2023年10月27日(金)

今年の秋冬に一度は食べて欲しい
知る人ぞ知る「サバサラ」が流行の予感!
(連載1/3)

こんにちは!フードコーディネーター&ライターの浅子百合です。
突然ですが、みなさん「サバサラ」って、ご存知ですか?
写真を見て察しがつく方も多いと思いますが、サバ缶に生の玉ねぎがたっぷりのっていて、それをガッツリと混ぜ合わせていただきます。
とってもシンプルな料理なのですが、その分、サバ缶と玉ねぎの味がダイレクトに伝わってきて、お酒好きな私には、ぴったりのおつまみです!
今回は、フードコーディネーターとして、このおいしい「サバサラ」をリポートします!

札幌の中心街にある人気居酒屋「せいす」の姉妹店「立ちっぱ酒 せいすスタンド」というお店で、「サバサラ」が食べられると聞いてお邪魔してみると、なんともかわいらしい店長の伊豆倉さんが笑顔で出迎えてくれました。
「『サバサラ』は、店の人気メニューのひとつで、せいすスタンドといえば『サバサラ』というくらいの、うちの人気メニューです。常連さんから観光で訪れた方まで、たくさんの方がオーダーされるメニューなんですよ。『同僚や友だちに「サバサラ」を紹介したくてきました!』と言ってくださる常連さんも多いんです」と教えてくれました。

統括店長の伊豆倉純香さん

立ちっぱ酒 せいすスタンド 統括店長の伊豆倉純香さん。最高の笑顔でお客さんを迎えてくれる

早速、私も注文してみてびっくり!サバ缶がそのままお皿の上にのっていて、ダイス状にカットした生玉ねぎが、たっぷり盛られています。どうやって食べるのかというと、サバ缶を皿の上でひっくり返し、中のサバの水煮をすべて出して、玉ねぎと一緒に食べるとのこと。たっぷりのマヨネーズと、上にかけられた白ごまととうがらし、ごま油に、にんにく、しょうが、ねぎが和えてあるタレを豪快に混ぜて完了。

そのままパクリ、と食べて、さらにびっくり!ごま油の風味でサバの味わいが引き立てられていて、それがマヨネーズとあいまって、おいしさがあふれ出てきます。あれ?玉ねぎがこんなに入っているのに全然辛くないし、むしろ甘みすら感じるほど・・・なぜ?と不思議に思っている私に、「これ、スマイルボールという玉ねぎで、秋から冬の間しか食べられない貴重な品種なんですよ!」と、店長の伊豆倉さんが秘密を教えてくれたのです。

このお料理にもびっくりしたけれど、初めて出合う玉ねぎの味わいに、さらに驚きです。
私の「サバサラ」との出合いは、イコール、スマイルボールとの出合いでもあったんです!辛みがなく、むしろ甘みを感じるほどの味わいで、シャキッとしていてみずみずしい。まさに、スマイルボールにひとめぼれです。

具材とマヨネーズ、タレをしっかり混ぜるのがおいしさのコツ

ここで私のフードコーディネーターとしての好奇心が、ムクムクと湧き上がったんです。せいすスタンドさんをはじめ、こちらの姉妹店すべての料理を取り仕切っている会社の取締役であり、総料理長でもある和田さんに、「サバサラ」についてお話を伺いに行きました。
「私も、最初にオーナーから『サバサラ』という料理を提供するよう言われて、どうやってオリジナリティを出すか、いろいろと試行錯誤しました。調べてみると、元から『サバサラ』という料理は存在していて、サバ缶と玉ねぎにマヨネーズを和えるとあったのですが、私はそこに香ばしさを出したかったので、ごま油やにんにくでアクセントをつけました」とのこと。

取締役/総料理長の和田保紀さん

せいすグループの味を一手に引き受ける取締役/総料理長の和田保紀さん。せいすスタンドの姉妹店舗・愛とへいわで腕を振るう

たしかに「サバサラ」は、新潟県三条市の居酒屋さんで生まれたらしいとのことで、そこから徐々に全国に広まり、レシピサイトにもいろいろと紹介されるようになっていました。
「札幌の居酒屋さんでも、『サバサラ』をメニューとして提供する店が増えてきていますよ」と和田さん。こんなおいしいレシピなら、流行るのもうなずけます。和田さんが教えてくれたことはもうひとつ・・・。
「札幌で『サバサラ』人気を後押ししたのは、このおいしい玉ねぎ、スマイルボールの影響も大きいと思いますよ。私は、スマイルボールは、『サバサラ』のためにあるようなものだと思っていますから。だからこそ、秋から冬にかけてしか出回っていないのが残念です。スマイルボールは、切ってから水にさらすことなく、そのままのせるだけで辛みがほぼないですが、ほかの玉ねぎで『サバサラ』を作ろうとすると、切ってから水にさらし、酢水に浸けて洗って、さらにもう一度水にさらして辛みを抜いていますから」と。
私自身、こんなに食べやすい玉ねぎに出合ったのは初めてで、何より水にさらすことなく切ってそのまま食べても、こんなに辛みを感じないなんて、まさにミラクル!

そんな、「せいす版サバサラ」を作り上げた和田さんに、無理を承知でお願いしました。「スマイルボールを使って、ぜひ和田さんの創作料理をお願いします!」。最初は戸惑った様子の和田さんでしたが、すぐに快く引き受けてくださり、「カリッと焼き上げた豚肉と干し海老のせスマイルボール」(私が勝手に名付けました(笑))を即興で作ってもらいました。たっぷりのオリーブオイルに、カリッと焼き上げた豚肉と、干し海老の香ばしさがたまりません。1個を8等分しただけのスマイルボールをそのままパクリと食べても、全然辛くない!おいしくひと皿いただきました!

和田さんがスマイルボールを使って作ってくれた創作料理「カリッと焼き上げた豚肉と干し海老のせスマイルボール」

恐るべし、このスマイルボール。私もお土産に購入して帰って、「サバサラ」に挑戦してみたくなりました。レシピサイトにも、いろいろ工夫したオリジナルの「サバサラ」がたくさんあるので、参考にしながら作ってみたい!ひそかに、この「サバサラ」って隠れブームなのでは?なんて思いながら、北海道を後にしたのでした。
次回は、スマイルボールを使っておうちで作った「サバサラ」を、紹介したいと思います!

立ちっぱ酒 せいすスタンド

【サバサラが食べられるのはこちら!】

立ちっぱ酒 せいすスタンド

住所:北海道札幌市中央区南三条西 1-2-1 1F

TEL:011-206-8885

愛とへいわ

【せいす姉妹店 総料理長・和田さんが腕を振るうお店】

愛とへいわ

住所:北海道札幌市中央区南二条西 7-5-5 アルキ&アリエビル 1F

TEL:011-215-1279

酒と銀シャリ せいす

【せいすの人気居酒屋】

酒と銀シャリ せいす

住所:北海道札幌市中央区南二条西 6 住友狸小路プラザハウス 1F

TEL:011-215-0193

浅子百合さん

浅子百合(あさこゆり)

フードコーディネーター、編集プロダクション・株式会社クレッシェント代表取締役。
旅行会社、広告代理店、編集プロダクションを経て、起業。『ことりっぷ』『栄養と料理』などの企画、編集、ライティングを行う。最近ではスパイスカレー、手作りベーコンで日本・台湾においてイベント出店も行っている。

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