食物アレルギーについて、ハウス食品グループがお伝えしたいこと ひとつのお鍋で、家族をひとつに。

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赤城智美さんコラム

食物アレルギーについて、赤城さんご自身の経験をもとにさまざまなエピソードをご紹介します。

コラム Vol.10
お正月の出来事

お正月の祝い膳の席でお客様の対応に追われていたとき、当時5歳の息子を気にかけて親戚のおばさんが傍で面倒を見てくれました。子どもには「かんぴょう巻きだけ食べていてね」と言って席を離れたので、おばさんが伊達巻とかまぼこを小さなお椀に入れて食べさせようとしても息子は食べずにいました。子どもが器を受け取っても困った顔をしているだけなので、おばさんは「嫌いなものだったのかな」と言って、今度はつなぎに卵白を使った海老しんじょのおすましをふうふうと冷まして子どもの椀に移してくれました。離れたところから見ていた私は慌てて駆け寄りました。子どもは食べずにいましたがお椀を持ったまま泣いていました。

保育園や私の職場の同僚の前では「僕ねえ、卵と牛乳と小麦のアレルギーなんだよ」と積極的に説明していたので、初めて会う親戚の中でも大丈夫だと私は勝手に思っていました。親戚とはいえ、お正月や法事で初めて会う人もおり、子どもの食物アレルギーのことをある程度知っている大人たちも談笑している中では、子どもから目を離す瞬間があることはやむを得ないとも思っていました。そして子どもは間違って食べないように母親の言いつけを守ってくれるだろうと楽観していたのです。しかし子どもは無条件で食べ物を勧めてくる初めて会う大人に、何をどう言えばいいのかわからず、親切な思いに報いることもできない後ろめたさも重なって、困った末に涙が出てきたのでしょう。

お正月の一件があってからは「こんなときはこう説明するといいよ」と、子どもなりの人付き合いの手助けを心掛けるようになりました。「自分で意思表示できる」といっても、周囲の状況によっては、子どもにとって難しいときもあると思います。そんなときは、大人が上手にサポートし、子どもの意思表示を後押ししてあげたいですね。

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