ハウス食品グループでは、事業を展開するすべての国・地域、及びお取引先様と協働するサプライチェーン全体において、雇用や人事に関し、出生、国籍、民族、人種、信条、宗教、性別、性的指向、年齢、社会的身分、思想、趣味、学歴、障がい等を理由とする違法な差別的取り扱いをせず、多様性を尊重する企業を目指し、あらゆる取り組みを行っております。
ハウス食品グループでは2016年「ダイバーシティの実現」を掲げ、「性別を問わず社員一人ひとりが活躍できる会社」を目指し、取り組みをスタートしました。
意思決定や企業活動、働き方の中に多様性を入れることで、組織変革、生産性向上を進め、新たな需要を掘り起こし、様々なステークホルダーのニーズに応え企業価値向上につなげる。-グループ理念の実現-人が成長し、職場がより良くなり、組織が強くなり、様々な新しい価値を世の中に生み出す。
社員一人ひとりの、多様性を伴う個性・能力を活かし、多彩な人材を適材適所に配置。
ダイバーシティへの取り組みは経営戦略
取り組みを通し社員の意識を変え企業風土を築く。
女性社員が抱える様々な制約や障害を解消し、活躍できる環境を整える。女性活躍推進はスタートライン。
「女性活躍推進」は目的ではなく、「ダイバーシティの実現」そしてその先にある“個人の成長・豊かな生活”“グループの成長・共創による新価値創出”を導くための経営戦略と位置付けています。
2016年にダイバーシティ推進、女性活躍推進の専任部隊としてハウス食品グループ本社に人材活躍推進課を設置、さらに2018年よりダイバーシティ推進部として独立、国内グループ企業の「女性活躍推進や多様性を活かすための人材育成・組織開発」、「働きがい変革」を進めており、女性活躍や働き方に対する課題把握、目標設定や現在の姿とのギャップ、To doを設定し、トップとコミュニケーションしながらPDCAを回しています。
◆想い
多様な人材が活かし活かされ共に働くこと、多様性を確保し、それを受容できる組織でありたい。
社員の多様性・ダイバーシティは組織力・競争力の源泉。互いの個性や能力を認めあい多様性を活かす職場でありたい。
そして、多様性を組織の強みに変えて、変革の推進力・経営課題の解決推進力にしていく。
女性社員は、これまでの社会環境や組織の在り方、ライフイベント等により、時間的制約を受け、キャリアを阻まれることが多い。これまで活躍の機会が少なかった女性社員が抱える課題は顕在化。
女性社員が活躍できる環境を整え、一人ひとりが仕事経験を通して、自分のキャリアへの自信が持てるように。
女性社員が自分のキャリアを考え・描き具体的な一歩が踏み出せるよう支援。
マネージャーが部下一人ひとりに向き合い、部下の能力が最大限発揮できるよう支援。
そして、選択肢のひとつとして、意思決定の場に女性管理職がいることは当たり前の会社に。
2016年から2018年の3年間実施、外部識者をゲストに迎え、外部会場にて取締役ほか経営トップス・部次課⻑・女性社員、各回約150名が会し開催。「ダイバーシティへの取り組み」をグループの取り組みとして全員参加で進めるために、社員が職種や職場を超えて対話を重ね、お互いの思いや課題、職場での取り組みを共有する機会を設けています。
社長自らがダイバーシティへの取り組みに対する思いを発信することで、参加者全員に『多様な人材を適材適所に配置することでイノベーションを起こし、経営上の成果につなげる』ことが一過性のものではなく本質的で、重要な経営課題であることが共有され、職場での具体的行動への後押しとなっています。
年齢や性別、国籍などの属性によらない、意欲や能力に応じた評価と登用を推進したことで、多様な個性を持つ社員の活躍の場が広がっています。
なかでも女性管理職比率は国内グループで11.3%まで上昇し、グループ全体では17.9%となっております。
国内 | 海外 | 合計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総計 | 女性 | 割合 | 総計 | 女性 | 割合 | 総計 | 女性 | 割合 | |
2019年度 | 716 | 62 | 8.7% | 173 | 69 | 39.9% | 889 | 131 | 14.7% |
2020年度 | 738 | 76 | 10.3% | 244 | 97 | 39.8% | 982 | 173 | 17.6% |
2021年度 | 752 | 84 | 11.2% | 247 | 98 | 39.7% | 999 | 182 | 18.2% |
2022年度 | 808 | 91 | 11.3% | 286 | 105 | 36.7% | 1094 | 196 | 17.9% |
