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合わせちゃいけない「ウナギと梅干し」「スイカと天ぷら」は迷信?食べ合わせにまつわるウソ・ホント

合わせちゃいけない「ウナギと梅干し」「スイカと天ぷら」は迷信?食べ合わせにまつわるウソ・ホント

皆さんも一度は耳にしたことはあるでしょうが、古くからさまざまなものが「食べ合わせが良くない」と言われています。「これって全部ホント?」そんな疑問を管理栄養士にぶつけたところ、意外な答えが返ってきたので、理由とともにご紹介!なお、こうした理由には諸説あるので、あくまで話のネタとしてお楽しみください。

食べ合わせってホントにあるの?その概念が生まれた背景は?

一緒に食べると体に害を及ぼすものとして伝わる「食べ合わせ」。実はこれ、一般的な食生活を送る上では、そこまで気にする必要はありません。食べ合わせの根拠として、それぞれの食べ物に含まれる栄養素の相性が良くない、といったことも挙げられますが、影響を及ぼすほどの量を食べるのは非現実的だったり、そもそも誤りだったりするようです。

では、なぜ食べ合わせが言われるようになったのでしょうか?大きな理由として、昔は「流通に時間がかかったこと」や、「冷蔵技術・食品の保存技術が未発達であったこと」が挙げられます。こうした時代では、賞味期限・消費期限などの概念もなかったため、腐っているかどうかは食べてみて判断するしかありませんでした。また、高価な食べ物を食べ過ぎないように、といった側面もあった様子。つまり、食中毒の戒め、あるいは贅沢への戒めとして、食べ合わせが言われるようになったと考えられます。

でも、現在は保存技術も発達していますし、腐っているかどうかを食べて判断することも少なくなっています。食べ合わせも、栄養学的には「気にする必要なし」と言えるでしょう。

それぞれの食べ合わせが、良くないと言われるようになった理由

実際には問題ないとはいえ、良くないと伝わる食べ合わせは数多く存在します。一体、なぜそう言われるようになったのか、代表的な食べ合わせとあわせてご紹介しましょう。

■ウナギと梅干し

ウナギは江戸時代から高級品であったため、「取っておいて後で食べよう」というパターンが多かったようです。これが腐っているかどうかは、前述のとおり食べて判断するしかありません。食品は腐敗すると酸味を帯びることが多いですが、酸味のある梅干しと一緒に食べると、腐っていても気付きにくいもの。そのため、ウナギと梅干しは食べ合わせが悪いと言われるようになったようです。もちろん、栄養学上は気にする必要はありません。

それぞれの食べ合わせが、良くないと言われるようになった理由

■天ぷらとスイカ

天ぷら(油)とスイカ(水)を一緒に食べると、スイカの水分で胃酸が薄まってしまい、天ぷらの消化が悪くなる……という話から。でも、天ぷらを食べた後、胃酸が薄まるほど大量のスイカを食べられるわけではないので、気にしなくて大丈夫です。

それぞれの食べ合わせが、良くないと言われるようになった理由

■カニと柿

カニは海のもの、柿は山のもの。両方を一度に手に入れようとすると、流通の問題でどちらも「腐りかけ」になってしまうため、避けた方がよいとされました。飛脚が足で運んでいた時代ならまだしも、現代の日本では運搬中に腐りかけることはほぼありません。

■キュウリとトマト

ビタミンCには酸化型と還元型があり、前者は後者に比べてがんの抑制効果が低いなど、体への有益な機能が少ないとされています。キュウリとトマトの食べ合わせが良くないと言われるのも、このことが由来。キュウリに含まれるアスコルビン酸酸化酵素(アスコルビナーゼ)が、トマトに含まれるビタミンCを酸化型に変えてしまうため、NGと言われているのです。ただし、私たちの体内では酸化型ビタミンCを還元型に変える酵素がつくられているため、何の問題もありません。

それぞれの食べ合わせが、良くないと言われるようになった理由

■焼き魚と漬物

漬物に含まれる亜硝酸塩と、焼き魚の焦げに含まれるジメチルアミンが結合すると、ニトロソアミンという発がん物質が生成されるとされています。とはいえ、焦げた部分を多量に食べる人はほとんどいないはず。なお、漬物にも含まれるビタミンCがニトロソアミンの働きを抑えられるとも言われているので、気になる方は大根おろしのほか、みかんやいちごといったビタミンCが豊富なフルーツを追加してみては?

