経営成績

1.経営成績に関する分析

(1)当期の経営成績

当連結会計年度における経営環境は、株価の上昇や所得環境の改善がみられるなど緩やかな回復基調が続きました。食品業界におきましては、円安や新興国需要の拡大を背景にコスト上昇圧力が継続する一方、消費税増税もあり消費動向の不透明感は依然強く、予断を許さない状況が続きました。

このような環境下におきまして、当社グループは平成25年3月期からの3カ年を対象とした第次中期計画の最終年度を迎え、アクションプランの仕上げに向けた取組と並行して、第五次中期計画への仕込みを進め、企業価値の向上に努めました。

売上面につきましては、コア育成事業と位置付ける海外事業が展開エリア毎に事業規模を拡大いたしましたが、香辛・調味加工食品事業、健康食品事業の国内コア2事業が減収となり、当連結会計年度の売上高は2,314億48百万円、前期比0.5%の減収となりました。

利益面につきましては、香辛・調味加工食品事業、海外事業は増益となりましたが、運送・倉庫事業における物流コストの大幅増や健康食品事業のマーケティングコスト増加などにより、営業利益は86億86百万円、前期比9.4%の減益となりました。経常利益は109億57百万円、前期比0.0%の減益(前期から5百万円の減益)、当期純利益は特別利益が大幅に減少しましたことから69億71百万円、前期比20.7%の減益となりました。


セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。


<香辛・調味加工食品事業>

ルウカレー・シチュー製品は、ブランド力の維持強化に向け販促費の運用見直しに注力する一方、新しい切り口のメニュー提案による市場活性化に努めたことで、減収ではありますが収益力を若干改善する結果となりました。また、発売35周年を迎えた「うまかっちゃん」などのラーメン製品も好調に推移しております。

一方レトルト製品は、中価格帯製品育成に向けた取組を進めたものの、消費税増税の影響や競合激化から低調な推移となりました。

以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,221億21百万円、前期比2.7%の減収となりました。利益面では、原材料・エネルギーコストの上昇影響は大きいものの、マーケティングコストの効果的運用やコスト競争力強化の取組効果もあり、営業利益は75億36百万円、前期比8.6%の増益となりました。

<健康食品事業>

「ウコンの力」シリーズは、他社製品との競合が激化する中、高機能バラエティ製品の投入によるヘビーユーザーの支持拡大を狙いましたが、期待通りの成果を実現するには至らず低調に推移いたしました。

C1000」シリーズは、瓶製品に注力する一方でPET製品の収益構造改善に取り組み、収益力の改善に努めております。また、新製品「サムライド」を発売して積極的にマーケティングコストを投入いたしましたが、市場への定着には至っておりません。

以上の結果、健康食品事業の売上高は366億41百万円、前期比7.3%の減収となりました。利益面では、新製品・バラエティ製品へのマーケティングコストが嵩み、営業利益は9億33百万円、前期比41.1%の減益となりました。

<海外事業>

米国豆腐事業は、取扱い店舗の拡大や大豆関連製品の拡充などの取組が奏功したことに加え、一昨年10月の価格改定効果や大豆価格の安定も寄与し、増収増益となりました。

中国カレー事業は、第2生産拠点の稼働に加え、マーケティングコストの積極投下や営業体制の拡充など、事業拡大に向けた先行投下を進めたことで、減益ではありますが大幅な増収となりました。

カレーレストラン事業は、エリア毎の経営基盤整備や多店舗化に向けた業態開発を進め増収を確保いたしましたが、中国都市部での飲食店の競合激化や出店コスト上昇などにより、減益となりました。

東南アジア事業は、タイのビタミン機能飲料事業が、CVSチャネルでの販促企画や伝統的チャネルでの取扱い拡大により、事業開始3期目で初の黒字化を達成するなど順調な立ち上がりをみせております。

以上の結果、海外事業の売上高は246億89百万円、前期比25.1%の増収、営業利益は10億88百万円、前期比76.4%の増益となりました。

<その他食品関連事業>

運送・倉庫事業を営むハウス物流サービス㈱は、エネルギー・傭車コストの上昇に加え、グループ外物流業務の新規受託に伴う一時的コストの発生が利益を大きく押し下げ、通期営業損失となりました。しかしながら、物流拠点の集約や抜本的なコストダウン活動により損失幅は縮小傾向にあります。

コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営む㈱デリカシェフは、2月より新工場の稼働を開始し、拡大する中食市場における事業展開力と収益力の強化を図っております。