2023年度 | 858 | 105 | 12.2% | 302 | 112 | 37.1% | 1160 | 217 | 18.7% |
女性社員のキャリア開発や成長を支援するため、女性メンバーとその上司がペアで参加頂く学習会を実施。(現在は女性メンバーに限定せず性別を問わず参加対象)。チームづくりを通じて上司はメンバーのキャリア形成を、メンバーはリーダーシップを学習。
2016年度から2023年度の8年累計で106組212名が参加しています。
◆参加者の声
「今、自分の組織で自分に何ができるか、どう貢献していくか」に本気で向き合った時に、はじめて自分のありたい姿や目指す姿が浮かび上がってくる。自らの深いインサイトに向き合い、まさに自分の行動を変えることができました。
育児休業を取得する本人、上司管理職、人材部門とで面談実施(休業前・復帰前)。女性だけでなく男性も対象とし、今後のキャリアも含め、育休からのスムーズな職場復帰を支援。2016年度から2023年度の8年累計で291名(第一子、第二子それぞれ、産休前・復帰前・復帰後それぞれ1回ずつカウント、男女合計)が参加しています。
◆参加者の声
復帰にあたっての不安や家庭状況を、復帰前に上司に伝えることができ、また復帰後の期待を上司から直接聞くことができることで安心して復帰できた。上司の理解が深まり制度を活用しやすい。
2017年に開始し、同業他社の様々な職種の中堅女性が集まり「自らのキャリアを考える」をテーマとした学習会を自主企画・運営を行っております。2024年度からはテーマを「ダイバーシティ・インクルージョン」に変更。参加者も女性メンバーに限定せず参加できるようになりました。
他社との協働を通して、多様性を理解し、受容し、活かしていく考え方(ダイバーシティ・インクルージョン)を深く学ぶと共に、課題形成力、主体性、影響力の発揮、社内外含めてネットワーク形成に繋がっています。2016年度から2023年度の8年累計で73名が参加しています。
◆参加者の声
グループ内外の様々な企業と交流できたことは非常に良い経験となり、色々な方々のキャリアや経験、向き合い方を知ることで、自分らしいキャリアについて考えることができました。他者との交流の中で得た知恵や経験がキャリアに対する不安を自信に変えてくれました。
女性社員一人ひとりの成長度合いや適性、現状課題をそれぞれの管轄役員、各部門長と人材部門が共有しつつ、具体的に確実な育成アクションに結びつけるため、一人ひとりの育成計画を協議、成長機会を後押ししています。
当プログラムは2021年にスタートし、2024年3月時点でハウス食品グループ本社とハウス食品に勤務する女性社員計237名が対象となっています。女性職責者の登用も含め、一人ひとりの能力の可視化が進み、さらなる能力開花、活躍機会の拡大に寄与しています。
誰もが働きやすい職場づくりに向けて、テレワーク、月間計画勤務制度(フレックス勤務)などワークスタイルの変革を進めるとともに、女性のライフイベントに対して復帰支援、男性の育児休業取得促進などを推進してきました。チャレンジや成長促進に資する取り組みも進めています。
各施策に女性参加比率目標を設定し、成長機会提供の後押しをしています。
これらの施策・アクションにより、「女性は育児との両立が大変だから」というマネジメント側のバイアス、「私には無理」という女性社員側のバイアスが解消しつつあり、一人ひとりを見たマネジメントと、女性のチャレンジや成長促進に寄与しています。
女性活躍推進はダイバーシティのスタートラインではありますが、ダイバーシティの実現に資する様々な人材育成や組織開発、ワークスタイル変革の取り組みを行っていくことで、意識面の変化も見られ、男性中心で同質性の高い当グループに多様性と対話する風土、チャレンジする風土が生まれてきました。まだ多くはないですが、女性の管理職も増加する中でコミュニケーションを強化したマネジメントスタイルも見られ、男女共に新たな刺激を得られるケースも出てきております。
社内のグループ横断新規事業創出支援プログラム(GRIT)においても、女性のエントリー者は多く、多様な視点の事業開発も進む環境となってきました。
ハウス食品グループでは、障がい者の職業生活における能力発揮・自己実現の場を安定的に供給することを目指しております。2021年3月より民間企業における法定雇用率は2.3%となっており、今後、2024年から2.6%、2026年には2.7%まで引き上げられる予定ですが、ハウス食品グループの雇用率は2023年6月1日時点で、2.86%となっております。引き上げ後の水準は達成しているものの、引き続き、法定雇用率を上回ることは最低水準として、障がい者雇用に取り組んでいきます。
