テレビや雑誌、インターネットなどで「メタボ」「メタボリックシンドローム」に関する話題をよく見かけます。しかし、メタボリックシンドロームの状態にある人でも、具体的な対策をとっておらずリスクを抱えたままになっている人が多いのも事実。今回は、メタボリックシンドロームについてあらためて向き合いながら、予防や改善のために今日からできる方法を紹介していきます。
メタボリックシンドロームとは、内臓のまわりにたっぷりと脂肪を蓄えた人が、同時に高血糖、高血圧、脂質代謝異常のいずれかのリスクを2つ以上抱えている状態です。
このメタボリックシンドロームが問題なのは、一つひとつのリスクが軽度でも、これらが複数重なることで動脈硬化が急速に進行し、心臓病や脳卒中などの重篤な病気を招いてしまうこと。厚生労働省の調査*によると、メタボリックシンドロームに着目した「特定健診」の対象である40歳~74歳で腹囲が基準を超えている人は、男性の約60%、女性の約20%にのぼることが分かっています。
*令和元年「国民健康・栄養調査報告」(厚生労働省)より
まだ基準値内であっても、以下のセルフチェックテストで該当項目が多ければ、メタボリックシンドロームはもう目の前かもしれません。
□年々ウエストがきつくなっている
□食べるのが速い
□脂っこいものや油を使った料理が好き
□お菓子やジュースなど甘いものをよく摂る
□夜遅く食事を摂ることが多い
□飲む、食べることでストレスを発散する
□車をよく利用し、歩くことが少ない
□ほとんど運動をしていない
下記、1に加え、2~4のうち2項目以上に該当するとメタボリックシンドロームと診断されます。
肥満には、主に腹筋の外側(皮膚の下)に脂肪がつく「皮下脂肪型肥満」と、腹筋の内側(腸などのまわり)に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」があり、メタボリックシンドロームの危険があるのは、内臓脂肪型肥満です。
内臓脂肪が増えすぎると、脂肪細胞からは血管を収縮させたり、血中の脂質を増やしたり、血糖の取り込みを悪くしたりする悪玉物質が多く分泌されます。そうなると、血圧は上昇しやすくなり、血液は余った糖や脂質でドロドロになって、高血圧症、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病の発症リスクが高まります。
内臓脂肪型肥満にこの3つの病気が重なると、互いに悪影響を及ぼし合って動脈硬化が加速度的に進行。命に関わる急性心筋梗塞や狭心症などが起きやすい状態になることから、「死の四重奏」とも呼ばれています。
内臓脂肪は、皮下脂肪に比べると増えやすい一方で、燃焼しやすいので減りやすいという特徴があります。ですから、食事や運動などの生活習慣を見直すことで、メタボリックシンドロームから脱却することができます。まずは、次の5つから始めてみませんか。
まずは食事から。食べすぎでエネルギーが過剰となると、内臓脂肪が増える原因となります。好きな食べ物を我慢するのはつらいもの。でも、食事バランスを整え、たとえば全体量を10分の1減らすという考え方なら、続けられるのではないでしょうか。体重もぜひ毎日チェックしましょう。
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朝食を抜くと体は飢えに備えようとして、エネルギーをため込もうとします。また早食いは満腹感が追いつかず、食べすぎを招く原因。食事は20分以上かけ、一口食べたら30回はかみましょう。夜遅い食事はエネルギーがたまりやすく肥満の原因になるので、寝る2時間前までには食事を終えましょう。
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太らないように食事の量や油っぽい料理を控えていても、間食などでつい手を伸ばしがちなのが、スナック菓子や清涼飲料水。スナック菓子に含まれる油や清涼飲料水に入っている糖分は意外に多く、肥満につながる盲点です。
歩くことは、いちばん手軽にできる全身運動。多く歩けば脂肪の燃焼効果も高まり、血糖値や血中脂質の数値の改善にもつながります。また、掃除や洗濯などの家事も立派な身体活動。こまめに動く習慣は、脂肪がつきにくく、疲れにくい体をつくります。
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ストレスはやけ食い・やけ酒につながり、また睡眠の質が悪くなって生活習慣病のリスクも高まります。1日10分でも20分でも、音楽を聴いたり、お茶を飲んだり、散歩をしたりなど、自分らしさを取り戻すリラックスタイムを持ちましょう。簡単かつ効果的なのが入浴。ぬるめのお湯にゆっくり浸かれば、心身の緊張がほぐれ、安眠も得やすくなります。
生活習慣病の初期は自覚症状がほとんどなく、健診で異常値を指摘されても放っておく人が少なくありません。病気の早期発見・早期治療が健診の目的。特定健診で生活習慣病のリスクが見つかったら、生活習慣の改善とともに、必要に応じて医師や保健師、管理栄養士とも相談しましょう。
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