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経営方針

1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、次の3要素をグループ理念体系と位置づけております。グループ理念体系により、めざす方向性を明確にし、一貫性をもった事業活動による成長を図っております。

『創業理念』
日本中の家庭が幸福であり、そこにはいつも温かい家庭の味ハウスがある。幸せな家庭のマーク

『グループ理念』
食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。

『ハウスの意(こころ)
社是(「誠意・創意・熱意を持とう。」)・ハウス十論で構成

(2)経営環境

 国内では、市場の成熟化や世帯構成の変化などを背景に食の外部化が大きく進展すると共に、総人口や生産年齢人口の減少などにより雇用・労働環境が大きな変化を迎えております。一方、海外では、健康志向が高まる米国や市場ポテンシャルの大きい中国やアセアンなど、市場のさらなる成長が見込まれます。同時に、二酸化炭素や廃棄物の削減をはじめとした地球環境問題などの、グローバルな社会課題の解決に向けた取組への要請が強まっております。
 さらに、足元では、貿易摩擦や、国際的に広がりを見せる新型コロナウイルスの社会生活や経済に与える影響などにも引き続き注視する必要があります。

 このような経営環境へ対応していくため、当社グループは、既存の成熟事業領域での収益力強化や国内・海外成長事業領域への投資、また社会的な課題への取組を進めるとともに、足元の状況を鑑み、事業基盤の強化に努め、生活者のライフラインを支える「食」の一翼を担う企業グループとして事業活動の維持に取り組んでまいります。

(3)目標とする経営指標

 当社グループの目標とする経営指標については、2020年3月期決算短信「1.経営成績等の概況 (4)今後の見通し」をご参照ください。

(4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

①中期計画の概要

 当社グループでは、3年ごとに中期計画を策定し、事業の方向性を明確にしたうえで、具体的行動計画の策定と実践に取り組んでおります。

 第六次中期計画では、自らのイノベーションにより、新しい価値を提供できる会社へ事業構造を変革するべく“「食で健康」クオリティ企業への変革”をハウス食品グループのめざす姿と位置づけ、事業面だけではなく、グループ理念のベースとなる 1) お客さまに対して 2) 社員とその家族に対して 3) 社会に対してという、企業市民として果たすべき「3つの責任」の全てにおいて、クオリティ企業への変革を進めるための以下の取組を推進しております。

1) お客さまに対する取組

 事業を通じて、「食で健康」をお客さまにお届けすることを責任としております。「国内成熟市場におけるイノベーションの創出」と「海外成長市場における事業展開の加速」の2つをテーマに、バリューチェーン革新とR&D変革に取り組み、自ら新しい価値を創出する力を強化するとともに、海外事業の成長拡大と事業基盤の強化に取り組んでまいります。

 第六次中期計画における、各事業セグメントおよび新規事業の主なテーマは次のとおりです。

セグメント 主なテーマ
香辛・調味加工食品事業 ◇収益構造モデルの変革ルウ事業集中からの脱却
  • ・食の外部化対応:レトルトカレーの収益力向上、温度帯の提案力強化
  • ・グループ横断取組「GOT」(スパイス調達変革、生産最適化、スパイスBtoB体制構築)の推進によるコスト競争力強化、新価値創出の実現とスパイスBtoB事業の基盤確立
健康食品事業 ◇経営資源の選択と集中による構造改革と強みを活かした健康戦略素材の事業化
  • ・既存事業の収益力強化:損益構造改善・事業戦略の再構築
  • ・五次中計で取り組んだR&Dテーマ(健康戦略素材)の確実な事業化
海外食品事業 ◇「成長加速化」と「収益確保」の両輪を推進し、グループを牽引
  • 米国:豆腐生産供給体制の拡充と大豆新事業創出
  • ・中国:生産能力増強によるカレー事業拡大と事業インフラ構築
  • ・アセアン:機能性飲料拡大、日式カレーの需要創造
外食事業 ◇成長軌道に向けた経営基盤強化
  • ・国内事業の収益維持:外食としての魅力向上と収益基盤の再構築
  • ・海外事業の拡大:同セグメントの成長ドライバーとしての飛躍(300店舗体制へ)
その他食品関連事業 ◇物流事業:F-LINE推進により業界共通インフラを構築し、持続可能な物流体制を構築
◇総菜事業:サラダ・総菜事業を中心とした収益力向上
◇商社機能:独自能力を磨くことで収益基盤を強化
新規事業 ◇暗黙知の集積から形式知の獲得へ
  • ・「涙の出ないタマネギ」、「乳酸菌」の事業化
  • ・CVCとの連携推進

2) 社員とその家族に対する取組

 多様性を受け入れ、活かし、育み、個性を活かした活躍ができるステージの創出に取り組むことを責任としております。「働き方変革の実行」と「多彩な人材の獲得と活躍できる場づくり」の2つの取組を進め、ダイバーシティの実現をめざしてまいります。

3) 社会に対する取組

 食事業を通じて人と地球の健康に貢献し、持続可能な社会を実現することを責任としております。当社グループでは、CSRを「笑顔とつながりをつくり、未来へとつなげる」=“Creating Smiles & Relationships”ととらえ、CSR活動を通じて「循環型モデルの構築」と「健康長寿社会の実現」をめざしてまいります。

 なお、「循環型モデルの構築」では、限りある資源の有効活用に取り組み、2030年には国内の二酸化炭素を25%削減(2013年比)し、また廃棄物を16.5%削減(2013年比)することを目標としております。

②事業投資計画

 第六次中期計画の期間中に、収益基盤強化のためのグループ最適生産体制の投資に300億円、グループ成長牽引のための海外成長投資に100億円、その他の新規事業投資に200億円の、計600億円の事業投資を計画しております。

コーポレートガバナンス

 当社グループは、内部統制システムを、コーポレート・ガバナンス体制の充実と企業理念・経営目標の実現・達成のための仕組みととらえ、企業価値のさらなる向上と持続的な発展をめざし、グループ経営の視点でリスクマネジメント、コンプライアンスを含めたガバナンス体制の構築と運用の強化を図っております。会社機関におきましては、社外取締役を2名体制とし、経営戦略機関に対する監督機能の強化に注力しております。また、社外監査役3名を含む5名の監査役体制で、取締役の職務執行の監査を行っており、常勤監査役2名は、主要なグループ会社 の非常勤監査役を兼務することにより、グループにおける監査役監査の実効性の確保に努めております。また、独立社外取締役を委員長とし、委員の半数以上を独立役員で構成する、報酬等諮問委員会を設置し、取締役および監査役の報酬決定の手続きに、客観性と透明性を確保しております。

 内部統制システムがグループとして有効に機能するよう、今後も継続的な改善に取り組んでまいります。

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