2009年12月には、グループ全体における障がい者安定雇用の更なる推進を目的にハウスあいファクトリー株式会社を設立し、2010年4月に特例子会社の認定および関係会社適用認定を受けました。
2012年度には、ハウス食品グループにおける取り組みを評価いただき、障害者雇用優良事業所等全国表彰を受賞しました。また2019年より本社部門でも本格的に障がい者の採用を進めております。今後100人以上規模の事業所において、順次、障がい者が輝ける職場の拡大を推進していきます。今後も、ハウス食品グループとして企業の社会的責任を果たすべく、障がい者の職業生活における能力発揮・自己実現の場を提供し、安定的に就業していただける体制を目指していきます。
データは、毎年6/1時点のものです
グループ適用により8社合算(ハウス食品グループ本社(株)、ハウス食品(株)、サンハウス食品(株)、ハウス物流サービス(株)、(株)デリカシェフ、ハウスウェルネスフーズ(株)、ヴォークス・トレーディング(株)、ハウスあいファクトリー(株))にて算定
他の特例子会社では、本社などで使用する印刷物の制作や清掃作業など、本業とは離れた運営サポート的な業務を行うケースが多い中で、「ハウスあいファクトリー」は、障がいのある社員にもスパイス製品の生産というハウス食品グループの本業を担ってもらうことにこだわりました。障がい者用に特別に配慮した業務をあえて作って雇用することだけが企業の社会的責任ではなく、たとえ身体に障がいがあっても、同じ業務を分かち合い、同じ社会人として自立した生活を支援するのが私たちの望みであり、それが社会貢献につながるのだと考えたからです。今後も障がい者と健常者が一体となって、より高い品質の製品を作る生産体制を模索していきたいと考えています。
同社では、社員の心身の健康への取り組みが評価され、2017年2月、経済産業省・日本健康会議が主催する「健康経営優良法人認定制度」第一回発表会から7年連続で「健康経営優良法人」に認定され、2021年~2022年には、中小規模法人部門の認定7934法人の上位500社に与えられる「ブライト500」に選出されました。
2019年には、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善している企業として、特例子会社では初となる「安全衛生優良企業」の認定を受けております。
2001年度より定年退職者の雇用延長制度を導入しており、2013年度からは、希望する全定年到達者を65歳まで再雇用することとし、社員のニーズに応えています。
ハウス食品では、幅広い仕事経験で培った専門性と創造性を発揮し、組織貢献に向けた活躍を期待する「シニアクリエイター」、積み上げてきた仕事経験による専門性を特定技能において発揮し、組織貢献に向けた活躍を期待する「シニアエキスパート」の2区分を設けています。また、雇用延長を希望しない社員は、外部の支援会社を通じて、再就職の斡旋や、都会を離れた田舎暮らしの支援を受ける「セカンドライフ支援サービス」が利用でき、個人の価値観に応じたライフスタイルの確立を支援しています。
また、2023年度より65歳から70歳までの就労機会として「シニアパートナー社員制度」を導入し、高齢者雇用への更なる取り組みを進めています。
中核事業会社であるハウス食品では、現在10名の外国籍社員が活躍しております。また、従来より実施して参りました留学生採用に加え、2014年度より海外の大学からの直接採用も開始しております。
さらに海外現地法人においても、より現地に密着した事業展開を行い、現地社会に貢献するため、幹部社員の確保と育成を強化しております。
ハウス食品では、2013年4月より、「社会環境の変化及び、労働関連法令の変更に対応し、より明確でわかりやすい雇用形態の運用を行うこと」を目的に、新たな社員区分として、「パートナー社員制度」を導入しました。パートナー社員は、能力開発による継続した成長と安定的な貢献が期待される、主に定型業務を行うエリア限定の直接雇用社員で、約200名が活躍しています。
2016年10月には定期昇給制度の導入、評価制度の改定を実施。原則、契約期間が5年を経過したパートナー社員は全員、有期雇用契約から無期への転換を行っています。
社員の育児・介護休業等により一時的な欠員が生じた場合や、特定の専門能力を一定期間必要とする場合などに限り、期間限定の契約を結んで業務を行って頂いております。派遣社員の就労にあたっては、労働者派遣法や派遣先の講ずべき措置に関する指針、その他の法令に基づき、派遣会社との契約書の締結や台帳の作成・管理、管理責任者の設置などを行っています。
※本ページの掲載内容は特に断りがない限りハウス食品株式会社の取り組みです。