資源循環社会の実現<重要課題>

中長期目標

中長期目標

廃棄物は、有価物、副産物は除きます。

副産物とは、製品を生産する過程で、原料となる天産物の使用に付随して必然的に出てくるもの。
副産物を別管理する理由:発生抑制が極めて困難で、廃棄物のマネジメントが見え難くくなるため、別管理としています。
ハウス食品グループにおける副産物:おから(ハウスフーズアメリカ)、マスタード残渣(ティムフーズ社)、オクラ・わさび残渣(ジャワアグリテック社)
再資源化率とは、“限りある資源の有効活用“として、それ自体を資源として使うこと

プラスチック:国として目標を掲げている地域を対象とするため、2024年度時点では日本にあるグループ会社を対象とする。
なお、事業系廃棄物におけるプラスチックは、「廃棄物」にて削減取り組みを進める。

水:対象拠点…生産拠点における “水枯渇リスク地域”
水の効率的な使用に努め、節水に配慮した設備の導入を進めることで水使用量削減を強化

廃棄物・副産物

集計方法などの詳細については、ESGデータ集に記載しています。

廃棄物関連の排出量・リサイクル率

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
廃棄物排出量 [ 百t ] 15,354 13,925 14,783
廃棄物排出量原単位 [t/売上高百万円] 0.0576 0.0487 0.0471
廃棄物等総排出量 [百t] 169 186 186 174 186
うち、国内生産拠点廃棄物等総排出量 [百t] 121 127 131 123 117
国内生産拠点原単位 [t/売上高百万円] 0.053 0.060 0.064 0.058 0.053
リサイクル率 99.60% 99.40% 99.96% 99.95% 99.95%

廃棄物等総排出量は、廃棄物と有価物を合算した重量を指します。(副産物は除きます)

リサイクル率は熱回収を含みます。※今後、別管理を検討していきたいと考えています。

副産物の排出量、再資源化率

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
副産物排出量 [百t] 247 261 289 268 396
再資源化率 98.3% 98.4% 98.9% 98.7% 99.3%

廃棄物発生抑制:外部不経済の体内化

廃棄物発生抑制:外部不経済の体内化

デリカシェフ久喜工場では、工程から排出された野菜残渣を微生物の力を使って一次発酵させて、有価物化として譲渡しています。
引き取り先で完熟発酵させて、地域農家にてご利用いただいています。

廃棄物発生抑制:外部不経済の体内化

インドネシアのジャワアグリテック社では、残渣から作った堆肥を自社農園で使用し、地域社会の課題解決への貢献をめざしています。2021年に外部専門家と残渣堆肥化の技術開発を進め、2022年には規模拡大につなげることができています。2030年、100%堆肥化を目指しています。

廃棄物発生抑制:外部不経済の体内化

サンハウス食品では、工程から排出された動植物性の残渣を微生物の力を使って消滅させています。

廃棄物発生抑制:外部不経済の体内化

ハウス食品グループでは、業務提携により、フレンドマイクローブの油脂分解技術を活かして、廃棄物の削減と新たな価値 としての有効活用に取り組み、循環型社会の実現を目指しています。

ニュースリリースはこちら

出てしまったものの有価物化:価値あるものにして外部不経済を解消する

スパイス残渣をお線香に有効活用

スパイス残渣をお線香に有効活用

ハウス食品グループでは、スパイスなどの食品残渣を活用したアップサイクルに取り組んでいます。
ハウス食品奈良工場で排出されたコリアンダーの規格外品残渣(香りの品質は同等だが工場の生産基準に満たないもの)を練りこんだお線香が株式会社日本香堂様から発売されています。
2024年1月26日から全国の香りの専門店、仏壇店、百貨店などで発売。

使用済みの麻袋をリユース

製品で使用するスパイス原料を取り出した後の麻袋は、廃棄するのではなく、地元の方々のご協力をいただき有効利用しています。

使用済みの麻袋をリユース

麻袋を畑に敷くと雑草が生えにくくなり、やがて土に還ることから、農家の方から大変好評です。

使用済みの麻袋をリユース

近隣の養蜂家では、巣箱の中に敷いたり、燻煙機の材料にするなど大変好評です。

使用済みの麻袋をリユース

近隣の学校では、麻袋をリサイズして、プランターとして活用しています。

ウコンの搾りかすをリサイクル

ウコンの搾りかすをリサイクル

うこんからエキスを搾り取ったかすを粉砕し、紙に漉き込むことで、名刺として活用しています。

ハウスウェルネスフーズにて使用

食品ロス削減(まだ食べられるのに廃棄されるものを食品として活用する取り組み)

生産部門、販売部門が連携して、商品別に生産・販売・在庫計画を立案・推進しています。日々、生産・販売・在庫計画の精度向上に努め、余剰在庫の発生を抑制し、食品ロスの削減に取り組んでいきます。
しかし、それでも出てしまう品質に問題がないにも関わらず賞味期限が短くなって市場で流通できなくなった製品については、貴重な食資源を大切にする取り組みとしてフードバンクへの寄贈をしています。

