食物アレルギーについて、ハウス食品グループがお伝えしたいこと ひとつのお鍋で、家族をひとつに。

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赤城智美さんコラム

食物アレルギーについて、赤城さんご自身の経験をもとにさまざまなエピソードをご紹介します。

コラム Vol.21
チョコレートの空き箱を
おやつの引き出しに
しまう

卵、乳、小麦がアレルゲンでもおやつの種類は全くないわけではありません。子どもが小学校低学年の頃は、ラムネ、キャンディー、キャロブチョコレート(キャロブはマメ科の植物で、果肉を乾燥させて粉末状にしたものは風味がチョコレートによく似ています)、塩せんべい、ようかん、コロポ(豆の粉で作った揚げせんべい)、干し柿、果物、ゼリー、酢昆布、とんがりコーン、するめ、ポップコーン、スティック野菜、雑穀や米粉で作ったケーキ、などなどを食べていました。乳の解除が進んでいない頃、チョコレートだけは「子どもの爪の大きさぐらい」しか食べられないので大人の管理の下で食べていました。

子どもは鍵っ子だったので、学校から帰ると少しおやつを食べてから隣に住む祖母の家に行っていました。そこで子どもが自分で選べるように、常温保存のおやつを詰めた「おやつの引き出し」を作りました。小さい頃からアレルギー対策を考えて食べる分量を決めてお皿に出す癖をつけていたので、食べ過ぎることなく本人が管理していました。

クリスマスに古い友人から手作りのチョコレートが送られてきたことがあって、子どもに食べさせるべきかどうか悩んでいると、「その箱を頂戴」と言うのです。中身を空にするためにパラフィン紙などを捨てようとすると、「そのままそおっと頂戴」と言いました。様子を見ていると子どもは、蓋を少し開けてチョコレートの匂いを吸い込んでからまたさっと蓋をして、おやつの引き出しの底にしまい込みました。「これは特上のチョコだと思うよ」と彼は嬉しそうに言いました。その後何か月もの間、ときどきその空箱を取り出しては蓋を開けて深呼吸し、その後にそっと閉めていました。チョコレートを食べられない子どもが、子どもなりに編み出した「チョコレートの楽しみ方」だったのでしょう。

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