第四次グループ中期計画/CSR活動結果報告

ハウス食品グループは、「3つの柱」をテーマとして本業としてのCSRに取り組んできました。

2012年4月から2015年3月までの3ヵ年にわたる第四次グループ中期計画の中で、ハウス食品グループは、本業としてのCSRを「品質保証力の向上」「環境経営の実践」「コンプライアンス・リスクマネジメントの強化」という「3つの柱」で推進してきました。この3テーマにもとづき、2014年度の取り組みを報告いたします。
また、現在の社会情勢をふまえた取り組みについても、トピックスで取り上げます。

CSR3つの柱

1品質保証力の向上

1 品質保証力の向上

しくみと人の融合が「品質保証力の向上」を実現する

フードディフェンス

ハウス食品グループは、意図的な異物・薬物混入から、お客様、社員、会社を守る「フードディフェンス」の取り組みを強化しています。それでも不測の事態、事故が発生した場合は、迅速な原因解明と正しい情報発信を行うことが、食品メーカーとしての社会的責任であると考えています。

フードディフェンスガイドラインを作成

ハウス食品グループは、品質保証統括部が中心となって、この分野の第一人者である奈良県立医科大学今村教授の提唱する考え方にもとづく「フードディフェンスガイドライン」を作成しました。①組織マネジメント、②従業員の人的要素、③部外者の人的要素、④施設管理、⑤経営運営の5つの課題への取り組みを進めています。

工場へ品質保証カメラの導入を実施

フードディフェンスの取り組みとして、2016年3月までに、全工場に「品質保証カメラ」の導入を進めています。正しい作業を立証するために、異物混入等が疑われやすい工程の撮影・記録を実施します。
現在、設置を進めており、2015年6月から順次運用を開始しています。

品質保証カメラ

品質保証カメラ

品質保証カメラがとらえた工場内の様子

品質保証カメラがとらえた工場内の様子

迅速かつ科学的に事実確認できる体制の強化

製品に何らかの問題が発生した場合、その危害性を迅速に判断して対応するため、ハウス食品分析テクノサービスと提携し、製品の状態確認や成分分析を的確かつスピーディーに実施できる体制を強化しています。

人材育成

ハウス食品グループは、役員・部署長を対象とした勉強会、全社員向けのe-ラーニングや若手社員向けの集合学習会の実施など、さまざまな教育プログラムで品質経営の実現にふさわしい人材育成に取り組んでいます。

食の安全・安心勉強会の開催

役員と部署長向けに、2009年から食の安全・安心勉強会を実施しています。2014年度は、「危機管理」をテーマに4回の勉強会を開催しました。
農薬混入事件の第三者検証委員の方やアレルギーの子どもを持つご家族の会の方などに講演をしていただきました。専門分野の第一人者の方々を講師に招くことで、臨場感を持ったお話を伺い、知識と見識を深めています。

食の安全・安心勉強会

食の安全・安心勉強会

全社員を対象としたe-ラーニング

ものづくりに関するe-ラーニングプログラムを作成し、2014年度は全社員向けに3回に分けて実施しました。プログラムはフードディフェンスを含めた全13コンテンツで、食品メーカーで働く社員として、最低限知っておくべき内容で構成しています。今後は、入社2~3年目の社員を対象に継続していく予定です。

「業務の品質向上」学習会の実施

お客様により満足していただける製品・サービスを生み出していく品質経営の実現では、すべての部署において「業務にも品質がある」ことを理解し、向上させることが大切です。そこで、業務の課題を適切に認識し、継続的に改善する力を身に付ける学習会を人材開発部門と開催しています。

景品表示法にもとづく表示学習会の実施

ハウス食品グループでは、「景品表示法」にもとづいた適切な表示を行うため、「広告・販促物表現物作成指針」にて具体的な表現基準を定めています。お客様が商品を選択する際に優良誤認をしないように徹底しているほか、グループ各社とも表示に関する学習会を定期的に実施しています。

表示に関する学習会

表示に関する学習会

2環境経営の実践

2 環境経営の実践

社員一人ひとりの意識向上と気づきで改善を進める

地球温暖化防止への取り組み

ハウス食品グループは地球温暖化防止のため、CO2排出総量の削減に取り組んでいます。

生産工程の効率化や省エネ設備の更新

生産部門では、水処理設備や冷凍設備などの24時間稼働の設備をインバータ制御することで消費電力削減をしたり、生産工程における無駄な運転(待機時間等)を見直し、効率化を進めています。
また、照明のLED化や、空調設備などの老朽化が進んだ設備を省エネタイプに更新するなど、計画的に進めています。その結果、ハウス食品グループ全体の2014年度目標であるCO2排出量69,940トンに対して68,620トンとなりました。

国内のハウス食品グループ全体におけるCO2排出量および原単位の推移
改善事例/静岡工場 CO2排出量削減への取り組み

ルウカレーの加温装置は装置を安定させるために、スタートの1時間前から昇温し、運転していました。それを30分に短縮しても製品への影響がないことを確認し、電力や蒸気使用量を削減することができました。(CO2換算:約2.3トン/年)
生産部門では生産工程の適正化を図ることで、さらなるCO2削減に取り組んでいます。

加温装置

加温装置

廃棄物の削減・リサイクル

ハウス食品グループは資源の有効活用のために、工場では廃棄物の削減および再資源化を進めています。

廃棄物削減活動の取り組み

工場では、廃棄物の中で大きな割合を占める汚泥などを水処理の適正管理・運転で減らす取り組みや、包装設備での安定稼働に向けた改善を進め、不良品を削減することで廃棄物の削減を進めています。
また、オフィスでは会議資料のペーパーレス化や無駄な印刷をしないなどの活動に取り組んでいます。
廃棄物の適正処理として、複合物や素材別に細かく分別しリサイクル率の向上を図っています。