それぞれの食べ合わせが、良くないと言われるようになった理由

■ほうれん草とベーコン

良くないと言われる理由のひとつは、ほうれん草に含まれるシュウ酸が、ベーコンを作る際に使われる亜硝酸ナトリウムと体内で化学反応を起こし、発がん性物質が生成されるからです。もうひとつは、ベーコンに含まれるリン酸が、ほうれん草の鉄分やカルシウムの吸収を阻害してしまうから。どちらも実験的には正しい理論ですが、実生活においては健康に影響するほど食べることは難しいので気にする必要はないレベルです。

食べ合わせをすることで、逆に良い影響をもたらす食べ物は?

食べ合わせが良いとまで言えずとも、昔から組み合わせることを良しとする食べ物もいろいろあります。前述した、焼き魚と大根おろしの組み合わせもそのひとつ。それでも大半は、「おいしいから」で説明がつくものです。ここでは、一緒に食べると良いとされるものの組み合わせについて見てみましょう。

■納豆+ネギ

ネギのニオイ成分である硫化アリルが、納豆に含まれるビタミンB1の吸収を促進する、と言われています。ビタミンB1は疲労回復を助ける栄養素ですが、体内にため込むことができない水溶性ビタミン。ただし、硫化アリルが働くことで、吸収が促進されたとしても大きく何か効果をもたらすとは言い切れません。

食べ合わせをすることで、逆に良い影響をもたらす食べ物は?

■豆腐+ワカメ

豆腐に含まれるサポニンは、コレステロール低下機能(吸収阻害)をもつことが知られていますが、摂りすぎるとヨウ素の吸収も阻害してしまうと言われています。そのため、「少しくらい阻害されても、ヨウ素を多く含むワカメを一緒に食べればよいのでは」といった発想で、この組み合わせが良しとされているのでしょう。

■寿司+ガリ

この組み合わせが生まれた背景には、いくつかの説があります。「1品ずつのネタの味を楽しむために、口の中に残った風味をガリでリセットするため」「寿司がファストフードだった江戸時代は手で食べていたので、指に米粒が付かないようガリで湿らせていた」などが聞かれますが、いずれにせよ寿司をおいしくスマートに食べるための存在なのでしょう。

食べ合わせをすることで、逆に良い影響をもたらす食べ物は?

■とんかつ+キャベツ

とんかつは脂っこいため、脂肪の吸収を抑える食物繊維を多く含むキャベツと一緒に食べると、胃もたれしづらいと言われています。ただし、栄養学的に「絶対にキャベツじゃなきゃダメ」というわけではありません。ざっくりした言い方になりますが、食物繊維が豊富な食材なら何でもよいということ。もちろん、キャベツの千切りは量の割に安価なので、店側からすればコストパフォーマンスに優れるという利点もありますね。

■カレー+らっきょう

らっきょうに含まれる硫化アリルが、胃を守ってくれると言われています。らっきょうは酢漬けで、口の中をさっぱりさせる効果もあるので、次のカレーの1口が味変したように感じる、ということもあるでしょう。

迷信でも役に立つ!知っておきたい食べ合わせの知識

ここまでお話ししてきたように、栄養学的に見て「正しい食べ合わせ」はありません。迷信や効果自体に疑問を抱くものばかりですが、良くないとされる食べ合わせを年配の方などに提供して、「教養がない」と思われるのも残念ですよね。また、組み合わせが良いとされている食べ物も、話のネタにもなるので、迷信でも知っておいて損はないのでは?

もちろん、こだわりすぎておいしく食べられなければ本末転倒。あまり気にせず、バランスの良い食事を楽しむようにしましょう。

平井 千里さん

小田原短期大学食物栄養学科 准教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進み、肥満と栄養摂取の関連について研究する。前職は病院栄養科責任者で、栄養相談も実施。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信している。


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循環型モデルの構築、そして健康長寿社会の実現に向けて取り組みを行っています。

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