経営成績

1.経営成績に関する分析

(1)当期の経営成績

当連結会計年度における経営環境は、年度末にかけて、新政権の政策の打ち出しが好感され、過度な円高の修正、株式市場の活況など、景気持ち直しへの期待感が膨らんでまいりました。

一方で、内需型の食品業界においては、未だ景気回復の実感が乏しい状況であり、長期化したデフレ傾向反転の兆しは見えず、円高修正による原包材・燃料コストの上昇懸念が高まるなど、予断を許さない経営環境となっております。

このような環境のなか、当社グループは“食を通じて、家庭の幸せに役立つ”という理念のもと、当連結会計年度より第次中期計画を開始し、各事業における成長戦略の実現に向けた取組を進めております。

その初年度となる当期、国内の2つのコア事業である香辛・調味加工食品事業、健康食品事業が、震災特需の想定以上の反動や、お客さまの食生活パターンの変化による影響などにより、売上が大きく下回ったことに加え、競争激化による売価下落圧力からマーケティングコストが増加したこともあり、厳しい業績となりました。一方、コア育成事業の海外事業は、米国豆腐事業、中国カレー事業を中心に着実に成長が図れており、特に中国カレー事業が通期で黒字転換するなど、収益面でも貢献してきております。

以上により、当連結会計年度の連結売上高は2,097億84百万円、前期比2.1%の減収、連結営業利益は114億41百万円、前期比18.6%の減益、連結経常利益は134億45百万円、前期比13.3%の減益、連結当期純利益は、特別損失が大幅に減少しましたことから82億54百万円、前期比4.1%の増益となりました。


セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。


<香辛・調味加工食品事業>

香辛・調味加工食品事業は、震災特需の反動を受けたことに加え、メニュー間競合、デフレ環境下での価格競争の激化などにより、全体では軟調な結果となりました。このような市場環境を受け、ルウカレー、ルウシチュー製品は、当期「こくまろカレー」のリニューアル、「コクの贅沢シチュー」の新発売により低価格帯製品ポジションを強化し、来期に向けて価格帯別のフルライン戦略を強化する体制を整備いたしました。また、スパイス製品はパンの新しい食べ方を提案したシーズニングスパイス「パパン」が売上に寄与し、底堅く推移しました。

以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,238億75百万円、前期比4.2%の減収となりました。利益面では、主力製品群の苦戦や販売促進費率の上昇などから、営業利益は81億57百万円、前期比17.9%の減益となりました。

<健康食品事業>

健康食品事業では、「ウコンの力」シリーズがお客さまのお酒への接し方の変化や競合製品との販売競争の影響を受け、また、「C1000」シリーズは、震災後の需要増の反動の影響が大きく、共に苦戦を強いられました。一方、育成ブランドとして注力している「メガシャキ」は、積極的なマーケティング展開による購買層の拡大や、「メガシャキガム」発売によるブランド相乗効果の高まりから、売上は伸長しております。

以上の結果、健康食品事業の売上高は427億66百万円、前期比7.0%の減収となりました。利益面では、主力ブランドにおける減収などが影響し、営業利益は19億3百万円、前期比24.8%の減益となりました。

<海外事業>

次中期計画においては、海外事業をコア育成事業と位置付け、3つのエリア(米国・中国・東南アジア)ごとに独立した事業推進体制を整備し、事業展開をより加速させるべく取組を進めております。

米国の豆腐事業は、積極的なプロモーション活動が奏功したことなどにより、増収となりましたが、大豆価格高騰の影響などから減益となりました。

中国のカレー事業は、継続的な市場開拓、啓発活動により、家庭用、業務用ともに日本式カレーの認知拡大が進み、増収となりました。利益面でも増収効果に加え、販売促進費の効果的な運用を進めたことなどにより、通期で初めて黒字化を達成いたしました。

東南アジアでは、タイにおいて、前年7月に機能性飲料製品を発売し、コンビニエンスストアを中心に取扱拡大が進んでおります。なお、ベトナムにおいては、本年4月に加工食品製造工場が稼働し、新たな需要創造の取組を開始いたします。

カレーレストラン事業は、中国・台湾・韓国エリアを中心に店舗拡大を進め、売上、利益とも大幅に伸長いたしました。

以上の結果、海外事業の売上高は147億円、前期比25.0%の増収、営業利益は6億77百万円、前期比3.9%の増益となりました。

<運送事業

グループ会社ハウス物流サービスの運送・倉庫事業は、グループ外企業の物流業務の受託拡大が進んだ結果、増収となりましたが、燃料費や傭車費の増加などの影響から減益となりました。また、コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営むグループ会社デリカシェフは、デザート類の売上が好調だったことに加え、継続したロス削減活動による材料費率の低下などもあり、増収増益となりました。

