食物アレルギーについて、ハウス食品グループがお伝えしたいこと ひとつのお鍋で、家族をひとつに。

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赤城智美さんコラム

食物アレルギーについて、赤城さんご自身の経験をもとにさまざまなエピソードをご紹介します。

コラム Vol.38
困難に直面して
思うこと

新型コロナウイルス感染症対策で、日常生活が大きく制限されるようになってきた頃、NPOなどの市民活動の現場がにわかに騒がしくなってきました。特に子どもや食生活をテーマにしているいくつもの団体から「貧困」に関するエピソードが出てくるようになりました。
私たち「アトピッ子地球の子ネットワーク」も、今年4月頃からこのテーマに取り組まねばならないと感じるようになり、現在は「食物アレルギーの赤ちゃん応援」を目的にしたアレルギー用粉ミルクの提供や、「子育て応援」のための食料提供に取り組んでいます。

私たちが当初、アレルギー用粉ミルクを必要とする方として想定していたのは、食物アレルギーの人、ミルクアレルギーの赤ちゃんがいる人、アレルゲン食物に対する過敏な状態が軽減できない人、病院の通院距離が遠いなどの理由で食物負荷試験を受けられず、アレルギー用粉ミルクが長期間必要な人などであり、1歳半くらいまで栄養補助としてアレルギー用粉ミルクを使う人がいることもイメージ出来ていたつもりでした。
ところが実際には、牛乳の代替として2~3歳になってもアレルギー用粉ミルクを飲んでいる子どもたちがいたのです。その背景には、保育園での牛乳を飲む習慣がありました。保育園で園児が飲み物を飲むときにほかの子どもたちは牛乳を飲むので、アレルギーの子が牛乳の代わりに飲むものとしてアレルギー用粉ミルクが必要ということでした。

食物負荷試験が今ほど行われていなかった15年前から20年前には、乳製品だけでなく複数種類のアレルゲンのある子が、栄養補助の目的で7歳頃までアレルギー用粉ミルクを飲むよう医師から指示されていた例もあるので、特別な例ではないのかもしれません。
その「補う」目的となる栄養素は、今も昔も変わらず鉄分とカルシウムです。一般的な食生活でも不足気味とよく言われているのが鉄分とカルシウム、ビタミン類ですから、いくつかのアレルゲンがあり食品選択に工夫が必要な食物アレルギーの人にとっても大切なテーマだということが、今回の取り組みを通して改めて印象に残りました。

鉄分補給というと、レバー、ひじき、ホウレンソウの他に、がんもどき、あさり、アーモンドなどに多く含まれると言われていますが、子どもたちが食べるメニューにアレンジするのは大変です。電話の向こうにいるお母さんたちとは、「アレルギー用のシチュールウを使いアサリをたくさん入れてクラムチャウダーにする」話と、「がんもどきをおでんに入れて食べる」話がいちばん盛り上がりました。

以前私が親しくしていた栄養士さんは、「カルシウムをたくさん摂るつもりで魚をメニューに取り入れる人が多いけれど、魚の切り身ではなくて煮干しや干しエビ、ししゃもなどの骨ごと食べるものを選ばないと牛乳の代替になりませんよ。」とよく話していました。キクラゲやマイタケなどのビタミンDも一緒に食べるとカルシウムの吸収を助けてくれるので、私は朝食をつくるときにいつも頭の中で「骨ごと骨ごと」とつぶやきながら、煮干しも一緒に食べるマイタケの味噌汁と、焼きししゃもを定番にしていました。

私たちがこの取り組みでアレルギー用粉ミルクを必要とする方とお話ししたのは、単に粉ミルクを飲む量やアレルギーのことだけではありませんでした。特に、ひとり親や双子など、経済的負担の大きい家庭からは生活に関する切実な相談を受けました。例えば、産休明けの職場復帰を断られる、週5日のパートを1日に減らされる、勤務日数の減少や産休期間の延長によって保育園の入園資格が無くなり就労できなくなるなどの、働く環境の悪化に関する具体的な相談です。
様々な人と電話でお話しするたびに、食生活での工夫もしながら、なんとかこの困難な時期を乗り切ってほしいと祈るような気持ちでいます。

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