経営成績

(1)経営成績に関する分析

1.当期の経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、景気に下げ止まり感が出てきておりますが、雇用情勢を反映した所得環境の悪化が続き、全般的には厳しい状況で推移しました。生活関連分野では、デフレ傾向は未だ根強いものがあり、店頭での価格競争は依然激しさを増しております。

このような状況のなか、当社グループは、当連結会計年度より3カ年の第三次中期計画をスタートいたしました。第三次中期計画では、グループの成長を牽引する事業と、当社の強みを活かして収益の維持・拡大を図る事業を区分し、経営資源を適切に配分するなかで、成長シナリオの再構築と実現を図り、企業価値の一層の向上に取り組んでおります。

売上面におきましては“嵐プレミアムナイトご招待キャンペーン”などの販売促進活動や広告活動の効果もあり、主力のルウカレー製品やレトルトカレー製品が売上を伸長いたしましたほか、家庭内での調理頻度の高まりに伴い、スパイス製品が好調に推移しました。また、お客さまとの接点拡大に向けた新たなチャネルの開拓や、将来の市場拡大を見込んだ新製品の積極的な投入により、「ウコンの力」をはじめとする健康食品が引き続き高いご支持をいただきました。しかしながら、「六甲のおいしい水」や子会社ハウスウェルネスフーズ(株)の飲料製品が、厳しいマーケット環境に加え、夏場の天候不順の影響を受け苦戦を強いられましたほか、シチュー製品も、競合激化によるカップタイプ製品の落ち込みなどにより、前年実績を下回りました。以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は2,206億2,200万円と前期比0.9%の減収となりました。

一方利益面では、主力製品の増収効果に加え、原材料価格が安定していたことや引き続きコストダウンに注力しましたことなどから、連結営業利益は109億6,400万円、前期比7.5%の増益、連結経常利益は121億8,700万円、前期比10.9%の増益、連結当期純利益は48億2,000万円、前期比2.0%の増益となりました。

【事業の種類別販売の状況】

<食料品>

ルウカレー製品は、景気停滞を背景としたお客さまの内食回帰傾向が追い風となるなか、「バーモントカレー」や「ジャワカレー」が効果的な販促・広告活動に加え、カロリー数を減らした“新・濃縮加熱製法”採用によるフレッシュアップがスムーズに受け入れられ、順調に推移しました。また、レトルトカレー製品は、値頃感のある「カリー屋カレー」が好調であったほか、新しい食シーンをご提案した「めざめるカラダ朝カレー」も、大きなご支持をいただきました。

スパイス製品は、「ねりスパイス」が好調な伸びを示しましたほか、使い切りタイプの新製品「ギャバンミニパック」が売上の拡大に寄与しましたことから、増収となりました。

シチュー製品は、主力の「北海道シチュー」が前年並みの売上を確保しましたものの、「カップシチュー」が競合の激化で低調であったことや、「北海道チャウダー」が前年好調の反動もあり減収となったことが影響し、前年実績を下回りました。一方、カップタイプのスープ製品「スープdeおこげ」は、バラエティ製品の発売もあり、好調な売上を示しました。

袋麺製品は、ロングセラー商品「うまかっちゃん」が、九州地区を中心に展開した発売30周年キャンペーンが奏功し、売上を伸長いたしました。

健康食品は、ウコンの健康成分であるクルクミンを増量した新製品「ウコンの力スーパー」を最需要期の年末に向けて投入しましたほか、本年2月に、女性を足元からサポートする軽快ウォーク飲料「SASSO」を発売するなど、製品ラインアップの強化を図ってまいりました結果、増収となりました。また、子会社ハウスウェルネスフーズ(株)は、競合の激しい飲料市場にあって、夏場の天候不順の影響等もあり、全般的に苦戦を強いられました。

スナック製品は、主力の「とんがりコーン」が安定した売上を確保したことに加え、当社独自の2段こんがり製法を用いた「こんがりポテト」が好調であったことから、前年実績を上回りました。

業務用製品は、外食業界の厳しい市場環境を背景に主力製品が伸び悩むなか、総菜・ベーカリーなどの中食分野やケアフードマーケットへの製品導入を図ってまいりましたが、全体では減収となりました。

