経営成績

1.経営成績に関する分析

(1)当期の経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、東日本大震災後の混乱の中に幕を開け、復興問題、電力問題、歴史的な円高、欧州債務危機といった産業全般に影響を及ぼすような根幹的な与件に直面し、非常に変動要素の大きい不透明な状況が続いております。また、内需産業においては、原材料価格が上昇する一方で、震災後の特需が一巡した後はデフレが再燃したことから、川上と川下の双方に課題を抱える環境下に至っております。

当社グループにとって、当連結会計年度は「新しい需要の創造」と「グループ総合力の向上」をテーマとする第三次中期計画の最終年度にあたり、このような経営環境ので節目を迎えることになりました。

売上面におきましては、国内において期初には震災後の買い置き需要はあったものの、一巡後にはデフレ環境下で厳しい企業運営を迫られました。また、「ウコンの力」シリーズが震災後の自粛ムードによる市場低迷などの影響を受けたほか、前期5月にミネラルウォーター事業を売却したことなどから、海外事業においては進出各エリアとも事業拡大を果たせたものの、当連結会計年度の連結売上高は2,143億17百万円と、前期比1.1%の減収となりました。

一方利益面では、原材料価格の上昇や「ウコンの力」シリーズの減収がありましたが、ハウスウェルネスフーズ株式取得時ののれん償却負担の減少やグループ会社の収益向上、コストダウンの取組を進めたことなどから、連結営業利益は140億53百万円、前期比16.4%の増益、連結経常利益は155億2百万円、前期比19.0%の増益、連結当期純利益は79億28百万円、前期比51.0%の増益となりました。


セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。


<香辛・調味加工食品事業>

香辛・調味加工食品事業は、震災の影響による内食回帰傾向のなか、ラーメン、スパイス、レトルト、デザート製品が売上を着実に伸ばしたことに加え、取引先開拓により業務用製品が好調に推移しました。一方、年度後半のデフレ傾向のなか、低価格帯製品との競合がみられた一部ルウカレーおよびルウシチュー製品が苦戦を強いられたことから、売上高は1,292億47百万円、前期比0.5%の増収にとどまりました。

一方利益面につきましては、継続的なコスト競争力強化に努めたものの、原材料価格上昇の影響を大きく受けたこと、売価下落への対応で拡売費が上昇したことなどから、営業利益は99億33百万円、前期比13.9%の減益となりました。

<健康食品事業>

当社で行う健康食品事業は、主力の「ウコンの力」シリーズが震災後の自粛ムードによる市場低迷に加え、お客さまのお酒への接し方に変化がみられたことや競合製品の新発売などにより、前年実績を確保することはできませんでした。グループ会社のハウスウェルネスフーズも受注生産品の採算改善の取組を行った結果減収となり、健康食品事業トータルの売上高は459億92百万円、前期比7.3%の減収となりました。

一方利益面につきましては、ハウスウェルネスフーズ株式取得時ののれん償却負担が大きく減少したことから、営業利益は25億32百万円、前期比23億32百万円の増益となりました。

<海外事業>

海外事業は進出各エリアで事業拡大および収益基盤強化を進めることができました。米国の大豆事業は、大豆価格の高騰を吸収するべく前年6月に実施しました主力製品の価格改定が市場に問題なく受け入れられたほか、積極的なマーケティング活動も奏功し、増収増益となりました。

中国の加工食品事業は、レトルト製品が目標を下回りましたが、ルウ製品では家庭用製品の販売促進活動に注力したことや業務用製品の取扱ルート拡大に努めた結果、全体では増収となり、黒字化には至らないものの損益も改善傾向にあります。

レストラン事業は、アジアで進出している中国・台湾・韓国の各エリアとも、お客さまから高いご支持をいただき、店舗数も拡大することができましたことから、売上・利益とも大幅に伸長いたしました。

