食物アレルギーについて、ハウス食品グループがお伝えしたいこと ひとつのお鍋で、家族をひとつに。

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赤城智美さんコラム

食物アレルギーについて、赤城さんご自身の経験をもとにさまざまなエピソードをご紹介します。

コラム Vol.20
シンちゃんが遊びに来た

同じ団地に住むシンちゃんが一度だけ遊びに来たことがありました。どうしたわけか、雨の日に道端の花を2輪摘んで6歳の子がひとりで来たのです。

「どうしたの?ママにちゃんと言ってきたの?」そんなことを言いながら、子どもと一緒におやつを食べてたくさん遊んで帰る段になると、シンちゃんが私のところにやってきて「僕もアトピー治したい」とぼそっと言いました。シンちゃんのお昼寝の布団は、皮膚をかきむしって小さな血の筋がたくさんついているので「ああ、一時期のうちの子と同じだなあ」と思って見ていました。2歳からずっと同じクラスにいて、我が子は食物アレルギーの診断を受けてアレルゲンを管理するようになってから、布団が血の筋だらけになることがなくなりました。時々誤食して手足に症状が残ったとしても、少し我慢していると必ず解決できるようになっていったのです。シンちゃんはその様子をずっと見ていたのだと思います。

でも、シンちゃんのお母さんはアレルゲン検査をしても特にはっきりした原因は特定できなかった、と言っていました。一人ひとり違うのだということをこの子に今伝えるのはとても難しいな、と思いました。「どうしたら治るかわからないけれどお母さんと一緒に考えてみるからね」と話したのに、数週間してシンちゃんは引っ越してしまいました。

シンちゃんのことを思い出すと、アレルゲンが特定できることの幸せと、特定したアレルゲンと向き合うことの辛さと、いろんなことが錯綜します。

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