、72百万円減少の96億71百万円となりました。
純資産は、四半期純利益により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて27億68百万円増加の1,920億10百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は79.4%(前連結会計年度末は78.6%)、1株当たり純資産は1,810円23銭(前連結会計年度末は1,768円27銭)となりました。
(3)連結業績予想に関する定性的情報
平成25年3月期の連結業績につきましては、平成24年10月31日発表の業績予想からの変更はありません。
2.サマリー情報(注記事項)に関する事項
(1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動
該当事項はありません。
(2)四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用
税金費用の計算
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り、税金等調整前四半期純利益に当該見積実効税率を乗じて計算する方法を採用しております。
なお、「法人税、住民税及び事業税」及び「法人税等調整額」を「法人税等」として一括掲記しております。
(3)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更
当社および国内連結子会社は、法人税法の改正に伴い、第1四半期連結会計期間より、平成24年4月1日以後に取得した有形固定資産については、改正後の法人税法に基づく減価償却の方法に変更しております。
これによる当第3四半期連結累計期間の損益に与える影響は軽微であります。
Adobe Readerのダウンロード
- PDFファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社が配布しているAdobe Reader(無償)が必要です。
Adobe Readerをダウンロードする