食材の輸入・販売等を営むヴォークス・トレーディングは、当期より決算期を12月に変更しており、当期は10カ月の変則決算となっております。

以上の結果、その他食品関連事業の売上高は479億97百万円、前期比0.4%の増収、利益面では運送・倉庫事業のコスト増や総菜新工場立ち上げに伴う一時的なコストの発生などにより、8億70百万円の営業損失(前期は営業利益4億51百万円)となりました。

(2)次期の見通し

当社グループを取り巻く経営環境は、国内成熟市場における消費の変化や原材料価格の上昇など、依然不透明な状況が続くものと思われます。

本年4月よりスタートした第五次中期計画では、グループ理念の実現をめざして“「食で健康」クオリティ企業への変革”をテーマに掲げ、「事業戦略」「資本政策」「機能強化の取組」などの基本的考え方のもと、具体的取組を策定、実行してまいります。

次期につきましては、国内コア事業の香辛・調味加工食品事業は、今年2月に実施した一部製品の価格改定の市場定着に努め、既存製品のブランド力、コスト競争力の強化を図るとともに、お客さまの食の変化への迅速な対応を進め、新たな価値を創出するべく取り組んでまいります。同じくコア事業である健康食品事業は、「ウコンの力」「C1000」のブランド価値を高めて事業基盤を再構築するとともに、次の柱の育成に向けた取組を進めてまいります。

コア育成事業と位置づける海外事業においては、成長市場における事業拡大のスピードアップと収益力の強化という2つのテーマを遂行してまいります。また、平成27年3月期の連結業績に大きな影響を及ぼしたその他食品関連事業においては、各々の事業基盤の安定化とグループ間シナジーの追求により、収益力を向上してまいります。

以上により、次期連結会計年度の売上高は2,460億円(前期比+6.3%)、営業利益は115億円(前期比+32.4%)、経常利益は129億円(前期比+17.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は89億円(前期比+27.7%)を予定しております。

2.財政状態に関する分析

(1)資産、負債および純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて127億81百万円増加し2,861億49百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて55億82百万円増加し1,231億34百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて71億98百万円増加し1,630億16百万円となりました。

流動資産の増加の主な要因は、有価証券が49億47百万円増加したことなどによるものです。

固定資産の増加の主な要因は、建設仮勘定や投資有価証券が減少した一方、建物及び構築物や機械装置及び運搬具、退職給付に関する会計基準等の適用により退職給付に係る資産が増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて14億21百万円増加し646億93百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて29億27百万円減少し463億3百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて43億49百万円増加し183億90百万円となりました。

流動負債の減少の主な要因は、未払法人税等や短期借入金、支払手形及び買掛金、未払金が減少したことなどによるものです。

固定負債の増加の主な要因は、保有する投資有価証券の時価上昇により繰延税金負債が増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末の純資産は、退職給付に関する会計基準等の適用や自己株式の消却により利益剰余金が減少した一方、当期純利益による利益剰余金の増加や保有する投資有価証券の時価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加、また、退職給付に係る調整累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べて113億59百万円増加の2,214億56百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の76.4%から76.9%となり、1株当たり純資産が1,974円31銭から2,140円27銭となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー84億28百万円に対し、「有形固定資産の取得」「投資有価証券の取得」などの投資活動によるキャッシュ・フロー46億79百万円、「短期借入金の返済」「短期借入れ」「配当金の支払」などの財務活動によるキャッシュ・フロー105億88百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は438億32百万円となり、期首残高より57億54百万円減少いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は84億28百万円(前期比3億90百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益118億93百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、税金等調整前当期純利益の減少(前期比15億31百万円)、投資有価証券売却損益の増加(前期比12億3百万円)、売上債権の増減額(前期比9億69百万円)、法人税等の支払額の増加(前期比9億68百万円)、棚卸資産の増減額(前期比5億37百万円)、仕入債務の増減額(前期比+46億83百万円)などが主な要因であります。

投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は46億79百万円(前期比+27億92百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出87億10百万円、投資有価証券の取得による支出49億20百万円、有価証券の取得による支出45億77百万円、定期預金の預入による支出40億30百万円、有価証券の売却による収入76億30百万円、定期預金の払戻による収入65億23百万円、投資有価証券の売却による収入38億83百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増加は、定期預金の預入による支出の減少(前期比+80億10百万円)、投資有価証券の売却による収入の増加(前期比+35億64百万円)、投資有価証券の取得による支出の減少(前期比+26億12百万円)、有価証券の売却による収入の増加(前期比+11億30百万円)、定期預金の払戻による収入の減少(前期比86億18百万円)、有形固定資産の売却による収入の減少(前期比30億60百万円)、有価証券の取得による支出の増加(前期比20億77百万円)などが要因であります。

