働くママ、パパのお困りごとを解決する調味料として誕生した「味付カレーパウダー バーモントカレー味(甘口)」。この商品はバーモントカレーのおいしさをギュッと詰め込んだ、これ1本で味つけが決まる顆粒状の調味料です。食材や調理方法を選ばず、子どもが好きな味に仕上がるため、メニューレパートリーを増やせるのが特徴です。
社内外の子育て共働き世帯の徹底的な食卓観察とインタビューで浮き彫りになり、この商品を生み出すきっかけとなった”名も無きメニュー”の正体とは?
そして開発担当者が、働くママの忙しさを体験した中で、「ショック」を受けたできごととは?
新領域開発部3グループ グループ長※ 黒部史明に開発ストーリーを取材しました。
(※役職は2019年11月取材当時)
あるとき、研究職に就いている私と部下2人に「スパイスを使った調味料というテーマで、研究者の強みを活かした商品開発をしてほしい」という命令が下りました。ジャンルは問わないとのこと。通常はカレーやシチューなどカテゴリーごとにいる企画担当者が企画をつくり、研究所担当者と専門的に商品をつくるのが一般的です。ハウスとして、新しい試みでした。
「なんでもいい」と自由度が高過ぎるゆえ、企画の経験がないチームはなにからはじめたらいいのかわかりませんでした。拠り所としたのは、ハウスに脈々と受け継がれている「子どもがいるご家庭の幸せに役立つ」という思想です。お母さんたちが仕事をするのが当たり前になってきた時代、これまでの商品が今の生活にフィットしていない部分もあるのではないか。私たちのチームはそう仮説を立て、3〜10歳の子どもを持つ共働き世帯に的を絞って調査をおこないました。
新領域開発部黒部氏
社内外24人のお母さんに1週間分の夕食を撮影してもらい、1人ずつインタビューを実施。そこで浮き彫りになったのは、働くお母さんは週末に1週間分の食材をまとめ買いし、週後半のメニューのことまでは考え切れていないということでした。
その結果、週の前半はハンバーグや餃子といった子どもが好きな定番メニューをつくるものの、週の後半になると使い残した食材を使った炒め物などになりがちだったのです。お母さん本人に聞いても「何と呼んだら良いのかわからない」と言うことから、私たちはそうした料理を“名も無きメニュー”と名付けました。
この“名も無きメニュー”に頼らざるを得ない反面、なかなか子どもが食べてくれない。レパートリーが限られていることも、この調査から浮かび上がってきました。
食卓観察とインタビューによってさまざまなことが見えてきた一方、私自身も子育て共働き世帯です。同じ研究所内で妻が時短勤務していたことから、働くお母さんの気持ちを知ろうと、1週間妻と生活を完全に入れ替え、働くお母さんの苦労を体験してみました。部下の提案と後押しがきっかけで、身をもって感じたのが、献立を考える大変さと“名も無きメニュー”の問題でした。週の後半に、こんなにも献立に悩むとは思っていなかったのです。そしてそれ以上につらかったのが、子どもは“名も無きメニュー”を食べてくれないということ。水曜日に挽き肉ともやしの炒め物を出したところ、子どもは「いや」の一点張り。栄養バランスを考えながら料理しても、食べてもらえないというのは本当にショックでした。
黒部家の夕食の様子。子どもが名もなきメニューを食べてくれない・・・
また妻の大変さは理解しているつもりでしたが、実際にはわかっていなかったことも痛感しました。
食シーンだけ切り取れば「子どもが食べてくれないこと」は1つの事象に過ぎないかもしれませんが、家事は全部つながっているんですよね。子どもが食べないとその分洗い物、洗濯、子どものお風呂、寝かしつけが遅くなり、結果、自分の時間も寝る時間も少なくなる。それを繰り返すと疲れが週後半にはピークに達する・・・と。1週間体験して疲れ切っていた時に妻から「わかった?でもたった1週間」と一言、返す言葉が出なかったのを覚えています。
週末のまとめ買いで節約しながら買い物の労力も抑えたい一方、週後半では子どもが食べてくれるメニューに悩む。そこに役立てる部分があるのではないか。働くお母さんの気持ちに寄り添い、手助けしたいと思って開発したのが、「味付カレーパウダー バーモントカレー味(甘口)」です。これ1本で味が決まる顆粒タイプの調味料で、食材や調理方法を選ばず子どもが食べてくれるメニューレパートリーを増やすことができることが特徴です。小さな子どもに食べてもらえるよう甘口にしているのもポイントで、これさえあれば週後半の残り物食材でもおいしく仕上がります。
実際にモニターのお母さんにご家庭で使って頂くテストを実施したところ、「使う前はほかにも調味料が必要なのでは? と思っていましたが、本当にこれ1本で済むのに驚きました」「子どもに次からこれにして! と言われました」「偏食気味の子どもも食べてくれました」という嬉しい声をいただくことができました。
私もリベンジしようと、挽き肉ともやしの炒め物に使ってみたところ、子どもたちはペロリと食べてくれました。うちでは余った冷凍ごはんと残り物で作る土日のお昼のカレーチャーハンが特に子どもたちのお気に入りです。またこのパウダーは、そのまま付け塩としても使えるので、フライドポテトやゆで卵、天ぷらに付けてもおいしいんです。ちょっとお腹がすいた時のフライドポテトだったり、最近は夕飯に天ぷらをつくり、揚げたてをみんなでワイワイ食べることにもはまっているのですが、色んな味で食べる中の“鉄板の味”としても活躍しています。
また社内のお父さんたちが家で料理をつくり、「野菜炒めを作ったら食べてくれた」という意見も多く寄せられています。お父さんの料理レパートリーの広がりにも、役立てたらいいですね。
ちょっとしんどいときの、頼れる1本になれたらうれしい。子育て共働き世帯の生活リズムをよくしたり、気持ちに余裕をつくることに貢献できたら開発チーム一同幸いです。
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