野菜の皮や芯などのくずは無意識に捨ててしまいがちですが、実は食べられる部分もたくさんあるんです!そこで、野菜ソムリエプロの江戸野陽子さんに、野菜くずを使って一品を追加する3つのアイデアを教えていただきました。節約にもなって、まさに一石二鳥です!
まずはブロッコリーの芯部分を活用したメニューから。そのままゆでてもコリコリとした食感がありますが、ローストすると味わいがじっくり引き出されて甘くなり、さらに歯ごたえのよい食感を楽しむことができます。
元々栄養が豊富なブロッコリーですが、茎の部分には風邪予防や美肌効果が期待されるビタミンCと皮膚や粘膜の抵抗力を強めるカロテンが多く含まれています。こうしたビタミンは水に流出しやすいところですが、グリルすることで、栄養を余すことなく摂り入れることが可能です。
ブロッコリーの茎:1本分(約80g)
塩こしょう:ひとつまみずつ
すりおろしにんにく:小さじ 1/3
オリーブオイル:大さじ 1
ナッツ類(くるみ・かぼちゃのタネ):大さじ2
フライドオニオン:適宜(なければスライスした玉ねぎでも可)
パセリ:適宜
茎の外側にある皮は厚く繊維質が残るので、剥いてから調理しましょう。
1.オーブンを180℃に予熱する。くるみは粗く砕いておく。
2.ブロッコリーの茎を5cm程のぶつ切りにしたら皮を剥き、ひと口大の乱切りにする。
3.耐熱皿に2のブロッコリーの茎、ナッツ類、塩、こしょう、にんにく、オリーブオイルを入れてよく和える。
4.オーブンで30分焼く。できあがったらフライドオニオンを散らしてできあがり。
ブロッコリーの旬は春と秋。切り口がみずみずしく、蕾がカサついていないものがおいしいです。
ねぎの青い部分は、生の状態や軽く火を入れただけでは辛味や繊維が気になりますが、じっくりと火を通せば柔らかくなります。甘みが引き出されたねぎはおいしいです。
ねぎの青い部分:2本分
豚肉の薄切り肉(バラ):150g
A醤油:大さじ1
Aみりん:大さじ1
A酒:大さじ1
Aの調味料を合わせておく。
1.ねぎの青い部分を5cmのぶつ切りにする。薄切り肉が長いようなら半分に切る。
2.薄切り肉を広げ、ねぎを巻き込む。全てのねぎを巻いたら、茶こしを使って全体に片栗粉を軽くまぶす。こうすることで、焼いたときに成形したロール型が崩れにくくなり、旨味も閉じ込めることができます。
3.フライパンに油を薄く熱し、中火で2を焼く。肉色が変わったら弱火にして、合わせておいた調味料を回し入れ、全体に絡めてできあがり。お好みで一味唐辛子を添えていただきます。
ねぎは白い葉の部分より青い部分の方がβ‐カロテンとビタミンCが豊富です。冬になると、さらに甘みと柔らかさが増す部位なので、ぜひ豊富な栄養と共にねぎの魅力を存分に味わってみてください。
最後は、くず野菜をまとめて揚げるだけのかき揚げです。皮付近に含まれる豊富な繊維質は、そのままでは食べにくいものですが、かき揚げにすることで食感がアクセントになります。苦味やアクもほどよく抜けて、たちまち主役メニュー級に様変わりしますよ。
「かき揚げの材料は、今回ご紹介したものでなくても構いません。お料理の過程で出たくず野菜を使ってみてください。おすすめは根菜と葉野菜のくず。トマトやきゅうりなど、水分が多めの野菜は向いていないので気をつけましょう。ここでは卵不使用の衣で、手軽にカリッと仕上げています」
※くず野菜は目安値で100gほど
大根の皮:35g(3cmのものの皮を剥いたときに出たくず)
にんじんの皮:15g(1本をピーラーで剥いたときに出たくず)
飾りで使わなかったパセリ:1g(1房)
ブロッコリーの茎の皮:30g(1個分)
しいたけの軸:5g(2個分)
さつまいもの皮:15g(大きめのさつまいも1/3本分の皮)
小麦粉大さじ5、片栗粉大さじ2、塩ひとつまみ、水100cc
1.大根の皮、にんじんの皮、ブロッコリーの茎の皮、しいたけの軸、さつまいもの皮は千切りに、パセリは細かく刻む。
※ここで野菜をボウルに入れて、小麦粉大さじ1(分量外)を全体にまぶしておいてから衣にくぐらせると、上手に固まります。
2.小麦粉、片栗粉、塩を入れて泡立て器で混ぜたら、水を少しずつ加えながら混ぜて衣を作る。
3.野菜を加えて全体を和える。
4.お玉で3をすくい上げ、170℃の油に落とし、両面がきつね色になるまでカラッと揚げる。
簡単に揚げるポイント:10cm角のクッキングシートを用意し、その上にかき揚げの生地を丸く乗せ、フライ返しに乗せてそのまま油へ。固まったところでクッキングシートを取り除くと、崩れずに揚げることができます。
カリッ、サクッとした食感としっかりと感じられる野菜の味は、普通のかき揚げよりも満足度が高いくらいです。
大根は皮の方が食物繊維が多め。そして、さつまいもの赤紫色の皮の部分にはアントシアニンと呼ばれるポリフェノールが含まれていて、高い抗酸化作用があります。なかなか食べないパセリも、実は栄養素だけで見ればトップクラス!
くず野菜活用で叶うのは、節約だけではありません。栄養面でも優れていて、しかも新たな美味しさを発見できる楽しみも!これからは捨てる前に、ぜひ活用法を考えてみてはいかがでしょうか。
野菜ソムリエプロ、豆腐マイスター。「野菜と豆腐の料理家」としてwebを中心にコラムやレシピを執筆。野菜と豆腐をおいしくいただく料理教室を開催中。All About「毎日の野菜・フルーツレシピ」ガイド。
循環型モデルの構築、そして健康長寿社会の実現に向けて取り組みを行っています。
ホームアクティビティHouse E-mag野菜くずの活用アイデア。節約も叶うおすすめレシピ