海外事業では、米国の豆腐事業は、景気低迷や競争激化が業績に波及しましたものの、東部・中西部地区での新規取扱の拡大が進んだことにより、売上を伸長いたしました。中国のルウカレー事業は、昨年7月に生産工場を移転いたしましたが、移転後に積極的な販売活動を再開し売上拡大に注力してまいりました結果、特に業務用製品の拡販が進み、増収となりました。また、カレーレストラン事業も、台湾・韓国で積極的な店舗展開を進めましたことなどから、前年実績を上回りました。

当連結会計年度の食料品の売上高は2,087億6,800万円、前期比1.3%の減収、営業利益は143億7,500万円、前期比4.3%の増益となりました。

<運送・倉庫業他>

運送・倉庫事業は、子会社ハウス物流サービス(株)が、当社製品の売上動向の影響などにより、グループ内での物流業務の受託実績が減少いたしましたが、グループ外企業の物流業務の受託が進みましたことなどから、前年実績を上回りました。

当連結会計年度の運送・倉庫業他の売上高は118億5,400万円、前期比7.4%の増収、営業利益は5億6,900万円、前期比75.6%の増益となりました。

2.次期の見通し

今後の見通しでございますが、活発なアジア経済を背景として、外需には回復の兆しが見られますものの、原材料価格上昇の懸念や高水準を維持する失業率などもあり、国内の景気動向は引き続き予断を許さない状況で推移するものと思われます。生活関連業界におきましては、不透明な景気を反映した生活防衛意識の浸透による買い控えや商品の低価格化など、厳しい市場環境が今しばらく続くものと予想されます。

当社グループにおきましては、このような環境下、課題解決のための施策のスピーディーな具現化や、将来の成長の糧となる「新しい需要の創造」に向けた新価値製品の積極的な開発に注力し、経営目標の達成をめざしてまいります。

ルウカレー事業では、トップメーカーとして、市場活性化のためのマーケティング活動を積極的に推し進めてまいります。また、健康食品事業では、子会社ハウスウェルネスフーズ(株)も含め、グループとしての健康食品分野の強化を図ってまいります。併せて、首都圏でパイロットマーケティングを進めてきたダイレクト事業は、今春から全国へと拡大し、本格的な事業展開をスタートいたします。海外事業では、持分法適用会社の上海ハウス味の素食品(有)で展開しておりました中国レトルトカレー事業を、子会社上海ハウス食品(有)に統合し、ルウカレー事業との相乗効果を生み出すことで、日本式カレーの普及・拡大に一層注力してまいります。また米国においては、豆腐製品の新ブランドを展開し新しい豆腐メニューをご提案することで、市場の創造に取り組んでまいります。

なお、経営資源を第三次中期計画における注力分野にさらに集中するべく、昭和58年よりミネラルウォーターのパイオニアとして多くの皆さまにご支持いただきました「六甲のおいしい水」のブランドならびにミネラルウォーター事業を、本年5月31日をもって、アサヒ飲料(株)様に譲渡することとなりました。

次期連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は2,230億円(前期比+1.1%)、連結営業利益は111億円(前期比+1.2%)、連結経常利益は122億円(前期比+0.1%)、連結当期純利益は62億円(前期比+28.6%)を予定しております。

(2)財政状態に関する分析

1.資産、負債および純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて37億100万円増加し2,319億2,700万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて25億9,100万円増加し1,025億700万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて11億1,000万円増加し1,294億2,000万円となりました。

流動資産の増加の主な要因は、譲渡性預金の取得等により有価証券が35億5,400万円増加したことなどによるものであります。

固定資産の増加の主な要因は、株式相場が前連結会計年度末に比べて上昇したことや、債券・株式等の取得などにより投資有価証券が65億4,900万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて4億500万円減少し492億9,900万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて10億8,200万円減少し392億7,600万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて6億7,700万円増加し100億2,300万円となりました。