廃棄物処理委託先への定期的な視察の実施

廃棄物処理委託先への定期的な視察の実施

産業廃棄物処理にあたっては、収集運搬、中間処理の委託先に定期的に訪問し、契約書通り適正に処理が実施されていることの確認を行っています。
具体的には担当者が可能な限り委託先を直接訪問し、都道府県条例を踏まえた上で、社内ルール・チェックリストに基づき確認を行います。
日頃からの情報交換を密にすることで、委託先との良好な関係の構築と廃棄物の適正処理に繋げています。

プラスチックの取り組み

プラスチック製品の設計から製造・使用後のすべてのプロセスで資源循環をして、そもそもプラスチックごみを出さないよう設計することで、プラスチックを巡る資源・環境両面の課題を解決していく取り組みです。 【環境配慮】
事業系のプラスチックごみについては、『廃棄物』で削減に取り組みますので、ここではお客様に渡る容器包装で使われる化石由来のプラスチック使用量削減に取り組みます。

バーモントカレー大箱(230g)タイプの製品について、環境に配慮し、石油由来のプラスチック原料を削減(リデュース)するとともに、植物由来の原料を一部使用したトレイを新たに開発し採用しています。
その他、「シチューミクス」、「まぜのびチーズソースの素」などにも植物由来の原料を一部使用したバイオマスフィルムを使用しています。

プラスチックの取り組み

ハウス食品グループは、プラスチックの取り組みをリードするCLOMAへの参画により、社会課題の解決に取り組みます。

グループ事業会社の工場所在地における水不足状況について、「AQUEDUCT」ツール(※1)を用いて把握した結果、地球上の淡水は地域で大きく偏在しているという課題(水が不足しそうな拠点がある)があることが改めて明確になりました。
水資源の枯渇は、生産に使用する水そのものだけでなく、原材料の調達にも影響を及ぼしますが、まずはハウス食品グループとして、長年に渡り環境マネジメントで取組みを継続してきた生産における「水使用量削減」について改めて検討し、第八次中計で取り組みをしていきます。

1:AQUEDUCT:世界資源研究所(WRI)が提供する情報ツール

水ストレス、一次スクリーニング

州・地域 2050年 水ストレスリスク
アメリカ ニュージャージー 40-80%
アメリカ カリフォルニア >80%
アメリカ ペンシルベニア 20-40%
アメリカ ケンタッキー <10%
中国 上海 40-80%
中国 遼寧省大連 >80%
中国 浙江省 40-80%
ベトナム ドンナイ 10-20%
タイ バンコク 40-80%
インドネシア ジャワ・テンガー(スマラン) 40-80%
マレーシア ペナン島 <10%
日本 栃木県 20-40%
日本 栃木県 20-40%
日本 長野県 20-40%
日本 静岡県 20-40%
日本 愛知県 20-40%
日本 大阪府 10-20%
日本 奈良県 10-20%
日本 福岡県 10-20%
日本 佐賀県 10-20%

水ストレス、二次スクリーニング

「AQUEDUCT」ツールを用いた“一次スクリーニング”の結果、高リスクとしてリストアップされた“州・地域”の生産拠点についてヒアリングを実施しました。

結果

●中国遼寧省大連市/大連ハウス食品社
調査の結果、中国政府は水問題を解決するためにいくつかの対策を講じていることが分かりました。
例えば「南水北調工程」、「海綿都市」などですが、このプロジェクトはすでに完了し、大連市における水問題は緩和し、水資源を巡る問題は緩和していることが分かりました。
引き続き、節水対策は検討をしていきますが、喫緊の課題ではないことが判明しました。

●米国/カリフォルニア州/ハウスフーズアメリカ社カリフォルニア工場
渇水アラートが発令されることがあるなど、現地としても“リスク”を感じてすでに節水に取り組んでいます。

ハウスフーズアメリカ社カリフォルニア工場におけるこれまで実施してきた節水対策

水使用量削減の取り組み①

操業当初から外構の芝生の維持管理のため、1日に1回、灌漑スプリンクラーによる水やりが必須でしたが、外構全体にわたるためかなりの水量が必要でした。
このことから、2023年外構の芝生部分をすべて多肉植物(サボテン)に変更しました。
多肉植物は、葉や茎の部分に水分を蓄える特性があり、水をあまり必要としないため、灌漑水の節水を実現することができました。また、合わせて敷地内の地下に雨水を貯蔵するタンク設置しました。
灌漑水に雨水も併用することで、水道水の節水に貢献できています。

水使用量削減の取り組み①

水使用量削減の取り組み②

豆腐製造の際、原料となる大豆を水に漬けることを「浸漬(しんせき)」といい、タンクに大豆と水を入れ、大豆に水を吸わせる工程があります。毎日のことですので、かなりの量の水を使用することになりますが、2013年カリフォルニア、ニュージャージーの両工場にて、浸漬工程における水使用量の見直しを行い、毎日の豆腐製造における節水を実現しました。
それ以降も、製造工程の水削減テーマに引き続き取り組んでいます。

水使用量削減の取り組み②