以上の結果、海外事業の売上高は117億62百万円、前期比11.8%の増収、営業利益は6億51百万円、前期比86.1%の増益となりました。

<運送事業他>

グループ会社ハウス物流サービスの運送・倉庫事業は、グループ外企業の物流業務受託が引き続き拡大しましたことなどから、前年実績を大きく上回りました。

しかしながら、当セグメントに含めておりました当社のミネラルウォーター事業を前期に事業譲渡いたしましたことから、運送事業の売上高は273億15百万円、前期比2.4%の減収となりました。営業利益は、グループ会社の収益改善の取組が進んだことなどから、9億35百万円の黒字(前期は営業損失16百万円)を確保いたしました。

(2)次期の見通し

国内市場の縮小や原材料価格の上昇が予想されるなど、当社グループを取り巻く環境は依然厳しいものがありますが、本年4月よりスタートした第次中期計画では、「海外展開の加速」「成長・拡大していくための最適な組織体制の構築」「開発力・コスト競争力の強化推進」に向けた取組を着実に推進してまいります。

国内における香辛・調味加工食品事業と健康食品事業の2つの食品事業をコア事業として、ブランド力およびコスト競争力を高めるとともに、企業にとっての新陳代謝である新製品開発力の向上に継続して取り組み、収益力の強化と成長性の確保に努めてまいります。

海外においては、3つのエリア(米国・中国・東南アジア)ごとに独立した事業推進体制を整備し、事業拡大を具現化してまいります。米国の大豆事業では、生産設備の増強も実施し、さらなる事業拡大に注力してまいります。中国の加工食品事業では、業務用市場の開拓に努めるとともに、家庭用市場においても積極的なマーケティング活動を展開し、日本式カレーの普及をこれまで以上に進めてまいります。レストラン事業では、フランチャイズシステムの活用も含めて、積極的な出店による事業拡大に取り組んでまいります。また、東南アジアにおいては、前期に現地企業と合弁で事業展開を開始したタイで今夏、機能性飲料を市場導入するほか、当社100%出資のグループ会社を設立したベトナムでは、現地生産に向けて工場建設に着手しております。

以上により、次期連結会計年度の連結売上高は2,180億円(前期比+1.7%)、連結営業利益は148億円(前期比+5.3%)、連結経常利益は162億円(前期比+4.5%)、連結当期純利益は104億円(前期比+31.2%)を予定しております。

2.財政状態に関する分析

(1)資産、負債および純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて112億81百万円増加し2,400億92百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて105億21百万円増加し1,101億65百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて7億60百万円増加し1,299億27百万円となりました。

流動資産の増加の主な要因は、債券の取得により有価証券が48億12百万円増加したほか、現金及び預金が44億9百万円増加したことなどによるものであります。

固定資産の増加の主な要因は、償却によりのれんが13億64百万円減少した一方、債券・株式等の取得などにより投資その他の資産が31億62百万円増加したことなどによるものであります。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて33億38百万円増加し508億50百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて33億52百万円増加し411億8百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて15百万円減少し97億42百万円となりました。

流動負債の増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が17億74百万円増加したほか、未払金が10億99百万円増加したことなどによるものであります。

固定負債の減少の主な要因は、繰延税金負債が2億31百万円増加した一方、退職給付引当金が1億59百万円、リース債務が1億11百万円減少したことなどによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて79億43百万円増加の1,892億42百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の79.1%から78.6%となり、1株当たり純資産が1,694円59銭から1,768円27銭となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー170億98百万円に対し、「有形固定資産の取得」等の投資活動によるキャッシュ・フロー△190億69百万円、「自己株式の取得」・「配当金の支払」等の財務活動によるキャッシュ・フロー△28億36百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は411億90百万円となり、期首残高より49億1百万円減少いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は170億98百万円(前期比14億70百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益128億86百万円、減価償却費53億56百万円によるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、のれん償却額の減少(前期比27億60百万円)、棚卸資産の増減額(前期比16億48百万円)と税金等調整前当期純利益の増加(前期比+33億5百万円)などが主な要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は190億69百万円(前期比88億41百万円)となりました。これは主に定期預金の預入による支出124億69百万円によるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、定期預金の預入による支出の増加(前期比105億4百万円)などが主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は28億36百万円(前期比+36億30百万円)となりました。これは主に配当金の支払額25億67百万円によるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増加は、自己株式の取得による支出の減少(前期比+39億79百万円)が主な要因であります。

