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食べるタイミングに注目! ダイエットや生活習慣病予防にもつながる「時間栄養学」とは

食べるタイミングに注目! ダイエットや生活習慣病予防にもつながる「時間栄養学」とは

「時間栄養学」という言葉を知っていますか? 一般的な栄養学は、「何を」「どれだけ」食べるかに着目しています。一方で、「時間栄養学」は「いつ」「どんな順で」「どんな早さで」食べるかといった、食べる時間を重視した栄養学です。「時間」をうまく活用することで、ダイエットや生活習慣病予防にもつながる時間栄養学の考え方を見ていきましょう。

食事の時間…食べるタイミングを考えよう

食事の時間…食べるタイミングを考えよう

人間の身体には「体内時計」が備わっています。人間は地球の自転にあわせて1日を24時間として生活していますが、私たちの身体はもう少し長め、25時間くらいの周期で感じています。これを調整する要素として「光」が知られていますが、もう一つ体内からの刺激として「食事」も有効です。これまでの栄養学では「何をどれだけ食べるか」が大切と考えられてきましたが、「いつ、どのように食べるか」と「時間」を考慮することでさらに食事の健康効果がアップすることが分かってきています。これが「時間栄養学」です。時間栄養学で重要なのは「食べるタイミング」「食事にかける時間」「食べる順番」です。

まず「食べるタイミング」については、
・寝る2時間前までには食事を終える
・20時以降は食べない
・食事の時間を一定にする(朝食、昼食、夕食、必要ならおやつをいつも同じ時間に食べる)
など、さまざまな考え方があります。

「寝る2時間前までには食事を終える」、「20時以降は食べない」の2つは、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。これは、「身体が寝ている時は、消化管も寝ている」と考えれば、理解できると思います。消化管が寝ている間には消化吸収は行われませんので、消化管内に食べ物が残ったまま放置されることになり消化不良や睡眠不足につながったり、夜は食べたものが脂肪に変わりやすいため、エネルギーとして使われず脂肪として蓄積されてしまったりします。これではダイエットや生活習慣病にも悪影響。さらに、朝になってもお腹が空かず、朝食をおいしく食べられない原因にもなるのです。

できれば、就寝前は「お腹いっぱい」状態ではなく、熟睡できる腹具合にしておくくらいがよいでしょう。なお、「20時以降」といった時間はあくまでも目安です。ご自身のライフスタイルにあわせて無理のない時間を決めておくと、生活がしやすくなります。

朝食、昼食、夕食を規則的にとれば、1日のリズムが守られます。「食べる時間を一定」にして、いつも同じ時間に食事が入ってくると分かっていれば、体内のリズムが整い、消化管もその時間に消化液を準備して待つようになります。そのため、おやつも含めて「食べる時間」はできるだけ一定にすることが健康のためには大切なのです。

なかでも朝食には、体内時計を整える働きがあります。朝食を食べることで、身体を眠りから目覚めさせ、午前中のエネルギー源を確保し代謝を高めることもできます。生活のリズムが乱れがちな人は、バランスのよい朝食をとることから始めてみるとよいでしょう。

食事に時間をかける…1口30回を目標によく噛んで食べよう

食事に時間をかける…1口30回を目標によく噛んで食べよう

次に1回の食事に時間をかけることを考えましょう。といっても、ただ食事の時間を長くするという意味ではなく、噛む回数を増やすための時間をしっかりとりましょう。

現代は、やわらかい食品が増えています。そのため、現代人は「噛むこと」が苦手になってきていると言われています。現代人が一口当たり噛む回数は平均で10~20回程度と言われています。柔らかいので、飲み込むことは可能ですが、でんぷん分解酵素であるアミラーゼを持つ唾液としっかり混ざり合っていないまま飲み込んでしまうので、胃から先の消化管の負担が大きくなります。

噛む回数は1口30回を目標にしましょう。1回あたり10~20回だった噛む回数を増やすわけですから、おのずと食事に時間がかかることになります。

食べる順番…何から箸をつけるか、何で食べ終わるか

食べる順番…何から箸をつけるか、何で食べ終わるか

次に、出された食事のうち、どれから箸をつけるか。

有名なところでは、
・ベジファースト
・カーボラスト

といった言葉を聞いたことがある人も多いのでは? 「ベジファースト」は野菜から食べ始めるという考え方、「カーボラスト」は炭水化物(糖質)は最後に、という考え方です。

いずれも、血糖値を上昇させるのは糖質だけである、という研究結果をベースに食後の血糖値を急上昇させないことを目的としています。

なお、管理栄養士の観点から見ると、カーボラストは主食を最後までとっておき一気に食べる形になりやすいため、ベジファーストで、サラダやお浸し(葉物野菜)などカロリーの高くない野菜で空腹感を満たした後、普段通り、好きな順に箸をつけて食事をするのが、食べすぎ防止になるのでおすすめです。

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時間栄養学で背が伸びる? さらに骨粗しょう症予防やダイエットにも

時間栄養学の考え方を取り入れることで、健康につながるメリットもあります。

成長期の子どもたちは活動時よりも就寝時に身体が大きくなります。これは、睡眠時に成長ホルモンの分泌が活発になるためです。身体を大きくしたい、背を伸ばしたい場合は、睡眠時に身体のもととなるたんぱく質やカルシウムが利用しやすい状態で体内に存在していると有利です。
そのため、就寝2時間程度前に牛乳などのカルシウム源を摂ると、骨が成長しやすくなると言われています。

この考え方は、大人の骨粗しょう症予防にも応用できるので、特に壮年期・高齢期の女性の皆さんは、低カロリーのカルシウム源であるスキムミルクを夕食に追加するのも対策になります(牛乳やヨーグルトだとカロリーが高いため、肥満の原因になります。肥満は骨粗しょう症のリスクが高くなりますので、NGです)。

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もう一つ、なかなか痩せられない、という人は自分の生活を振り返ってみましょう。忙しい日々のなかで「食事がいつとれるか分からないから、今パンを食べておこう」など、食事の時間以外に何かを食べ、しかもその「食べたこと」をすっかり忘れて、3食の食事はしっかり食べてしまっている・・・そんなことを繰り返していたら、痩せられないのも当然。そういった意味でも、最初にお伝えした食事の時間を一定にするという考え方は大切と言えるでしょう。

現代人の生活は、古代人のような「朝日とともに起き、夕日とともに眠る」人ばかりではありません。それぞれの生活スタイルに合わせて「時間栄養学」を上手に活用して、健康で生き生きとした生活を送りましょう!

平井千里さん

小田原短期大学食物栄養学科 准教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。


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循環型モデルの構築、そして健康長寿社会の実現に向けて取り組みを行っています。

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