流動負債の減少の主な要因は、支払手形及び買掛金が8億5,000万円減少したことによるものであります。

固定負債の増加の主な要因は、投資有価証券の時価評価差額増加に伴い繰延税金負債が16億3,400万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、その他有価証券評価差額金が16億4,100万円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比べて41億600万円増加の1,826億2,800万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の78.1%から78.6%となり、1株当たり純資産が1,623円36銭から1,660円57銭となりました。

2.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー158億1,300万円に対し、「有形固定資産の取得による支出」等の投資活動によるキャッシュ・フロー△101億2,900万円、「配当金の支払」等の財務活動によるキャッシュ・フロー△27億7,100万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は445億7,000万円となり、期首残高より28億9,100万円増加いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は158億1,300万円(前期比7億1,200万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益106億4,000万円、減価償却費61億200万円によるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、仕入債務の増減額(前期比11億7,500万円)などが主な要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は101億2,900万円(前期比67億8,600万円)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出114億4,700万円、有形固定資産の取得による支出33億2,800万円によるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、債券・株式等の投資有価証券の取得による支出が増加(前期比114億1,200万円)したことが主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は27億7,100万円(前期比3億3,800万円)となりました。これは主に配当金の支払い24億1,100万円によるものであります。

また前連結会計年度に比べての増加は、リース債務の返済による支出の増加(前期比1億8,700万円)が主な要因であります。

(3)利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当

当社グループは、株主のみなさまへの利益還元を経営の最重要課題の一つと位置づけ、収益性の向上と財務体質の強化に努めるとともに、業績・事業計画などを総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本方針としております。

この方針のもと、配当金につきましては連結ベースで配当性向30%以上を基準とした安定的な配当を実施してまいります。

内部留保金につきましては、将来を見据えた製造設備・研究開発などの投資資金や新たな事業展開のために活用してまいりたいと考えております。

当連結会計年度の期末配当につきましては、1株当たり11.0円を予定しており、中間配当11.0円と合わせまして1株当たり年間22.0円となる予定です。

次期の配当予想につきましては、1株当たり年間22.0円(うち、中間配当11.0円)を予定しております。

(4)事業等のリスク

1.食品の安全性の問題

 食品業界におきましては、消費者の品質に対する要求は一段と高まってきております。当社では、製品品質を保証する専門部署である品質保証部を中心に、トレーサビリティの仕組みの構築にも注力するなど、品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、社会全般にわたる品質問題など、上記の取組の範囲を超えた事象が発生した場合は、当社グループの業績・財政状況に影響を及ぼすリスクがあります。

2.天候や自然災害

当社グループの食料品事業は、冷夏や猛暑などの天候要因もリスクとなる可能性があります。また、地震・台風など大規模な自然災害の発生により、製造設備が損害を受け、当社グループにおける生産など事業活動に支障をきたすリスクがあります。

3.原材料の調達および価格の変動

当社グループ製品の主要原材料は、小麦粉・香辛料などの農産物および包材に使用する石油製品などであり、原産地での異常気象や紛争の発生などにより、安定調達が困難になる可能性があり、また、そのことで価格が高騰した場合に製造コストが上昇し、当社グループの業績・財政状況に影響を及ぼすリスクがあります。

4.保有資産の価値変動

当社グループは、様々な資産を保有しておりますが、土地や有価証券などの資産価値が下落することにより、当社グループの業績・財政状況に影響を及ぼすリスクがあります。

5.法的規制等の影響

当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類および不当表示防止法や環境・リサイクル関連法規などの各種規制や、海外進出先における現地法令などの適用を受けております。当社グループといたしましては各主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、法的規制の強化、新たな規制などによって事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績・財政状況に影響を及ぼすリスクがあります。

6.情報・システム管理におけるリスク

当社グループは、開発・生産・物流・販売などの情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウィルス感染などによって、システム障害や情報漏洩などの被害の可能性があり、当社グループの業績・財政状況や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。

7.海外事業におけるリスク

当社グループは、米国・中国・台湾・韓国において、豆腐事業、ルウカレーならびにレトルトカレーの製造・販売および、カレーレストランのチェーン展開を行っております。これらの国々での景気後退・政治的問題などが当社グループの業績・財政状況に影響を及ぼすリスクがあります。

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