3.利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当

当社グループは、株主のみなさまへの利益還元を経営の最重要課題の一つと位置づけ、収益性の向上と財務体質の強化に努めるとともに、業績・事業計画などを総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本方針としております。

この方針のもと、配当金につきましては連結ベースで配当性向30%以上を基準とした安定的な配当をめざしてまいります。

内部留保金につきましては、将来を見据えた製造設備・研究開発などの投資や新たな事業展開のために活用してまいりたいと考えております。

当期の配当金につきましては、中間配当金は1株当たり13円(前中間期比+2円)とさせていただきました。また、期末配当金につきましては、1株当たり15円(前期末比+4円)を予定しており、通期では1株当たり28円(前期比+6円)となる予定です。

次期の配当予想につきましては、1株当たり年間30円(うち、中間配当15円)を予定しております。

4.事業等のリスク

当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、当社グループは、これらのリスク発生(顕在化)の可能性を認識し、発生の抑制・回避および発生時の対応に努めてまいります。

(1)食品の安全性の問題

食品業界におきましては、消費者の品質に対する要求は一段と高まってきております。当社では、製品品質を保証する専門部署である品質保証部を中心に、トレーサビリティの仕組みを構築し、品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、社会全般にわたる品質問題など、上記の取組の範囲を超えた事象が発生した場合や風評被害などにより当社製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、または当社製品に直接関係がない場合であっても、風評などにより当社製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(2)天候や自然災害

当社グループの食料品事業は、冷夏・猛暑などの天候要因や、大規模な自然災害の発生により、業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

昨年の東日本大震災に際しては、直ちに対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築するとともに、食品企業の使命として製品支援・製品供給を第一に考え、生産・供給体制を整備し、対応いたしました。また今後は、想定レベルを一段高め、リスクマネジメント体制を強化することにより、災害発生時の損害の軽減を図ってまいります。

(3)原材料の調達および価格の変動

当社グループ製品の主要原材料は、小麦粉・香辛料などの農産物および包材に使用する石油化学製品などであり、原産地での異常気象や紛争の発生、法律または規制の予期しない変更などにより安定調達が困難になるリスクや、さらに需給関係や相場の変動などによる価格高騰で製造コストが上昇し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

また、当社グループは、原材料の一部を海外から調達しており、為替変動の影響を受ける可能性があります。中長期的な為替変動は、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(4)海外事業におけるリスク

当社グループは、米国・中国・台湾・韓国・タイ・ベトナムなど海外において、豆腐の製造・販売、ルウカレーならびにレトルトカレーの製造・販売、レストランのチェーン展開など食品関連の諸事業を行っております。これらの国々での景気後退・政治的問題、食品の安全性を脅かす事態の発生などが、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(5)保有資産の価値変動

当社グループは、様々な資産を保有しておりますが、土地や有価証券などの資産価値が下落することにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(6)法的規制などの影響

当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、環境・リサイクル関連法規などの各種規制や、海外進出先における現地法令などの適用を受けております。当社グループといたしましては各主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、法的規制の強化、新たな規制などによって事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

(7)情報・システム管理におけるリスク

当社グループは、開発・生産・物流・販売などの情報や、販売促進キャンペーン、通信販売などによる多数のお客さまの個人情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、災害によってソフトウェアや機器が被災した場合のシステム作動不能や内部情報の消失、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウィルス感染などによって、システム障害や情報漏洩、改ざんなどの被害の可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。

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