食物アレルギー物質の分析方法の開発

食物アレルギーを心配されているお客様に、食品中のアレルギー物質に関する正確な情報を提供できる様に、種々の分析方法を開発しています。2008年6月に新たに表示が義務付けられたエビ、カニを検出する方法をはじめ、DNA増幅技術を活用して開発した分析方法をご紹介します。

食物アレルギー物質の分析方法

エビPCR検出法、カニPCR検出法

アレルギー症状を起こす恐れのある食品として製品への表示が義務付けられる原材料(卵、乳、小麦、ソバ、落花生)に、2008年6月、「エビ」と「カニ」が追加されました。この表示制度の改定に対応して、世界に先駆けて「エビ」と「カニ」とを識別できるPCR検出法(注)を開発しました。この方法を、「エビ」あるいは「カニ」だけにアレルギー症状を示す患者さん達の食の選択の幅を広げることに役立てていただければと考えています。
なお、これら二つのPCR検出法につきましては、2009年1月22日付の厚生労働省医薬局食品保健部長通知「アレルギー物質を含む食品の検査方法について」(食安発第0122001号)に収載されました。また、技術のライセンス先である株式会社ファスマックより、試薬キット「えび検出用プライマー」、「かに検出用プライマー」として販売されております。

写真:エビ・カニ


注  PCR(ポリメラーゼ連鎖反応:polymerase chain reaction)検出法
PCR検出法では、試料に含まれるDNAの中から、特定のDNA断片だけを選択的に増やすことにより、アレルギー症状を起こす恐れのある原材料を極めて高い感度で検出できます。

ソバ、小麦、落花生、大豆PCR検出法

主要な食物アレルギー物質として知られている、表示義務品目の「ソバ」、「落花生」、「小麦」や、表示推奨品目の「大豆」のPCR検出法を開発しました。既存の検出法と比べて感度良く、かつ、アレルギー症状を起こす潜在的リスクを持つ野生種や近縁種なども含めて検出できる方法となっています。また、「ソバ」については、混入の有無だけではなく、混入量を分析できる定量PCR法も併せて開発しました。

左:賞状 右:論文の1ページ目が印刷された金属製の盾

「ソバPCR検出法」に関する論文が、日本農芸化学会より英文誌(Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry誌)の2005年度論文賞を受賞しました。 左は賞状、右は論文の1ページ目が印刷された金属製の盾です。 2005年度は約270件から8件が選ばれました。

果物PCR検出法

果物アレルギーの主なものとしては口腔アレルギー症候群があり、花粉症やラテックスアレルギーとの関連が報告されています。表示推奨品目の中には、「キウイフルーツ」、「モモ」、「リンゴ」、「オレンジ」、「バナナ」の5品目の果物があります。果物の中では症状が重篤で症例数が多い「キウイフルーツ」のほか、「モモ」、「リンゴ」について、PCR検出法を開発しました。

研究成果の外部発表

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