財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は105億88百万円(前期比105億19百万円)となりました。これは主に自己株式の取得による支出54億94百万円、配当金の支払額36億58百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、短期借入金の返済による支出の増加(前期比208億11百万円)、自己株式の取得による支出の増加(前期比54億91百万円)、短期借入れによる収入の増加(前期比+163億58百万円)などが要因であります。

3.利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当

当社グループは、株主のみなさまへの利益還元を経営の最重要課題の一つと位置づけ、収益性の向上と財務体質の強化に努めるとともに、業績・事業計画などを総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本方針としております。

この方針のもと、配当金につきましては連結ベースで配当性向30%以上を基準とした安定的な配当をめざしてまいります。

内部留保金につきましては、将来を見据えた製造設備・研究開発などの投資や新たな事業展開のために活用してまいりたいと考えております。

当期の期末配当につきましては、1株当たり15.00円を予定しており、中間配当15.00円と合わせて、年間配当は、前期に対し5円減の1株当たり30.00円(前期末は創業100周年記念配当5.00円を実施)となる予定です。

次期の配当につきましては、1株当たり年間30.00円(中間配当15.00円)を予定しております。

なお、平成26年5月8日の取締役会決議に基づき、当期中に3,000,000株の自己株式を取得するとともに、平成26年7月7日に3,003,073株の自己株式の消却を実施しました。この結果、発行済株式総数は102,758,690株となりました。自己株式取得につきましては、事業環境や資金需要、株価・市場動向などを勘案するなかで、今後も機動的に実施してまいります。

4.事業等のリスク

当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、当社グループは、これらのリスク発生(顕在化)の可能性を認識し、発生の抑制・回避および発生時の対応に努めてまいります。

(1)食品の安全性の問題

食品業界におきましては、消費者の品質に対する要求は一段と高まってきております。当社では、製品品質を保証する専門部署である品質保証統括部を中心にしたトレーサビリティの仕組みの構築をはじめ、外部有識者を交えたグループ品質保証会議の開催など品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、社会全般にわたる品質問題など、上記の取組の範囲を超えた事象が発生し、当社グループ製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、または当社グループ製品に直接関係がない場合であっても、風評などにより当社グループ製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(2)天候や自然災害・重篤な感染症の大流行

当社グループの事業は、冷夏・猛暑・暖冬などの天候要因や、大規模な自然災害の発生・重篤な感染症の大流行により、業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

大規模災害発生・重篤な感染症の大流行に際しては、直ちに対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築するとともに、食品企業の使命として製品支援・製品供給を第一に考え、生産・供給体制を整備いたします。また、当社グループで災害発生による損害が発生した場合に、いち早く事業を復旧するため、毎年、事業継続計画を見直しております。

(3)原材料の調達および価格の変動

当社グループ製品の主要原材料は、小麦粉・香辛料などの農産物および材に使用する石油化学製品などであり、原産地での異常気象や紛争の発生、法律または規制の予期しない変更などにより安定調達が困難になるリスクや、さらに需給関係や場の変動などによる価格高騰で製造コストが上昇し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

また、当社グループは、原材料の一部を海外から調達しており、為替変動の影響を受ける可能性があります。中長期的な為替変動は、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(4)海外事業におけるリスク

当社グループは、米国・中国・台湾・韓国・タイ・ベトナムなど海外において、豆腐製品、カレー製品などの製造・販売、レストランのチェーン展開など食品関連の諸事業を行っております。これらの国々での景気後退・政治的問題、食品の安全性を脅かす事態の発生などにより、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

5)保有資産の価値変動

当社グループは、様々な資産を保有しておりますが、土地や有価証券などの資産価値が下落することにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(6)法的規制などの影響

当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類および不当表示防止法、環境・リサイクル関連法規などの各種規制や、海外進出先における現地法令などの適用を受けております。当社グループといたしましては各主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、法的規制の強化、新たな規制などによって事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(7)情報・システム管理におけるリスク

当社グループは、開発・生産・物流・販売などの情報や、販売促進キャンペーン、通信販売などによる多数のお客さまの個人情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、災害によってソフトウェアや機器が被災した場合のシステム作動不能や内部情報の消失、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウィルス感染などによって、システム障害や情報漏洩、改ざんなどの被害を受ける可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。

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