国内のハウス食品グループ全体における廃棄物量およびリサイクル率の推移
改善事例/静岡工場 廃棄物を約1.6トン削減

『とんがりコーン』の生産工程の一部を摩耗しにくい素材に変更しました。このことで、包装機から正常品を誤って排出する確率が下がり、1年間で約1.6トンの廃棄物を減らすことができました。

包装機

包装機

改善事例/サンハウス食品 水の使用量約4,000トン削減

レトルトカレーの具材を運ぶ容器は「予備洗浄」「洗浄」「すすぎ」の3段階で洗浄されています。その3段階すべてを清水(地下水を濾過したもの)で行っていましたが、他の工程で使用されている冷却水を再利用して「予備洗浄」と「洗浄」を行い、最後の「すすぎ」は、今まで通り清水を使用するように変更しました。
その結果、1年間で約4,000トンの清水の使用量を削減することができました。

洗浄装置

洗浄装置

3コンプライアンス・リスクマネジメントの強化

3 コンプライアンス・リスクマネジメントの強化

社員一人ひとりの倫理観向上とグループ全体でのリスク対策を推進する

コンプライアンス

ハウス食品グループは、社員一人ひとりが高い道徳観・倫理観を持ち、CSR行動規範を遵守するために、社員への啓発活動を継続的に行っています。活動を通じて、コンプライアンス意識の醸成を図っています。

国内ではコンプライアンス学習会を充実

国内のコンプライアンス推進については、2007年から学習会を開始し、2012年からの第四次中期計画でも中心課題として取り組みました。

役職階層ごとの学習会を実施

役員、部署長、新任課長・初任マネージャー、社員に向けた階層ごとの学習会を、講師による一方的な講義ではなく、より「自分ごと」としてとらえることができるようグループで議論する形式で実施しました。
役員や部署長を対象とした学習会では、外部講師を招き、他社においての事例をもとに議論を行い、より具体的で活発な意見が交わされました。専門的な知識を学ぶと共に、他部門の管理職間でコミュニケーションを図ることができ、参加者の反応も好評でした。

部署長学習会での議論の様子

部署長学習会での議論の様子

コンプライアンス学習会ツールを用意

各社・各部署のコンプライアンス推進者が講師として自部署で学習会を実施できるように、学習会ツールを用意し、推進者の活動を支援しています。

海外グループ会社の行動指針の策定

海外拠点で共有するためにグループ行動規範の現地語化を完了しています。これに加えて、海外グループ会社独自の行動指針策定を進めています。
2014年度までに、ハウス食品(中国)投資社等で行動指針が完成しました。第五次中期計画では引き続き、その他の海外グループ会社で策定するために支援していきます。

リスクマネジメント

ハウス食品グループは、「現場できちんとリスクマネジメントができている」ことを管理者や経営者が把握し、社外への説明責任を果たせる体制づくりをリスクマネジメントの意義として、活動を推進しています。

全体最適型リスクマネジメント(ERM)への取り組み

企業のリスクマネジメントの潮流が部分最適型から全体最適型リスクマネジメント(ERM:エンタープライズリスクマネジメント)へシフトする中、ハウス食品グループも各部署・各社単位ではなく、グループ全体でリスクマネジメントに取り組む体制を強化しています。

  • ●全体最適型リスクマネジメント(ERM)のメリット
  • ①各組織の目標達成を阻害する課題が整理される
  • ②課題への対応優先順位が明確になる
  • ③課題を共有することでメンバーのベクトルが揃う
ハウス食品グループのリスクマネジメント規程

「ハウス食品グループリスクマネジメント規程」において、「リスク」は対応を誤ると多大な損害を受ける可能性のことを指し、リスク対応策は「予防策」と「有事の対応策」の両方が必要であると規定しています。
また、「リスクマネジメント」を「リスク対応策を的確に講じることでリスクによる損害を最小化し、企業の安定的発展を確保すること」と定義し、PDCAのサイクルを回すことで取り組みました。

リスクマネジメントサイクル
ハウス食品グループ全体の「リスクマップ」を作成

グループ全体にかかわる多様なリスクを「見える化」し、一目で影響度と頻度が理解できる「リスクマップ」を作成しました。
248項目の共通チェックリストをもとに自社への関係の有無を分類し、関係する項目についてその影響度と頻度をそれぞれ3段階に分けて評価しています。

第五次中期計画での目標

第五次中期計画では、作成した「リスクマップ」をグループ各社・各事業本部においても作成することを目標としています。「リスクマップ」に変更することで、担当者だけが理解しているのではなく、社員一人ひとりがリスクを認識し、全員参加で話し合うことが可能になります。将来的には各部署が「リスクマップ」を持ち、それをグループ内で公開し、他部署と自部署のマップを見比べて、改善につなげていくことを目指します。
また、経営陣が認識しておくべきハウス食品グループの「重大リスク」についても引き続き検討し、その対応策や危機発生時の訓練を行い、精度を高めていきます。

リスクマップの例
海外のリスクマネジメントをさらに推進

海外のリスクは、国内と違い、さまざまな観点での対応が必要となります。
ハウス食品グループでは、国際事業本部が中心となり、リスクマネジメント体制の強化に取り組んでおります。具体的には、外部専門機関のアドバイスを受けながら、各地の特有のリスクを抽出、現状を把握し、海外現地法人と連携を取りながら、実効性ある対応方法の検討を行っております。