以上の結果、運送事業の売上高は284億43百万円、前期比4.1%の増収、営業利益は7億1百万円、前年同期比25.0%の減益となりました。

(2)次期の見通し

海外景気の下振れが懸念されるなか、国内市場の縮小や原包材・燃料価格の上昇が見込まれるほか、消費者ニーズの多様化が進んでおり、当社グループを取り巻く環境は依然不透明な状況が続くものと思われます。

このような環境下で、当社は創業100周年という節目の年を迎えます。“食を通じて、家庭の幸せに役立つ”という理念のもと、次の100年に向け、お客さまに対して役立つ価値を提供し続けることで、“新価値創造、健康とおいしさ発信企業”の実現に向けた取組をより一層進めてまいります。

併せて、平成24年4月よりスタートした第次中期計画で掲げる「国内コア事業の成長と収益力強化および海外コア育成事業の展開加速」「成長・拡大していくための最適な組織体制の構築」「開発力・コスト競争力の強化推進」に向けた取組をさらに推進してまいります。

なお、当社グループは平成25年10月1日(予定)をもって、持株会社体制への移行を計画しております。これにより、各事業部門がそれぞれの価値創造力を高め、グループ全体の企業価値を最大化する経営体制を構築してまいります。

国内においては、香辛・調味加工食品事業と健康食品事業の2つの食品事業をコア事業として、ブランド力およびコスト競争力を高めるとともに、企業にとっての新陳代謝である新製品開発力の向上に継続して取り組み、収益力の強化と成長性の確保に努めてまいります。

海外においては、3つのエリア(米国・中国・東南アジア)ごとに独立した事業推進体制のもと、エリアごとの積極的な展開により新たな需要を創造し、「海外展開の加速」を実現してまいります。

米国では、健康に対する意識の高まりを受けて、増収基調が続く豆腐事業をさらに拡大するとともに、大豆関連製品の拡充を図ってまいります。また中国では、今年度末に向け、中国国内の各事業を統括し、効率的な事業投資や資金管理を可能とする統括会社(投資性公司)の設立を計画し、事業展開を強力に推進する体制を整備してまいります。東南アジアにおいては、昨年機能性飲料を発売したタイに続いて、ベトナムでも粉末デザートを発売し事業を開始するなど、マーケティングコストも積極的に投下し、事業基盤を構築してまいります。カレーレストラン事業は、中国・台湾・韓国を中心に積極的な出店による事業拡大に引き続き取り組んでまいります。

以上により、次期連結会計年度の連結売上高は2,330億円(前期比+11.1%)、連結営業利益は125億円(前期比+9.3%)、連結経常利益は140億円(前期比+4.1%)、連結当期純利益は88億円(前期比+6.6%)を予定しております。

2.財政状態に関する分析

(1)資産、負債および純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて106億88百万円増加し2,507億80百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて30億29百万円減少し1,071億35百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて137億18百万円増加し1,436億45百万円となりました。

流動資産の減少の主な要因は、債券等の取得により現金及び預金が41億4百万円減少したことなどによるものであります。

固定資産の増加の主な要因は、投資有価証券が時価評価等により103億62百万円増加したほか、米国における工場増設等により建物及び構築物が11億52百万円、当社大阪本社の新築工事等により建設仮勘定が6億29百万円増加したことなどによるものであります。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて6億2百万円増加し514億52百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて15億93百万円減少し395億15百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて21億95百万円増加し119億38百万円となりました。

流動負債の減少の主な要因は、未払法人税等が13億17百万円減少したことなどによるものであります。

固定負債の増加の主な要因は、繰延税金負債が25億31百万円増加した一方、退職給付引当金が3億54百万円減少したことなどによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて100億86百万円増加の1,993億28百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の78.6%から79.2%となり、1株当たり純資産が1,768円27銭から1,879円06銭となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー128億84百万円に対し、「有形固定資産の取得」等の投資活動によるキャッシュ・フロー18億41百万円、「自己株式の取得」・「配当金の支払」等の財務活動によるキャッシュ・フロー49億43百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は477億15百万円となり、期首残高より65億25百万円増加いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は128億84百万円(前期比42億14百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益132億38百万円によるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、法人税等の支払額の増加(前期比12億33百万円)、仕入債務の増減額(前期比10億8百万円)、のれん償却額の減少(前期比6億55百万円)などが主な要因であります。

投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は18億41百万円(前期比172億28百万円)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出93億28百万円、定期預金の預入による支出70億4百万円、定期預金の払戻による収入123億52百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増加は、定期預金の払戻による収入の増加(前期比98億2百万円)、定期預金の預入による支出の減少(前期比54億65百万円)などが主な要因であります。

財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は49億43百万円(前期比21億7百万円)となりました。これは主に配当金の支払額31億86百万円、自己株式の取得による支出13億8百万円などによるものであります。

また前連結会計年度に比べての減少は、自己株式の取得による支出の増加(前期比13億6百万円)が主な要因であります。

3.利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当

当社グループは、株主のみなさまへの利益還元を経営の最重要課題の一つと位置づけ、収益性の向上と財務体質の強化に努めるとともに、業績・事業計画などを総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本方針としております。

この方針のもと、配当金につきましては連結ベースで配当性向30%以上を基準とした安定的な配当をめざしてまいります。

内部留保金につきましては、将来を見据えた製造設備・研究開発などの投資や新たな事業展開のために活用してまいりたいと考えております。

当期の期末配当につきましては、1株当たり15円を予定しており、中間配当15円と合わせて、年間配当は前年に対し2円増配の1株当たり30円となる予定です。

次期の配当につきましては、平成25年11月に創業100周年を迎えることから、株主のみなさまに感謝の意を表するため、期末配当において1株につき15円の普通配当に加え、5円の記念配当を実施し、年間配当は1株当たり35円(中間配当15円)を予定しております。

なお、平成24年7月25日の取締役会決議に基づき、1,000,000株の自己株式を取得するとともに、平成24年11月9日に1,003,659株の自己株式の消却を実施しました。この結果、発行済株式総数は105,761,763株となりました。自己株式取得につきましては、事業環境や資金需要、株価・市場動向などを勘案するなかで、今後も機動的に実施してまいります。

4.事業等のリスク

当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、当社グループは、これらのリスク発生(顕在化)の可能性を認識し、発生の抑制・回避および発生時の対応に努めてまいります。

(1)食品の安全性の問題

食品業界におきましては、消費者の品質に対する要求は一段と高まってきております。当社では、製品品質を保証する専門部署である品質保証部を中心にしたトレーサビリティの仕組みの構築をはじめ、外部見識者を交えた品質保証会議の開催など品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、社会全般にわたる品質問題など、上記の取組の範囲を超えた事象が発生した場合や風評被害などにより当社製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、または当社製品に直接関係がない場合であっても、風評などにより当社製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(2)天候や自然災害

当社グループの事業は、冷夏・猛暑・暖冬などの天候要因や、大規模な自然災害の発生により、業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

大規模災害発生に際しては、直ちに対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築するとともに、食品企業の使命として製品支援・製品供給を第一に考え、生産・供給体制を整備いたします。また、当社グループで災害発生による損害が発生した場合に、いち早く事業を復旧するため、毎年、事業継続計画を見直しております。

(3)原材料の調達および価格の変動

当社グループ製品の主要原材料は、小麦粉・香辛料などの農産物および材に使用する石油化学製品などであり、原産地での異常気象や紛争の発生、法律または規制の予期しない変更などにより安定調達が困難になるリスクや、さらに需給関係や場の変動などによる価格高騰で製造コストが上昇し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

また、当社グループは、原材料の一部を海外から調達しており、為替変動の影響を受ける可能性があります。中長期的な為替変動は、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(4)海外事業におけるリスク

当社グループは、米国・中国・台湾・韓国・タイ・ベトナムなど海外において、豆腐製品、カレー製品などの製造・販売、レストランのチェーン展開など食品関連の諸事業を行っております。これらの国々での景気後退・政治的問題、食品の安全性を脅かす事態の発生などにより、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(5)保有資産の価値変動

当社グループは、様々な資産を保有しておりますが、土地や有価証券などの資産価値が下落することにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(6)法的規制などの影響

当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、環境・リサイクル関連法規などの各種規制や、海外進出先における現地法令などの適用を受けております。当社グループといたしましては各主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、法的規制の強化、新たな規制などによって事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります

(7)情報・システム管理におけるリスク

当社グループは、開発・生産・物流・販売などの情報や、販売促進キャンペーン、通信販売などによる多数のお客さまの個人情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、災害によってソフトウェアや機器が被災した場合のシステム作動不能や内部情報の消失、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウィルス感染などによって、システム障害や情報漏洩、改ざんなどの被害の可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。

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